詩人:どるとる | [投票][編集] |
孤独なぼくを照らす月の明かりが揺れている
なんてことはないいつもの景色
それなのに見るたび見るたびこぼれる涙とこみ上げる切なさ
どうしてもぬぐえない
夜の光の中にかいま見るよ
綺麗なのに
その綺麗さが行き過ぎていて
もう死ぬことばかり考えてるからあと何回見るのかなとか考えてしまってさ
普通の人とは見え方が少し違うのさ
そんな光がただ今日も揺れているよ
ぼくにはとんでもなくとんでもなく切ない景色さ
ただそれだけで
目にうつる世界が黄昏に染まってゆく。
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人を愛すってことは
人に愛されるよりも時間と苦労を要するものだ
なぜなら人に愛されるということならこちらで勝手に愛されていると思いこむことができる
だけれど自分がいざ愛すとなったときには自分だけの気持ちだから愛すことへの疑いや必要性を感じてしまって簡単には愛しきれない
だからなんだ。
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魚だって尾ひれをばたつかせながら毎日海を泳ぐ
僕は人間だから尾ひれのかわりに休みなく足を動かして地面を歩く
似たようなものだけどそれぞれにあってそれぞれにない苦労がきっとあるんだぜ。
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無の境地にたどり着きたいよ
何もない全く何もない空っぽの大地にひっそり咲いたたった一輪の白百合のような
さびしくも微塵の汚れもないそんな花になりたい
若しくは山の中でなんのためなのか厳しい修行を積む僧侶のような煩悩のない人になりたい
世の中を前を向いて
曇りのない笑顔で歩いてゆく自信がゼロになったとき
僕らはどうなるのかな
神が創りし絶対的な法則の中では窮屈すぎて手足を伸ばすので精一杯なんだ
とても逆らえたものじゃない
だから
後ろ向きで歩こう
たまには
世の中に 目上に
逆らって
後ろ向きで歩こう
いつかは
向かい風も悠々
振りきって
今 僕をとりまく全て
今 僕を囲い込む闇
一層 孤独になってゆく
僕は煩悩の塊だ
欲望は底尽きない
我が儘は際限を知らない
僕は綺麗な花や健全な僧侶どころか汚い人間だ
でも、僕は汚い自分を抱きながらも綺麗であろうとする
そんな不思議な人間でもある
いつか前を向いて歩ける日を楽しみに今は小さな希望ひとつを胸に咲き続ける
灰色の花は僕だ。
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この世界に未練があるとすれば
まだ僕が生きていたという証を残していないことだ
人はいつ死んだっていいように存在の足跡を残さなきゃだめだ
獣の爪跡のように簡単には消えないような証を
どうせ 死ぬなら残せるものは残したい
たとえば僕のようなクズでも爪跡くらいはと思うから。
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大きな大きなため息をついてしまうくらい切ない気持ちなのさ
季節は僕があくびしてようが寝てようがおかまいなしとばかりに春から冬へと一周しまたもとの春にもどる
これといった理由は何も見当たらないけれどなぜだかこの頃みょうに眠れない夜が続く
1日何度も吐(つ)いてるため息が煙って
なぜかそこになんとなくロマンスを感じてしまうのは僕だけかなぁ?
甘ったるいカフェオレみたいな1日なら笑うだけでなんの気遣いもなく楽チンに過ごせるものを
なぜ悲しみという障害物が僕の行く手をいつも遮るのかな
いつもなら一時間もすれば何事もなかったように止まる涙もその時ばかりはずっとずっと流れていたんだ
気づいた瞬間が悪夢のはじまりさ
僕はきっと悲しみ避けてはこの先も生きて行けない
頭の中に広がる黒々とした不安の絵の具
だけれどそれをすんでのところで助けるように存在する喜び
つまりは雨のち晴れ
お天気とおなじさ
その流れが狂わないかぎりきっと僕はそんなに深手は負わない
ため息はゆらゆらとただ揺れている
よくわからないロマンスを含みながら
今、僕 悲しみの中にいてもなんだかどこか強くいれる自分がとんでもなくかっこいい
そんなことを考えてしまう
ある夜の裏側なのさ
今 夜と朝のひとつの珈琲カップの中
くるくる 混ざり合ってまた新しい側面を僕らに見せる
心を 魅せるように
ほら そら 飛び込んでみよう
そしたら 悲しみの雨も少しは弱まるだろう
雨雲が離れたら
またでっかいあくびでそのうち来る喜びの太陽を待とう
誰かと一緒に
ありふれたベンチを選んで
そこに座って気長に待とうぜ
ふいのため息くらいならおなじ瞬間に飛び出るロマンスがそのため息のだるさを緩和してくれるさ
今に見ててごらん
あの空の切れ間から光が差すのを
その時全てが救われたような気持ちになる
後先の悲しみなど無視だ。
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頭がかち割れるほどの人々のくだらない声や街の雑音の中に
君の声だけを探してる
耳を澄ませて
神経 研ぎ澄ませて
君だけの声を聞いていたいんだ
そのほかはみんな雑音だ
うるさい
うるさい
うるさいんだ
今は五月じゃねえ
1月だ。
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僕は何を求めて
日々生きてるのかな
時々意味もなく
思えてしまうこの時間が無意味に消えていくその様をただじっと見つめているだけで今日も過ぎたのさ
安らぎを求めても
深い眠りから覚めれば
またはじまりははじまる
望んでるわけじゃないのに外界へ続くドアは今日も明日も開かれる
あるひとつの場所にきまって向かうため
ハッピーですか?
流れるようにきこえた空耳が宙をただよい
突如 涙になって
マジックみたいに僕
の頬を伝った
ねえ 誰にも言いたくても言えないことが今 僕を苦しめているのさ
みんな一緒だとかいうつまらない言葉で束ねないで
ねえ 僕を見つめて
この涙はいつでも真実を見たり感じたままに流れるから
ハッピーですか?
もしそう聞かれたら
ハッピーですとこたえる自信はない
だから
せめて
ちょっとでも
ただ過ぎてゆく1日の中にささやかな喜びの光を見つけられるように目を凝らす
ハッピーであるはずのない日常の中
ハッピーだと嘘で塗り固められた笑顔で乗り切るかい?
僕は遠慮するさ
嫌われても
煙たがられても
ありのままの気持ちを偽らず歩くよ
ハッピーになるために
嘘 蹴飛ばして
僕は亀の速度で大地を進む
置いてゆくがいいさ
マイペースで生きるから。