詩人:どるとる | [投票][編集] |
少しだけ生ぬるい風が 目の前を通る
諦めた人が乗る 無難な電車には用はないよ
優しさの意味を 教えてくれたのは君だ
でも僕はいつの間にか
生まれたときから 人を愛することを
教わった訳でもなく知っていたんだ
ただ好きだよって抱きしめるだけで
ぬくもりは確かに伝わってゆくのに
一番伝えたい気持ちが言葉にならない
だから 肝心なとこで黙ってしまう恋だ
4月もとうに過ぎ 5月を迎えた街に
懐かしい暑さが 手紙のように届いた
計算できることだけで出した答えは
きっと イコールより先には 行けないから
はみ出したくらいが実はちょうど良くて
だから、たまのすれ違いもまた美味だ
愛の意味さえもまともにわからないまま
一緒にいるだけでいいという君の思いに
ますます僕は愛がわからなくなった
でもつないだ手のぬくもりはここにある
あやふやで曖昧な正体もわからない
化け物みたいな そいつの懐に
飛び込んでゆく 覚悟をそろそろつけなきゃなあ
だから、君の分まで痛みも背負うんだ
ただ好きだよって抱きしめるだけで
ぬくもりは確かに伝わってゆくのに
一番伝えたい気持ちが言葉にならない
だから 肝心なとこで黙ってしまう恋だ。
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ささやかな喜びを 分かち合いたいだけ
自分一人では もて余してしまう喜びを
誰かと 分かち合いたいだけなんです
音もない静かな夜もいいけれど
少しのミュージックが 欲しいのなら
ディスクジョッキー いつものアレ頼むよ
最高のナンバー 聴かせてよ
踊り明かすのさ 今夜は眠れそうにない
油断するとダンスしてしまいそうになる
体も心も踊り出すリズムで今夜は夜更かし
ダンスナイトカーニバル!
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温度計を 持った手が 汗ばんでいる
今日も30度を軽く平気で越えている
坂道は 冬ならまだ楽に上れたはずなのに
最初の一歩目でもう息を上げそうになる
目眩を起こしてしまいそうになる
気のせいか家路が遠くなる
日除けの 屋根に落ちる陽射しも 冷めて
赤い太陽も 雲に隠れて近づく夕暮れに
街もどこか 人を遠ざけて静まる駅前
誰を待っているの?
時計ばかりさっきから気にしてる君
買ったばかりの お茶もすぐに温くなる
洗濯物を干せば数分でカラカラに乾く
噴水広場 空を突き上げるようなシャワー
営業外回りのサラリーマン 汗をぬぐう
目的意識を曖昧にする 暑さに苛立つ 何か当てつけにできないかなあ
日除けの 屋根に落ちる陽射しも 冷めて
赤い太陽も 雲に隠れて近づく夕暮れに
街もどこか 人を遠ざけて静まる駅前
誰を待っているの?
時計ばかりさっきから気にしてる君
待ち合わせまであと何分?
どうして僕は 君から目を離せないんだろう
昼休みをとうに過ぎても 君と彼とのその先が気になるよ。
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ふれたそばからすぐに消えてしまう
ぼんやりとしたぬくもりを忘れない
手のひらに走る いくつもの道を
辿っていって 出会う線と線の交わり
定められたように出会う二人
それを運命と呼ぶなら偶然なんて
ひとつもないよって言ったそばから
不安になるその心のせいで眠れない
物語を少し 脱線してたどる獣道
レールの上を歩く退屈を捨てたのに
ぬかるんだ道に うまく先に進めず
何かにつけて 互いを責めるようになった
たちきるように 離れた二つの線
途切れた僕らは 行く宛をなくした
運命なんて 言葉に頼るのは大概にして
なんとなくでも 決めた道を行くよ
いつまで まともに生きて行けるだろう
明日は笑えるかな
あらゆる不安の中で 生まれる 小さな迷いは
あなたと僕の世界を確かに つなげてる
定められたように出会う二人
それを運命と呼ぶなら偶然なんて
ひとつもないよって言ったそばから
不安になるその心のせいで眠れない。
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蛇腹にうねる オーロラのカーテン
ピアノの旋律のように 落ちるように
高い音から 低い音へと移ろうように
流れていく 色彩が束ねる指揮
ラララとルルルで 重ねた メロディ
やがて押し寄せる 感情の波
色とりどりの 感情を一人では コントロールできない
押さえつけたそばから解き放たれてゆく
オーロラの夜 少しだけ もて余してる
この喜びを誰かと分けあえたなら。
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見上げる空 譜面のように見えたから
ト音記号を ひとつ乗せて 音遊び
銀河星団 空を渡る渡り鳥たちが
今夜、君の窓辺に星を降らすから
約束はしないけれど いつでも
幸せになる 準備をしておいて
その瞬間を いつでも逃さないで
落ちてきた 星のひとつを 確かに つかまえて
明日の世界が 今日とは比べ物にもならないほどに
楽しくなるように 奇跡さえも 味方にしてしまおう
生まれ変わるなら 今しかないと決めたよ
少しだけ違う僕になるための背伸びだ
遠い昔に描かれた 読み尽くされたストーリー
大好きだった宇宙を旅する ロマン
掛け値なしに 今すぐ幸せになれるなら
夜明けさえ 軽々飛び越えて
綿毛のように 明日を探す旅に出る
手のひらに刻まれた 僕だけのしるしを辿っていって
奇跡だと 笑ったら世界から すべての嘘が消えたよ
尾を引いて落ちた 流れ星よ ささやかな願いに変われ
アストロボーイが探した 夢のひとかけら
名前はなくても 探すことに意味があるなら
落ちてきた 星のひとつを 確かに つかまえて
明日の世界が 今日とは比べ物にもならないほどに
楽しくなるように 奇跡さえも 味方にしてしまおう。
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波紋を広げるように 水溜まりが
行く手を邪魔する 雨上がりの街
バイクで 飛ばす景色はゆったりと
ページをめくるように 流れる
眼前に広がるのは目も覚めるような 青だ
どこまで行けるかなあ この溢れるような好奇心と夢見がちな気持ちのまま
宛もなく 旅は続く 風の先を 追いかける眼差しが果てしない未来を 見つめてる
煉瓦を積み重ねたように 単純な
悲しみが 複雑に絡み合って カタムスビ
ひとつひとつ解きほぐしてゆく糸
世界から悲しみは消える日は来るかな
答え合わせをすればするほど迷子になる
この間違い探しには ヒントもない 規則性なんて概念もどうやら存在しない
青い空に広げた真っ白なノートに 描く下書きの未来を この世界に清書できるかな
遠い昔に交わした約束も 赤い糸なんて
あやふやな言葉でごまかして
愛を笑った 僕を今は愛が笑う
どこまで行けるかなあ この溢れるような好奇心と夢見がちな気持ちのまま
宛もなく 旅は続く 風の先を 追いかける眼差しが果てしない未来を 見つめてる。
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夜を待つように 静かにたたずむ街は
炒めた玉ねぎのようなきつね色の空
誰かのために伸びてく道と遠くの明かり
なくさないようにつないだ手を離してく
消えてく温もりを確かめる
すぐに消えてしまいそうな頼りない小さな光
缶のコーンポタージュ 二人ぶん買って
少し冷えた体を あたためる
夜は案外 寒いから上着を一枚羽織る
夕暮れの街に灯るささやかな明かりのような
優しさに 寄りかかる それを見届けたように 沈む夕日
さよならと小さく振った利き手の右手
円を描くように 氷の上を滑る スケート
華麗に回る スピンの数を競う
僕にも描けるかな たとえば誰かの心に
ぼんやりとした 輪郭を指でなぞりながら
かすかな息づかいを確かめる
もしもそこにいるのならば 夜は暗いから合図をくれよ
今日の出来事をお互いに言い合って
笑ったり 泣いたりする今が 続けばいいな
映画のように 黒いわく線の上に立つ二人
光と影が僕らの足元に作り出すアート
「あなたはここに間違いなくいるよ」って 教えてるように
あなたが 笑えば影も笑うよ
今ふたつの影がひとつに重なる
寂しさが 数センチはみ出して
ベロンと 舌を出すようにだらしないね
でもたまには 弱音を見せて
僕が必要だってことわからせて
そうそう強がられちゃ 困るんだよ
弱くて 素直な君に会いたい気分さ
缶のコーンポタージュ 二人ぶん買って
少し冷えた体を あたためる
夜は案外 寒いから上着を一枚羽織る
夕暮れの街に灯るささやかな明かりのような
優しさに 寄りかかる それを見届けたように 沈む夕日
さよならと小さく振った利き手の右手。
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夕暮れの道に 置き去りにされたように
たたずむ影が 悲しそうに見えた日は
思わずこつまらないことを考えてしまう
「悲しみのない国に生まれたかったと思ったことがあったんだ」
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遠ざかる 車窓の風景に向かって
シャッターを切る ストロボを焚く
切り取られた風景が一枚の写真になる
でも 形には残さない
それはふれられない思い出だ
流れる雲と 青い絵の具を溢した空
どこまでも どこまでも 行けそうな気がしたよ
翼はないけれど僕には 翼にかわるものがある
さあ旅立ちは 迷わないで 飛び立っていくように
踏み出す一歩で世界は広がってゆくよ。