詩人:どるとる | [投票][編集] |
近くにあるものが遠くに見えるように
過ぎた日々が近いようでも遠くにある気がするように
今この瞬間だけは見えるけれど先のことは見えないんだよ
たった1秒後すら見通せない僕を遠ざけるように時間の概念はやたら常識に忠実に動く
これから得るもの
失うもの
今まで得たもの
失ったもの
当てずっぽうな透視法で のぞき見ても そこにはいつも期待にそぐわない明日があるだけ
過ぎた日々や時間はどこにも消えてはないよ、ただ僕らだけが歳を重ねて遠いように見えるだけ。そんなまやかしを見せて騙くらかす現実を暴け
近くのものが遠く見えるのは 過ぎてしまったからだろうけど
それなら昨日は思い出と呼ぶにはあまりに新しすぎて
遠近法とかつかって明日を見たところでピンぼけでよく見えないんだ
遠くに見える
思い出の数々
それは嘘でも
まやかしでもないさ
確かに 僕はたとえば昨日と同じ場所に立って今 生きている
遠近法など くだらないことは今すぐ忘れてさ
今を精一杯生きることに一生懸命になってさ
歩いて行こうよ
ほら、もうすぐ夕暮れが僕らの心を焦がしたら涙が頬を伝うだろう
予測できてもこのくらいだ
遠近法じゃずっとわからない
愛やぬくもりが
僕を今という場所に生かしている
ほら 見上げれば
確かに 昨日と同じ
空が広がっているじゃないか
ほら 胸に手をあてれば 確かな鼓動が生きていることを教えているじゃないか
だまされないで
今を見極めて
嘘を暴け
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百回の出会いの中で永遠の恋人に出会えることより
たった一回の出会いだけで永遠の恋人に出会えることのほうが僕は素敵だと思う
なぜならもっと素敵な人に出会えるかもしれないという可能性を捨ててまでその人を選ぶ気持ちが素敵だと思うから
永遠の恋人とはそういう気持ちを共有しあえる者同士をいうのだと思うから
それこそがまさに『運命の出会い』なんじゃないかと思うのさ。
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太陽と月は背中合わせ
今日も明日も向き合ったりはしない
ずっと背中合わせ
でも僕らは太陽や月とは違うんだ
だから向き合おう
人として
互いの醜さや
互いの邪悪さえも
見つめ合い
許し合い
認め合おう
愛し合い
求め合う
人として
僕らは今日、向かい合う
太陽や月は絶対にできないだろう
向き合えば世界はゆがんでしまうから
全ての哲学や論理がひっくり返るから
でも僕らは違う
月でも太陽でもない
だから向き合う
何も困らない
逆に向き合わねばならないから今日僕らは向かい合う
愛し合い
求め合う
人として
今、少しずつ
背中を離し態勢を変えふたりは近くにいながら遠い旅をしてきたように何年ぶりに出会う
今度は
いがみ合い
傷つけ合う
人じゃなく
愛し合え
求め合える
人として
今、交わるのではなく
人と人として
向かい合う
この世界の夜明けに
ふたりの夜明けに。
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開く前は不安と恐れに苛まれた見えない闇の世界に続く扉
開いてしまえばそこは安らぎと夢があふれる世界
恐いのは開ける前だけ
開ける前から恐れてるだけ
だから案外 開いてしまえば笑えるよ
知らないから恐いのさ
だから 踏めぬ一歩を踏み出してみよう
勢いでいい
開いてみよう
明日への扉
少しずつ
闇が光へと変わるそのさまを見つめよう
そこにはきっと
意外な明日があるはずだから。
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涙を流して悲しいよって言う君の気持ちを消したいな
君が悲しいと僕の心にも雨を降らす雨雲が立ちこめるから
やがて雨が降るから
涙を笑顔にしたいよ
傘の役割果たしたいよ
君が好きだから
君を守りたいから
素直な飾らない気持ち
君への愛が全てだ
今 ここに誓う
永遠を
涙を笑顔にしたいな
今はまだ ぎこちない僕らだけど いつかこの雨のように
強く強く抱き合える僕らになるだろう
だから 少しずつ少しずつでいい
仲良く 親しく なっていこう
愛を咲かそう
心に
ふたりでひとつの悲しみに泣いてしまうような夜には互いが互いに互いを慰めて
涙を笑顔にしよう
悲しくなるそのたびに
君が泣いてたら 僕が
僕が泣いてたら 君が
ふたりで泣いてたならふたりで
ああ そんなふうに君と育ててゆこう
ひとつの愛という花を咲かすために。
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僕らは奏で合うそれぞれの心があみだす音色で
小さな愛のメロディ
三人称単数で
誰かに 今日も届けるよ
さびしく揺れる夜の向こう側へ
舟を出して 天の川を渡る
ほら 歌えば 夢はそのたびに始まる
母さんと父さんと僕で奏で合うよ
小さな小さな愛の歌
決して仲のいい家族じゃないけど
たまには奏で合うよ
小さな小さな愛の歌
三人称単数
三人じゃなきゃ意味ないんだ
今日くらいは付き合ってよ
三人称単数で
三人称単数で
三人称単数で。
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地図上から消えた
君の いる街
君とさよならした
あの夜も
僕の記憶から消したいな
でも 消えないな
君のあの涙も
数え切れない思い出
僕と君のストーリー
段落ごとに分けるなら 光と影の二つかな
よく見れば かわいい君の顔立ちは まるで世界三大美人のようさ
なんてよく言ったジョーダンも
全て さよならの一言が 思い出までも流した
地図からも消えた
君のいる街にはもう僕は立ち入れない
君の涙が落ちた瞬間に世界は凍りついて
その時 僕は 思った
僕は君を傷つけたんだな
君の中でその記憶はずっと消えないんだな
それでも選んだ結末はさよなら
今でもなぜそうしたかわからないんだ
でも、ひとつだけわかるのは君は僕が世界でいちばん愛した最初で最後の人だってことだよ。
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ひとりぼっち 夕暮れ
不意になんとなく
口をとがらせて吹いていた 口笛
曲はでたらめ
切なさの雰囲気が
ほら 揃い踏み
僕は涙を流す
涙を流すのに理由はつきものだけれど
今はただ 切なさに理由も意味もにじんでどうでもよくなってしまう 明日も右に同じ
口笛が 胸に 染み渡り約束の時刻がくれば鳴り響く おきまりのチャイム
胸を焦がしてゆく
ああ、思いが一気にあふれたんだ
涙は止まらない
もろに僕を突き刺す
切なさ
夕闇よ待ってくれ
まだもう少し
この夕暮れを
見ていたいんだよ
聞き入れてくれるわけもないが願ってみた
ああ、僕はひとりぼっちだから気が楽だよ
だけれどいつも思う
ひとりぼっちはひとりぼっちで楽は楽だ
だけれど 切なさは誰にでも変わらず切ないもんだ
だから 傷つきやすい僕の心をむやみやたら傷つけないでね
僕はこぼした
手のひらに そっと浮かべた言の葉
ふーっと息を吹きかけ 飛ばした 空へ
そんな幻 なぜか今日はあざやかにうつる
口笛を吹くたび 思い出す 優しいあの人
ただの愛の歌じゃつまらないから
君は黙ってて
今はひとりぼっちがいい
センチメンタルな気持ちになって どこまでもひとりよがりな世界に沈みたいんだ
それくらい許せ
カラスが二、三度鳴いて僕を小馬鹿にする
口笛が 胸に 染み渡り約束の時刻がくれば鳴り響く おきまりのチャイム
胸を焦がしてゆく
ああ、思いが一気にあふれたんだ
涙は止まらない
もろに僕を突き刺す
切なさ
ありふれたことだ
だけれどそれだけに悲しいのさ
わかるかな?わかるかな?
口笛センチメンタル
男のロマンっていえば言い過ぎだけれど
そんな感じだ
少しはわかってほしいのさ 君には
たまらず アドレス帳から君の番号を選び通話ボタンを押す
僕の気持ちとは裏腹に綺麗な夜だな。
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絵本から飛び出したような世界
僕はそんな未来を夢見ていた
だけどそれも遠い遠い 昔話だよ
たとえば夜空を流れる星みたいに
ずっと前の光景を
たった今 見ている光景のように見えてしまうように
僕の情熱はもはや風前の灯火で 消えているのさ
昔はそれはそれはバカみたいに夢ばかり見ていたけれど
僕は大人になるにつれ 変わっていった
今も時々 思うのさ
眠れない夜にとか
飛び出す絵本は期待を裏切り飛び出さなかったよ
思い出の中で跡形もなく 燃えて 灰になったのかな
あんなに夢見ていた未来は死んだ
切なさの雨は降る
見えない 触れられないけど 僕にはわかるのさなんとなく
不釣り合いな現実と夢の狭間で抱える痛みと迷いが僕の目を曇らした
飛び出す絵本は飛び出さず ずっと胸の奥底にしまわれたまま
今もずっと ホコリにまみれて
時間だけが 風のように流れてゆくだけで
日に日に切なさが膨らむだけで 僕は何でもないように悲しくないふりをして 笑っている
飛び出さなかったら意味はない 夢を見た分 損をしたも同じ
飛び出す絵本は飛び出さない絵本だから
ただのつまらない絵本だ どこにでも現実に負けた 夢の食べ残し
残飯のように 味気ない未来が手渡されただけ
悲しいよなそうでもないよなこの微妙な感じが若い僕の胸にドストライク
地味に 後から
襲う もどかしさ
それに苛まれているのが今なんだよ
わかるかい?
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大切なものはありふれた生活の中にあるもの
だから 生きている中で 探していくのさ
花が咲いて 散ってゆくように 限りある定められた時間の中で何が僕にはできるかな
いつも考えてはいる
無駄に長い時間に助けられて 平和ボケしてしまいそうになるほどまだ何ひとつ咲かせられてないや
ほら 目をとじて
たまには息をひそめて
見えない闇の向こうに意識を集めて
イメージの旅へ行こう
大切なものはきっとそこに
求めてるものがきっとそこにあるはずだ
育てるのだ
いつか
夢に見たような花を
未来という花壇に
努力や頑張りという水や肥料をあげて
咲かせるのだ
いつか
夢の花を
まだ間に合う筈さ
あきらめるにはまだ若すぎる
そうだろう?僕よ。