詩人:どるとる | [投票][編集] |
それはそれは長い長い夢を見ているように今日も夢から覚めれば 帰り路の黄昏
飴色に染まった空をひとり 見上げてる
『なんて 自分は ちっぽけなんだろう』
そんな 気持ちを抱きて 向かう 愛の巣
低く垂れ込めた雲が教える 夕立の兆し
空が泣き出す前には帰りたい 大げさなくらい大粒の悲しみに濡れないように
片手に 傘を 持って
今はただ 帰ることだけ考える
なんと 小さな 焦りだろう
なんて か弱い 人間だろう
雨が降り出すだけなのに なぜか胸騒ぎがする
そんな帰り路
どんなBGMも似合わない
邪魔な雑音になるだけだ
黄昏ても意味はない
だけれどただ自転車を漕ぐだけじゃつまらない
鼻歌など試みる
そんな帰り路の黄昏
夢のように始まったように
夢のように最後も終わる
幕がおりるように
静かなまでにほら閉幕と相成る。
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ひとり頷いて
ひとり夢を見て
ひとり涙して
ひとり笑って
ひとり選んで
ひとり謝って
ひとりささくれて
ひとりふてくされ
ひとり苛立って
八つ当たり 壁を蹴る
やたら物に 当たる
青春のシミのようなもの
ひとり笑い転げ
ひとり抱えて
ひとりばかを見て
ひとり躓き
ひとり転んで
ひとり楽しんで
ひとり悲しんで
ひとり驚いて
ひとりしょぼくれて
そんな 僕はなんでもひとりでやれるつもり
青春のシミを 見て見ぬ振りしてた
後ろの正面だあれ
振り返ったら
そこには黒い春
桜も枯れ果て
見る影もなく
余りの儚さに
期待も散る始末
ひとりで勇んで
ひとりで失敗し
それを悔やむ
そんなことの繰り返し
いつも悲しい行き帰り
ひとりなら
責任も
全てひとりだから
気楽だ
そうでもなかった
ひとりだからこそ
辛いんだ
ひとりきり
壁に向かってボールを投げまた跳ね返ってきたボールをとりまた投げる
そんな寂しい会話は無機質な空虚を生む
ほら 黒い春が忍び寄る気配がするよ
その時、僕らはなすすべもなく粉骨砕身。
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涙の向こうの景色
にじんでは揺れるそのさまはまるで風景を閉じ込めた一枚の絵のよう
まるでスリガラスを見てるよう
瞼を閉じて
今、余計な言葉をしまって
僕はそのにじんだ景色を見つめて深い深い微睡みに沈む
そして夜は始まる
全ての光を喰らい
水銀灯の中で静かに
朝は身を隠すように夜明けを待つ
名画と名高きモナリザの微笑みも消え入りそうなくらい
眩しい君の笑顔
そして大手を振り
待ち望む 未来
今はただ 夢を見て
夜を理由に 床に着く
悲しみは飽きず僕を悲しませて
喜びは呆れず僕を喜ばせて
いつもの日常がそこにあるだけ
何も変わらずに
今、夜を見つめてる僕のこの目には夜が映っているけれど
ほら ただ夜というだけでは簡単すぎてさ
なんと言えばいいのかもわからなくてさ
三日月 雲間から こちらをのぞき込んでる
あたりまえなことが全て幸せと思えたらいいなと思う
だから 夜は僕にとってはただ暗くて静かなだけでいいのさ
いつものような平穏さがあればそれで
夜は悲しくてもいいから 涙こぼすその理由をたずねることもしないまま 三日月はただ光り 窓から見上げてる僕を照らしてる
それだけでもう夜なんだってひとり頷いてひとりで納得して呟くようにおやすみを言う
水彩に溶けし夜
今、じわりと
にじんで広がる
波紋のように
涙が 心の水面を乱す
美しい その色を遠目に映して。
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誰にも言えない悲しみだから
誰にも言わないままでいるよ
誰にも言えない悲しみだから
誰にも言えない悲しみならば
打ち明けられる誰かを探せと
誰かの声が聞こえてきたんだよ
誰にも言えない悲しみだけど
誰にも言えなかったはずなのに
はじめて言える人を見つけたよ
それが僕には君だったんだね
これってもしかして世にいう愛なのかって思ったのさ
誰にも言えないけれど
誰にも言いたくないけれど
君にだけは言えてしまう
だから 僕も君の悲しみを打ち明けられる人になりたいものだ
悲しみを打ち明けあい愛し合える
そんな二人になりたい
僕らが目指す未来の形
今、悲しみは形を変えて期待というものに変わった
かなしみのうた
君にだけ 唄おう
君にはなぜだか
躊躇わず言えるから
かなしみのうた
迷わないで 唄う。
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『水生生物』
僕は人間でなく
魚として
生まれていたらと思うと
やっていけたかと思う
こうして見ると
多少不便ではあるけれど人間として生まれてよかったと思うよ
『光合成』
お日様の光を浴びて
元気いっぱいに咲く花のように 僕もお日様の光に勝るとも劣らない光を浴びている
それは言わずもがな「愛」という神々しい光。
『Cランク』
僕の評価はいつでもCランク
だけれどCランクのCはビタミンCのCだからなんか 栄養価がある気がしていい感じ
ポジティブインマイライフ♪
『矢』
矢は一本では
やっこいから
折れちまう
でも 何本か合わせれば
折れない
結束力がものをいう世の中ならばそんな絆で乗り越えられる
そんな気がする。
『不思議なこと』
太陽は東から昇り
西へと沈む
そんなあたりまえな出来事さえ不思議に思う気持ちがまた不思議だ
そしてそんななぜそう思うのかも不思議だ
不思議はつきない
いってしまえば
目にうつる全て
今 聞いている全て
ここにある 全て
不思議のかたまりだ
不思議じゃないものなど何ひとつない
不思議なことさえ不思議なんだから。
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今日の終わりとともに
明日が始まる
明日の終わりとともに
再び明日が始まる
そうして人は繰り返し
時間が来るまでなんやかんやして生きる
各々が各々の思うように生きる
たまに死んじゃったりする
そんな感じ。
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人は運命という名のもとに生まれた
まるで開いた手のひらから解き放たれるように
命はそうやって何百年後も何千年前も
繰り返し繰り返し
結ばれては開かれて
そんな具合に まるで 童謡の歌のように
今も続いてるのです
ほら 今日もこの星のどこかであたりまえのように起こっている
手のひらをただむすんでひらいてするように
ほらね歌が聴こえるように。
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ピエロがするみたいな愛想笑いを振りまいて
一日中 嘘や偽りで気持ちをごまかすより
いっそのこと本音をぶちまけて嫌われたほうが気持ちいい
たとえば ひとりきりになっても
人の悲しみに同情とは違う 何か 感じるものがあるように
たとえばそんな言い様のない気持ちを育てられたらいいなと思うのさ
ピエロの化粧は落としてありのまま素のままの自分にもどろう
人のために愛想笑いしたって悲しくなるだけだ
それなら愛想笑いなんかしないほうがいい
だけど人の喜びや悲しみに同じ涙や笑顔を浮かべるのは気持ちいいもんだ
どうしてだろう
そんなのわからないけれど何かが違うんだろう
だから僕は人のために泣ける人になりたい
だからだから僕は人の喜びに共に笑いあえる人にもなりたい
愛想笑いにはなんの優しさもぬくもりもないけど愛想笑いじゃない 笑顔や涙にはぬくもりや優しさがある
だからこそ僕は人のために泣きたいし
人のために笑いたい
ひとごとだと言わないでそうしたい
何時でも人のために
そして自分のために
心から泣き笑いしたいんだ
人のためになれる人になるために。
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運まかせ 風まかせ
気の向くまま 旅烏
なんでも人まかせ
宛てもなくふらふら
宙ぶらりんな風来坊
地に足をつけられず
空に指を突き立て
風が吹く方へ向かい
分かれ道なら枝が倒れた方へ向かう
そんな僕は不安という風にまかれ
季節お構いなしに一年中 涙流してる
あの日、どこかに届けたはずの口笛の行方
思い出の中に隠れん坊しているのかい?
夢の在処 未だ知れず
運まかせ 波まかせ
何が起きても 無神経
悲しみをなんとかごまかそうとするだけの泣き虫弱虫
降ってくる雨を責められやしないから
ただ 濡れるのがさだめだと笑っているしかない僕らは明日の足音に耳をふさぎまぶたぎゅっととじても
気ままな旅は続く
風がそこに吹くかぎり
僕は 風来坊
日々は僕を必要としているようで
まだ生きなきゃだめなようで
おもむろに 開いた扉
その向こうに期待してるのは けっして幸福ではないけれどあたりまえな笑顔が咲くめぐまれた生活だ
また 同じ景色をめぐるとしても違う角度から眺めればまた違った景色になる
方位磁石も
地図も
頼りにならない
人生という山は
自分の足と頭だけが頼りだから
さあ 開かれた扉のその先で試される
自由という名を借りた不自由のもと
僕らは 風来坊 それぞれが気取って精一杯迷い 悩み それぞれの 座席を探してゆく
まだ探してる人
もう見つけた人
様々な人がいる中で僕はどうなのかな
今、また僕は僕なりに空に向かい人差し指を突き立て
歩き出している
はるかな 旅の終わりへと
未完の地へ あの太陽の沈んでゆく場所へと
ただ ゆっくり
時間をかけて
すり減る命
タイムリミットという残り時間の中で
できるかぎりの事をするつもりさ
そんな今日もやっぱり風来坊は風来坊
僕の行く先は風だけが知っているのだ
さあ 朝焼けを合図に目を覚ませ 今、開眼の刻。