詩人:どるとる | [投票][編集] |
ほら 悲しくなったら
手のひらに君の名前を書け
思い出せば 僕は一人じゃなかった
君がいたんだよね
いくつ愛という言葉を書いただろう
いくつ書いてみても足りない気がする何か
君に今すぐ 会って
そして 抱き寄せあって
何を伝えようか
いつも 会いたい気持ちだけ 膨らんで
伝えたい気持ちが見えないでいるよ
手のひらに指で書いた言葉が涙でにじんでゆく
見えないのに
おかしいよね
君の笑顔が何より僕をあたたかく照らす
ほら だから 悲しくなったら 君の名前を手のひらに書いて
思い出すんだよ
会えない夜は
そうやって ごまかすんだ 裸の悲しみにタオルを巻くように
悲しさが 涙に変わらないように
ほら 僕は書くんだ
この世界でいちばん
大好きな人の名前
手のひらに書いた見えない君の名前
手のひらからも頭の中からも一生消えない君の名前
愛しすぎて
愛しすぎて
涙が止まらない
顔を覆うほどの切なさが僕を包んだ。
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1日の終わりは心に
もどかしいむなしさを残してゆく
まるで落とし物のように僕を悲しくさせる
夕暮れに涙誘われ
風の吹くまま
僕は言葉にならない気持ち抱いた
これはある 映画の
ワンシーン
それも最終回の場面
ほら 涙が伝う
さよならを合図に幕が降りる
壁にうつった小さく 手を振る僕の影
僕が手を振るのをやめると影もやめる
おもしろいね
でも切ないね
ああ 今日の僕よ
おつかれさん
だなんて言ってみたりして そして天気雨が降り止むようにさりげなく終わる
今日という1日の最終回
いかがでしたかな?
評価なんてしないさ
生きている。そして生きていける
それだけで 良かったから
この世界にいる人の数だけいる主人公のひとりは 深く頷いた
夜の片隅 夜光虫群がる 明かりの下
僕は、夜の闇に溶けて消える
アングルは夜空へと移り上から下へと夜明けへ向かうようにエンドロールが朝まで続く
そんなようなあんばいでほら今日も生きれれば
最終回として申し分ない。
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ただ黙ってひとり本を読むように
それも目だけで文字の羅列をなぞるように
ただやるべきことをこなすだけの日々を生きて
友達も 家族にも
言えないことをひとり抱えている
子豚のしっぽのようにくるっと渦巻いてる不安のあまりの多さにため息が止まらない
進むべき道はどっちだ
選ぶべき道はどっちだ
いつも選択肢ばかりで
疲れ果ててしまう
ひとりが好きなんだ
そうやってすぐ嘘をつくのは僕でその嘘を見破るのはいつも君で
そんなやりとりがなぜだか愛しくて
いつの間にか君に恋していた僕に気づいた
バレバレの嘘をついたら
思わぬ答が返ってきた
『私があなたにはどうやら必要なようね』
『よくご存じで』
夕日に二人の影
揺れるシルエット
くだらない
嘘も今はプロポーズのように大切な言葉だ
はじまりの言葉だ
嘘はたちどころに
真実になった
あの瞬間を
君は おぼえてる?
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気づけば今日も日が暮れてオレンジ色の空 見つめていたら
いつの間にか 知らないうちにさ 星の光照らす 夜になっていた
まだやりたいことがあるから時間を戻してよ
なんてこと言えないね
言っちゃいけないね
みんなそれぞれに与えられた時間は同じ
その切なさも同じ
だから日が暮れたなら誰もが帰るのさ
大人になっても帰りたいものさ
今日も夕日見つめてる僕の目に光る涙
切なさがあふれる
こみ上げる感情は
まるで言い表せないから
100%の努力と残りの閃きでのりきったような1日に思うことなんてただいつも時間が経つのが早いってそれだけさ
嫌なことしてるときはやたら長く感じる時間も嘘のように笑っていられるような時間だけ早く感じるよ
でも なんだかんだで日が暮れたら涙も乾いているのさ
明日も沈みゆく夕日にさよなら言って
頑張った自分を少しほめて また明日にそなえて体力を温存するために眠ろう
そうやっていつの日か終わる時にたまってたものすべてため息みたいにして吐き出しめいっぱい笑えるような日々を歩いてゆけたら幸せだ
あしどりは決してかるくはないけれど
人生も順調だとはおせじにもいえないけど
ただひとつ思うのさ
こうして今生きていることを思えばこれ以上幸せなことはないな
悲しみ降るこの世界でたまに笑えることがどれだけ幸せなのか 考えたら気づいたんだ
ほら こうしているあいだにも時間はどんどん過ぎていって
カラスも巣に帰り
やがて夜が街をのみこんで 僕らも夜の腹の中
明かりを頼りにしなくちゃ歩けなくなるくらい暗いの夜だから
涙はもう しまって
今度は泣いたぶん
笑いましょう
理由なんてなんだっていいのさ
とにかく 落ち込んだ自分を励ませられれば
慰められればいいから
夜空に光ってる月におやすみ言って
傷つき 病んだ 心に慰めの言葉ひとつもくれてやろう。
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水面から潜望鏡を出して水上の景色を見るように
ほら 今日という水面から明日という水上の景色を見てみるよ
でも見えたものは
イメージだけだった
だから僕はイメージで明日を判断するしかない
だいたいこんな感じかなと
そして浮き上がってみた場所が明日で期待にそうかそわないか
まちまちの日々を生きる
ほら 潜望鏡で明日を見るように僕は今日も今日という水の中からイメージのまなざしを向ける
さてさて何が見えるかな。
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ちょっとまだ遠い季節の夏のカンカン照りの炎天下の空の下に元気いっぱいに咲くひまわりみたいに
君は僕をバカみたいにね笑って 悲しいことなんか 忘れさせてくれるよ
こっちまでなんかばかばかしくなってくるよ
最後は自棄だと
自分を言いくるめましてばかみたいに笑おう
時にはそんなふうにばかになるのも必要なことさ
君が教えてくれたよ
だから僕は本当に悲しいときには笑うのさ
ごまかすんじゃない
ただばかだから笑うだけさ
『わっはっはっは』
炎天下の空の下で
咲くひまわりのように
僕は高らかに悲しみを前に笑う 笑う 笑う
開き直ったように
ひまわりになって。
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君が腕時計をしきりに気にする癖
君がかかとでリズムをとる癖
君がしゃっくりをしたあとごまかす癖
その癖のひとつひとつが僕のエネルギーなんだよ
大げさにいったら愛なんだよ
だから もっと教えて
もっと 見せて君の癖
君といる毎日は新発見の連続だから
楽しくて仕方ない
そうさ恥ずかしがらず
もっと見せて君の癖
ぜんぜん変じゃないさ
僕には美しい光景さ
だから もっと教えて
もっと見せて君の癖
どんな悲しみも一撃で吹き飛ばすその元気な笑顔を 添えて
見して 見せてよ 見せておくれ
可愛らしい君の癖。
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サーカス小屋でピエロは今日も嘘だらけの愛想笑い振りまく
まるで僕みたいだ
パントマイムでごまかしてさ 卑怯かな
僕みたいな人には愛なんて無縁なのかな
ピエロは今日も笑う
しかしながら
愛想笑いで悲しい顔
愛想笑いで切ない顔
回る回る 木馬に乗っかって 少しおどけてみるよ
涙を忘れようとするたびまた思い出すあのピエロの顔
僕を 励ましてるのか
馬鹿にしているのか
いまいちつかめない真意で僕に笑うピエロ。
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はじめて恋をしたのは
ある晴れた春の午後だった
君が笑う場面をただ目にしただけなのに
ふいに心を奪われて
僕は生まれてはじめての感覚を抱いた
胸が苦しくて
痛くて
こんな気持ちになるのなんて生まれてはじめてだったから
戸惑いを隠せずに
僕は ため息ばかりついていた
これが 初恋だって気づいた瞬間 僕の心のどこかで桜が咲くよりも早く 恋の花が咲いたんだ
遠くで見ているだけの臆病者の僕だけど
君に精一杯 恋してた
あんな気持ちはもう二度とない
そんな気がした
君が卒業する時
僕は思いきって
君のところへ行った
そして 打ち明けた思い
結果は桜が散るのと同じで 満開に咲いた恋の花びらも 悲しく切なく散った
はじめての恋にして
はじめての失恋だった
ああ 春遠く
今 また 春おとずれて僕は思い出す
あの初恋を
あれが初恋なんだって 気づいた瞬間の僕は何よりまぶしかった
今よりずっとまぶしかった
大人になって思う 君に恋をしたのは間違いじゃなかったと
階段のぼるように
僕は君のおかげで
自分の力で
恋の花を咲かせられたから
今はただありがとう
そんな感謝の言葉を贈りたい
初恋の君に。
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雨が降っても雷が鳴っても
僕は君だけを思う
照る照る坊主の真似をして君の悲しみをやませようとしてる
たとえば僕が君にしてあげたいことはだね
いつも一緒にいて
君のことを安心させてあげたい
そしてだんだんあたたまる心の温度がある一定の温度に達したら言いたい
『君を僕にください』と
いつも 言いたいことは簡単な言葉ばかりなのに何より難しいな、簡単すぎて
君のことを思うそのたびに今日も涙が止まらなくて
夜も眠れないから
百ある愛の言葉なら
僕はたったひとつの
愛の言葉を君に届けたいんだ
ずっとずっとずっと
いつまでも愛してもらいたいから
たとえば眠れない
さびしい夜をふたりで過ごせたなら
きっと楽しいはずさ
さびしさもあれ、どこにいったんだい?
なんて ふうになる
届けたいのは 特別な言葉なんかじゃない
がっかりするかな
でも 本当の気持ちだ
『僕は君を愛してる』
ただそれだけが言いたかったんだ
素直な気持ちが
今 扉を開いて
流れ出す愛のうた。