詩人:どるとる | [投票][編集] |
昨日までの僕はだめなやつだった
どうだめなのかはわからないけれど
とにかくだめなやつだった
でも今日からの僕は
昨日までの僕とは違うのさ
何がだめかもいまいちわからないけれどきっと何かが違うのさ
日々、人は成長する
からだも心も全て
だけれど僕はまるで時が止まったように見た目とも心とも変わらないままだよ
今日も幼いあのころの感性そのままに僕はたかが夕暮れに涙を流している
『さよなら』というように響く五時のチャイムが町中を優しいその音色で包んで
その少しのあいだだけ僕は昨日までの僕にもどったように思い出せるんだよ
忘れたわけじゃないさ
ほら 胸の中にあふれる思い出がさざ波のようにゆっくりと押し寄せて 僕の心をふるわせてさ 涙腺をこれでもかってくらいゆるませるのです
たしかに昨日までの僕はすごくだめなやつだった
だけれどそのおかげでほら 花も咲いた
昨日までの僕のことはそれなりに愛していた
腐っても枯れても僕は僕だから
夕暮れみたいに優しくなれたら
そんな思いが僕を変えたのかもしれない
何が悪かったのか
今でもわからないけど何かがきっと変わったのだろう
何が悪いのかもわからないのに変わったのかなんてわからないはずなのに なんでかそんな気がするのは夕暮れに涙を流せるようになったから
ありふれた毎日の中でたった一回の今日との『さよなら』がとても切なくて名残惜しくて
あふれる涙が胸の中を 熱くさせる
昨日の僕よ少し 生まれ変わった僕を明日で待て
すぐ行くよ
『さよなら』というように響く五時のチャイムが町中を優しいその音色で包んで
その少しのあいだだけ僕は昨日までの僕にもどったように思い出せるんだよ
忘れたわけじゃないさ
ほら 胸の中にあふれる思い出がさざ波のようにゆっくりと押し寄せて 僕の心をふるわせてさ 涙腺をこれでもかってくらいゆるませるのです。
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スカートが風に舞い上がって 花びらのように揺れる季節に僕らは今から行くよ
傍から見ればスカートめくりしているようで 風はエッチだね
なんて 君と話した
スカートを着るにはまだ肌寒い季節だけど君は言った
僕のためにと言った
春を呼ぶように君がスカートをなびかせる季節はそれから僕には印象的な季節になったのさ
ほらまたエッチな風が君のスカートをめくるようにゆらゆらと波立たせ揺らす
もう 目と鼻の先さ
スカートめくりの季節
君の名前を呼んで
僕は今から行くよ
桜咲く 並木道駆けて
スカートを見に行くよ
君の胸に飛びついて
僕は風になって…
なんて なんて
言ってみたりして
春の鼻先をくすぐる
やがて くしゃみするようにあたたかな風が吐き出されて
はじまるよ 春はそこから
たんぽぽを揺らすよ
綿毛を 空に飛ばすよ
スカートめくりの季節
もう 曲がり角曲がれば
君を待っているよ
さあ 恐れないで
春に 君に 会いに行こう
誰も止めやしないさ
ほら 運命に逆らうように時計は止まって
君のまなざしをひとり占めにする
なんて 心地いいのだろう
もう 目と鼻の先さ
スカートめくりの季節
君の名前を呼んで
僕は今から行くよ
桜咲く 並木道駆けて
スカートを見に行くよ
君の胸に飛びついて
僕は風になって…
なんて なんて
言ってみたりして
春の鼻先をくすぐる
やがて くしゃみするようにあたたかな風が吐き出されて
はじまるよ 春はそこから
たんぽぽを揺らすよ
綿毛を 空に飛ばすよ
きれいな夕暮れも少しだけ 日がのびて寒い冬より 一緒にいてくれる時間が長くなる
スカートをめくるように日にちは過ぎてたちまち僕を大人にする
その前に君のスカートを着た姿を目に焼き付けておきたい
もう二度と会えない
そんな悲しみを抱いた春ははじまる
だけど恋は終わる。
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雨上がりの晴天に
ふと気づく
雨は上がったはずなのに心の雨はやんでないと
心の雨がやまないかぎり僕はどんなに頑張っても本気では笑えないな
いくつもの季節を
カレンダーの数字の波を押しのけるようにして今まで走ってきた
今はまだ若い僕だが
もうすでに息切れしている それほど世の中は生きづらい場所
雨が上がったその景色は素晴らしいものだが心に降り続く雨がやんだときはじめて 雨はやんだといえるからね
まだ僕には雨は上がったとはいえないんだ
降り続く 悲しみが消えないかぎり
雨は降り続いているから 心に
ほら バルブしめるように簡単に悲しみ忘れられたら
そんな無理なことを思いながらひとりあまりの悲しさに笑っている
雨上がりの午後
まぶしい陽射しが
よけい 悲しくさせるな
そんな気持ち
捨てきれず 棒立ちしていたいつかの土曜日
また いつ来るともわからないから油断するな。
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休日だというのに昼間っから畳の上でごろ寝の野良猫ライフ
何もやることがないからゴロゴロしていると言われたらそれまでだろう
友達もいないし金もないのは今にはじまったことじゃないだろう
だから 気にするな
今さら
そのうち夕暮れになって切なくなった
そしたら早いもんで早送りされたみたいに夜が来て僕は窓の外浮かぶ月を眺めてる
そこらへんの野良猫のように自由に生きていたい
野良猫は今日もそのかわいらしい鳴き声で
涙を流すよ
誰もそれを知らないのだから誰も何も言えないだろう
人の気持ちなんて
他人には別次元の出来事さ
どんなに体制繕ったって
どんなに慰めてもらったって癒えない傷は癒えない傷のまま
そのままさ
野良猫は今日も明日もゴロゴロ寝てばかり
それでも忘れてしまわないで
野良猫はいつも生きている
それだけでほめられたもんだ
こんな世界では生きることさえ難解だ
そうは思わないかい?
君も今を生きる野良猫の一匹ならば
今日明日 今日明日
今日明日の予定をただ宛てもなく決めて決めて決めて
泣くでも 笑うでもない
さもなくば ただ生きるだけが僕の仕事
こんな気持ち 誰も笑えない ばかにできない
伝わらずとも 僕が認めよう ああ 僕はここにいて確かにほら生きている
存在しているよ
野良猫のように時間のスピードに合わせ 今をかけるのさ。
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固く閉じたつぼみのような思いはやがて花開くかな
いつになるともわからない 開花の瞬間をじっと待っている
夜が来て
朝になって
また夜になって
また朝になって
繰り返しても
つぼみはつぼみのまま
うんともすんともいわない
君が好きだというその事実はけっして神に誓って嘘じゃない
それでも言いたくても言えないもどかしさに心がフリーズする
まるでつぼみだ
つぼみは花を咲かすためにあるのに
僕のつぼみは万年つぼみのまま
いつか咲いたら
君は 僕に笑いかけてくれるのかな
今はただじっと
様子をうかがってる
今夜もひとり
物憂げにしっとり濡れる
見つめる景色がなぜだか ぼやけてゆく
好きだよ…
それさえ 言えたならはじまろう恋なのに 恋なのに。
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あたりかまわず真っ逆さまに落下傘みたいに悲しみの底へ落ちてゆく人の影を今日も見かけたが僕も例にもれず予備軍だな
常識の逆
常識と非常識の間
現実と理想のギャップの中で生きる毎日
似合いもしない笑顔をむりやり 顔にはりつけてうまく笑える自信などあるわけないじゃないか?
そうじゃないかい?
まだ青春の残り香がにわかに香る 見た目だけ二十歳の自分
忘れたくないことは
いつも 若かれし僕の中にあるようでどうしてもふっきれない幼さとあの頃への強い憧れといささか折れ曲がったプライド
今、またひとつ セイネン老いやすく学成り難しじゃないけど可能性を途中で見失った
夢を見ていた
あまりにも現実離れした夢を見ていた
だからかな
大人になってもまだ叶う気すらして
前に足が向かないんだ
何度でも 日々は押し寄せ
何度でも 引いてゆくけど
何度でも 僕は諦めるし
何度でも 僕は死にたいと本気で思うだろう
だけれど昨日の本当は今日には嘘になっていて昨日死にたいとさんざんほざいていたくせに今日にはそんなこと言ったことすらきれいさっぱり忘れてて
笑ってる自分がいる
もう 笑うしかなかった
夢見人たちよ
だから僕は信号待ちなんかせずとも渡らずずっと子供のままでいいと本気で思うのだ
まだ青春の残り香がにわかに香る 見た目だけ二十歳の自分
忘れたくないことは
いつも 若かれし僕の中にあるようでどうしてもふっきれない幼さとあの頃への強い憧れといささか折れ曲がったプライド
大人と子供のギリギリのライン 越えた今でも天秤にかければどちらにも傾かない中途半端な位置にいる
消えずそして終わらない闘い それと何かへの拒絶と憤り
毎日 それとの戦争だよ
狂いそうだ
本当、ジョーダンじゃなくてさ
青春と書かれた白線からつま先すら出せず大人になることに漠然とした恐怖心を抱く。
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僕のため息の音以外何も音がないから
それじゃさびしいってことでさ僕はCDをかけた あまり意味はなかった
関心のない言葉がただ耳の奧でただの音符に変わり 跳ねたり沈んだりするだけ
つまらなさすぎて死にたくなった 昼下がり
昼間なのに暗い 雨降る町並み
雨上がりに渋い紅茶でロマンあふれる雰囲気を演出する準備は整ってるのに一向に雨は弱まりもせず芸もなくはげしくはげしく降り続く
雨上がりをイメージしていた昼下がりの僕も夜になればただ眠いだけでロマンスも何もないやと諦めたように紅茶を飲み干し 乱暴に 安いプラスチックのカップを 戸棚にしまう
そして真夜中
今更 雨は止む
残酷なほど
自分のしていたことが無意味になって
はじめて気づく
ロマンなんて
抱くんじゃなかった
思わず否定派に回ろうとする自分さえ
立ち止まり 思い直し また 賛成派に戻る
ああ 今日もまたノーロマンのまま 夢の中へ落ちてゆく
お得意の妄想のピストルさえ
今夜はさすがに空砲さ
それでも待っている
いつか映画がドラマみたいに現実でだって 雨上がりに優雅な紅茶を飲める時を
首をキリンさんにして待っているんだ
今日も 止みそうで止まない雨をガラス越し見つめて
待つ 雨上がりのロマンス。
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右中間を飛び出して
弧を描き 遥か彼方へ
球の行方は知らない
未だ どこぞ知らぬ
偏屈な奴らに四方を囲まれて困り果てた平日は悠々と過ぎて
今は素晴らしい連休を前にして思わず笑みが止まらないんだ
なんとなくなんだ
いつもそうなんだ
大概はね
他人がどうでもいいと思うことがきっかけで幸せになれたりするんだ
たとえばこうして生きているだけで特別な気がするように
僕には今、ここにいることが幸せで同時に感動的なことで
×月×日 僕は
幸せすぎて
死んでしまいそうさ
特には何もあったわけじゃないけれど
ただ、生きている
それだけで立派な死因になってしまいそうなほどだ
そんな Xデーはいかがでしょうか?
生まれ変わろうと今のまま 十分僕は幸せに生きれるだろう
だから 日にちや季節問わず僕は幸せ
こんなときめき
ドキドキ
誰かに伝えたいけど
やっぱ内緒さ
僕だけの秘密にしておくんだ
ただ ひとつだけ
教えよう
僕には1日として
幸せじゃない日などない
一瞬として
特別じゃない時などない
それだけは
揺るぎないから
どうか
心の隅にでも
しまっておいて
ああ いつも いつも
ジョーダンじゃなくて
神様に感謝してしまいそうなほど満たされてるよ
ありがとう
ありがとう
何度も口から出る
言葉が胸の中でバウンドする
今日もそんなXデー
幸せのさなかだ
今、僕は生きている
そう実感できることが何より 幸せの極み
ほら 虹のアーチが僕を幸せあふれる明日へと導く
生きている。
その揺るぎない事実があるかぎりこの僕をおびやかそうと謀る悲しみさえへのかっぱだ
ほら 涙は悠に乾いた。
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桜は咲いて
美しく咲いて
そして散りゆく時ですらその美しさを少しも乱さずに
咲いていたときと同じように美しく散ってゆく
そんな人生がおくれたならいいなと思う
春の遠い眺め
今年もまたイメージの向こうに美しい桜が見える
素晴らしい春を
お待ちもうしております
それまで待ちぼうけ
深々とまだ寒い
1月の空の下
強く 凛々しく
立ちつくす
その姿は
まるで桜だ
なんてね
吐き出す吐息が
白く浮き上がり
コートの襟を立て
ポケットに手を入れ
雪解けの街を行く
春を待つ人 ここにあり。
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涙は流すものじゃない
涙は流れるものだ
流す涙は嘘泣きだ
自然に流れる涙こそ本当の涙だ
他人には伝わらない
胸の熱さを伝えるすべはとめどなく溢れるこの涙の量にある?
違うね、涙は見るものじゃない。感じるものだ
だから、見るな
感じろ
本物を 見極めて
触れて 触れて
掬って 掬って
溢れ出る涙の
小さな雫を
心で飲み干して
君の中で
優しさに
変わればいい
そして
自分の中で
愛に
変わればいいな。