詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜の片隅でまた今日も眠れずにいる人はぼく
そんなぼくと同じように眠れずにいる人は今夜 何人いるのだろう?
抱える迷いや悩みは違っても悲しいことには違わない
違わないからね
背中を丸めて
うなだれ
ベランダに出て
手すりに腕をかけ
柄にもなく
自分の生まれた意味や
生きている理由を考えたよ
それでも何ひとつ
わからなかった
見上げる夜空にまたたく幾千億の星に比べれたらぼくの悩みや迷いなんて 小さいけど
黄昏 ふと 瞼とじて
必死な思いでしぼりだした 強がりを盾にして悲しみからの猛襲を防ぐ
今、ぼくはわからない
なぜ生きていくのか
なぜ生きているのか
そしてなぜ生まれたのかさえ
だからこそ 探しに行くんだって 意気込みはもう 言うのも疲れたよ
今、鈍くも回り続ける錆びかけた心のペダルに足をかけ たしかに止める
夜よ 流れてゆくのかい?
また今日も ぼくを明日へ追いやるのかい?
ふと 頬流れた 涙
まるで 流れ星
この思いはまた明日も 解き明かせない謎のように ぼくの心にしがらみとして
ずっと ついてくる
ただ運命に忠実に従い動く時計の針を憎んでも うらんでも
何も始まらない
蹴飛ばした ゴミ箱
ベコッと 鈍い音を立てて へこんだと思ったら またもとの形を取り戻す
そんなゴミ箱にさえ
頼もしさを感じてしまう 光と影の二色に彩られた 二十歳の夜の裏舞台
笑顔をひっくり返せば
リバーシブルみたいに
ほら 誰にも見せない悲しい涙があるんだよ
今、ぼくの中のぼくが表情をゆがませ叫んだのさ
それでも無常に時は経り 夜は明ける
厳かなまでに ただ。
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電信柱の物陰で
背中 丸めて
ひとり泣いている
ちいさないつかの少年
もう 夕方の五時を回ったというのにまだ明るいのは季節が変わったからかな
散らかりっぱなしの部屋には いくつものダンボール
整理も何もしていない だらしない部屋
思い出は日を追うにしたがって
意味のないものに変わっていくようで悲しい
友達といえる友達も
彼女といえる人も
何もいない
ふと我に返ったように気づけばひとりぼっち
こんな 夕暮れの中
むせるような真っ赤な空を眺めている
繰り返してきた過ちと
また繰り返してしまいそうな予感
引き連れてきたのは侘びしさに むなしさが乗っかっただけのモノクロの未来
あんな 顔で 笑ってたっけ
幼いころの僕
アルバム開かなくても ほら いつもの帰り道の途中にある電信柱の陰からこちらをうかがってるよ
思い出にまで
心配されているようで
なんだか久しぶりに
胸が熱くなって
泣きたくなったよ
声をあげずにふるえる 僕は 電信柱の物陰で子供のように涙の粒をアスファルトに落として 俯き泣いていた
悲しいのはなんなんですか?
どうしてあなたは生きてるのですか?
矢継ぎ早に問いかけられる 聞こえるはずもない疑問の声
ああ 今 その全てにこたえることは難しいな
逃げるわけじゃないけど今は 心苦しくも黙らせてもらうよ
夕暮れが 弱々しくさよなら告げるように見えたのは 夕闇にのまれる瞬間だった気がするよ
そしてこんな風に
僕は繰り返してゆく
甲斐性のない生活を
だらしない毎日を
散らかりっぱなしのこの部屋のように溢れかえった いくつもの ため息
ほら 今 僕は欠けた月に照らされて
夜風に 吹かれ
おもむろに目を閉じてみる
自転車のペダル漕ぐように
ほら ゆっくりと
夜は朝へと向かい走り出す
太陽が また ここに戻ってくるまで
夢でも見よう。
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悲しくても
さびしくても
ここにはある
何がある?変わらない幸せが
いつでもこの僕に微笑みかけている
孤独を言い訳に死に急がない
スマイルで蹴飛ばせ 闇雲な明日
気づかないだけで幸せはすぐ近くにある さ
ちいさな出来事の積み重ねが君を幸せにする
そのスマイル
そのスキップ
それが証だ
涙は今だけはしまって
笑うため 生きよう
明日、もし雨が降っても 心には晴れやかな太陽が昇ること
願いながら 望みながら今日は笑うのだ
今日のため
そして
明日のため
今は堪えて
笑うのだ
帰った その時に
精いっぱい
泣けるように
悲しみを溜め込もう
笑顔は涙と入り交じり真夜中は水浸し
僕はたまらず
酸素ボンベを背負う
全てが今日のため
全ては明日のため
いつでもわかってる
わかってるからこそ
今、僕は泣いている
目の前の悲しみに
泣いている
だから 今しか
見えなくなるんだな
だから 涙で
全てがにじむんだな
人は
今日も明日もなく
ただ 『今』という
瞬間の中でしか
生きられないから
だからこそ
僕は今、今を生きている
今日 それを 心で感じたよ
切ない痛みとともに。
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もうすぐ桜が咲くというのに僕はまるで知らんぷり
桜をよそに僕はというと 毎年そうなんだ
桜は待たずにだんご待ち
僕は花よりだんごなのさ
おいしいもの目当てなのさ
美しいものなんて
見てもつまらないだけ
早く だんご食いたいな
腹いっぱい
無感動な人間の僕には
花見というより
飲み会みたいなものなのさ
歌って さんざん騒いで 食い散らかして
桜の木の下でバカ騒ぎ
僕ら だんご派
桜なんかより
ほら まるまるとした串にささった三色だんご
涎が止まらない春
今 扉を開けて。
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僕はまるでかかしのように空っ風に吹かれて
ひとり宛てもないまま途方に暮れていた
広い街の中
捨てても捨てても日に日に増えるばかりの不安をホルスターに詰めて こめかみに当てる
まるで ロシアンルーレットみたいに撃ち放つ
空砲に喜ぶ 僕の顔
情けなく 肩 落とす
僕はスケアクロウ
悲しいスケアクロウ
吹き荒れる風の中に立つ
群がるカラスに
撃ち放つ豆鉄砲
汚い手ぬぐいでできた頭に 使い古しの麦わら帽子
明日もまた僕は
スケアクロウ…
悲しい
スケアクロウ…
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こんなにありふれた日常でもロマンはある
ほら目を凝らせば見えるはず
夜空に星を探すように
ドラマチックは意外と人の傍にあるもの
ショー観てるみたいな不思議な気持ちで無重力の夢の中を泳ぐ
悲しいこともうれしいことも切ないことも気に入らないことも附に落ちないことも全てが今日という
またとない1日をきらめかせるための大事な配役 ちいさな星のかけら
今、出しゃばるのは もどかしさかな
それともほろ苦さかな
窓の向こう 広がる星空
柄にもなく 見上げてみた
なんだか 久しぶりな気がする景色
大人になってから忘れてたようなドラマチックな何かがそこにはあったよ
ほら 今 誰かが指差して 何かを願ったのかな
いくつもの願いをのせた流れ星が彼方へと消えてゆく
君のその小さくって細い指でなぞった
流れ星は君の願いを叶えてくれるかな
たまには さえない人生も ガラッとくら替えするように
ドラマチックにドラマチックに変わるかな
さあ お立ちあい
楽しい楽しい人生の幕開け
今、ちょっとだけ
その模様を覗き見
こんなにありふれた日常でもロマンが
ロマンがきっとあるはず
忘れてた大切な何かが君のハートをノックする時 それは今
人形劇を 観てるように ほら とても他人のこととは思えない
通りすがりの 自信なさげな 丸まった背中と 袖でぬぐった涙のしずく
悲しいこともうれしいことも切ないことも気に入らないことも附に落ちないことも全てが明日という
またとない1日を形作るための大事なピースなのさ
今、またピースがひとつ加わって見えてきた絵は僕の笑ってる顔かな
それともいつもの愛想笑いかな?
きっと ほんものの笑顔さ
今、足りないもの
今、有り余ってるもの
ぜんぶここに並べて 星座のように 全てを きらめかせてみよう
違った角度から見れば 理想的な幸せの形がほら 君に微笑む。
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『愛してる』という魔法の呪文で二人はつながった
リボンを結ぶように最初は一本ずつだったリボンがひとつに重なって ぼくらはひとつになった
小さな出来事の積み重ねが導く きらめく明日
ほら 春の陽射しの先で 日だまり 揺れている、まぶしいくらい
押し寄せる波
何かが近づく 予感
海に戻ろうとする貝殻が岸に押し戻されるように何度も願った祈りは音信不通の携帯みたいになんの音沙汰もないまま
『愛してる』という魔法の呪文は今あの日より特別になって二人の心をさらにほどけないくらい強く結び
ちょっとだけ育って
ぼくらの心によりあたたかい灯をともした
夜明けととも
見える光の先に
それとはまた違う
希望の光がまたたいた
さあ 会いに行こう
君を照らす光に
今 言葉は輝いて
一筋の閃光が 夜空に弧を描く
あの星はなんていうんだろう
そんな君の小さな疑問にさえ こたえられなかったぼくの情けなさが今になって
胸を突き刺すんだ
ごめんね 流れ星のように消えた この世界でいちばん大切な大切な人よ
魔法のようにあらわれて
魔法のように消えて行ゆんだね
おとぎ話じゃないけど
12時の鐘が鳴ったら魔法は解けて君はぼくの君でなくなるみたいに
さよなら 勝手なイメージ膨らませてた
ぼくの風船は君の涙でたやすく割れました
さよならの魔法がほら鐘を響かせから
ぼくらは手を振って
さよならしたんだ
コーヒーの中で少しずつ溶けてゆく角砂糖みたいに君は魔法のように消えたね
夢の後先
口笛の矛先へ
消えてゆく
魔法のように
恋ははじまり
魔法のように
恋は終わる
そんな魔法仕掛けの時間は今もまだ続く
大切な大切な何かが欠けたまま 未完成の魔法が ただ ぼくに悲しい夢を魅せ続ける。
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ぼくはギスギスした人間社会は似合わないし溶け込めない質なのだ
みょうにとげとげしい人間関係に飽き飽きしたから
いつか抜け出したい
そうは思うも目処が立たない
それというのも今はただ社会から助けてもらわなくちゃ生きていけないから
下げたくもない頭を
下げるこの恥ずかしさに自分が自分で情けなくなるんだ
捨てきれない男のロマンとそして ぼくの長年の夢を
いつの日か叶えたい
イメージを叶えたい
絵の中の夢を現実に引っ張り出すように
ぼくはこんな世界から
いつの日か旅立ちたい
いくつものしがらみと悲しみに濡れながら歩く今も 思いは消えていないのさ
雨のち晴れみたいに
涙のち笑顔の日々
ぼくは生きているよ
これでもかってくらい 生きているよ
常識の捕虜にはどうしてもなれないのさ
人間として生まれたなら常識やルールに従えという考えは嫌いなのさ
ぼくはぼくの思うまま
風の吹くまま
思いのまま
誰にも縛られないで生きていたいだけ
ただそれだけで変な目で見られるくらいなんでもないさ
もう慣れたんだから
自由人よ 歩みを止めないで 枯れ葉散る秋の切なさみたいな
何かの終わり感じたなら またはじめてゆく
スタート地点は 決まってなどないから
何歳でも 凡才でも
ぼくは向かってゆくよ
誰かから バカにされても ぼくはぼくの信じるまま 風に吹かれてゆく
そう自分自身を信じてやれないでどうするんだよ
自分が自分を信じられなくなったら本当におしまいだろう
さあ 旅立ちたいこの気持ちを捨てないで
いつまでも 持ち続けてね いつの日か旅立ちの夜明けに太陽が昇るように心に朝が訪れるのを待とう
ぼくは今持てる全ての希望を解き放って思うよ
きっと夢は叶うためにあるんだと
だからこそ いつの日か旅に出たい
本当の明日を探す
そのために
今はただまずいものも嫌でも喰らう。
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今思い込めて大きな夢を抱いて飛び立つ翼は世紀末の終わりとともにまた新しい
翼を生やすだろう
光沢放つダイヤのように微塵の汚れもない美しい旅立ちに祝杯あげるぼく
昇る太陽 夜明けの空
だけど気づけば日は暮れて 空はオレンジ色
明日もまた今日と何ら変わらない日になるだろう
なんてつぶやいてね
巣にかえるように折り畳んでた翼 広げる
おれてしまいそうなほど柔く傷ついたぼくの 心に生えた
絶え間ない未来に飛び立つための翼
飛び立ちたいときに飛び立つための翼
誰にでも あるはずだ
飛びたい気持ちがあるならば きっと
飛び立てないはずなんかないから
確証なんていらない
飛び立つ 気持ちだけが明日を開く鍵になるから飛び立て その翼で 目には見えないその翼で 旅立て
新しい 明日へ まだ見たことのない始まりのその先へ
夜明けを待たずに
飛び立つ翼を今開け。
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不安と焦りの波に押し流されるように
僕らは明日また明日と暮らしてゆく
アンバランスなシーソーに乗っかってるような 不安定な今を抱きしめながら
今にも途切れそうな声で歌っています
悪魔の声色にも似た
堕天使のバラードを
僕らの明日はいつでも闇に閉ざされた
夜の向こう側
光なき 月の裏側
少しずつ 少しずつ
紐解いてゆく
謎めいた 夜の片結び
しがらみはひとつずつ 丹念に振りほどいて
太陽の照らすその先の小さな息づかい
光と影に交じり合い
僕は なんの証すらも無いままに生きる
僕らは明日も自由の翼を空に広げる
体中を 縛る 鎖を解き放って
鳥かごから 今 飛び出すのさ
ぼくらの明日は不安と焦りばかりで希望も揺らぎそうだけど
笑顔の入り込む隙さえなさそうに思えるけど きっとそれでもまだ諦められないぼくにも見える光があるんだ
雨に濡れたアスファルトの亀裂に咲く小さな花のようにぼくらはただ明日を信じ生きる
種も仕掛けもない
不思議な魔法で
ぼくらは明日に
絶え間ない光を描く
雨上がりの空に七色の虹を架けるように
未知なる道へと続く路
不器用なまでに折れ曲がった 僕の行方
さあ いくつもの
言葉と思いに揺られ
僕を乗せた船は進む
波に揺られても
沈むことなく
しっかり明日を目指すよ
いつでもこの瞳に絶え間ない光を宿して
ぼくらの明日は間違いなく はじまるだろう。