詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕がこの世界に生まれて命を授かった
その時からかな
なんだか光あふれる気持ち
全ての成り立ちを成立させるような気持ち
なんとなく生きてみた
そしたらここまで来た
カレンダーはまためくられる
次の季節に
新しい歳のはじめにも誓えるような抱負は何も見当たらないけれど
性格、性別、見た目場所、親は違えど四方八方にはじけるように それぞれ産声あげ生まれし光
いつしか その光たちは自分の足と自分の思いでパッと立って歩き出した それが僕であり君なのさ
生まれたことを後悔するよりもずっと
生まれた今を体中で感じてみることができることを幸せに思うし生まれられたことの奇跡的な確立を見定めてみれば驚き隠せないはず
あれも幸せ これも幸せ
考えてみれば 全て幸せ
悲しいこともまだ知らない未来も
全てはこんな風に笑うためにあった
そう思えたら
何度でも何度でも
朝をむかえられるね
そして暗い夜を抜け
夢から覚められるね
生まれたときとおなじようにはじめての気持ちで新しい自分をはじめられるね
ほら 今 ゆっくりと昇る太陽が二度寝しないようになのか 夜明けの合図なのか
にわとりがどこかでけたたましく鳴く
ああ、 さあ はじめようか 新しい僕
そして 新しい物語
ペンを走らせるように ほら 突然の報せのように 吹き始める風
旅立つならば 今さ
さあ 描いて行こう
さあ 導かれて行こう
さあ 粋がって行こう
君が今日も生まれし光としてまたたく気があるならば 行け
目的地はいつも
青い空の下
輝く太陽の下
わかってる筈さ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
なんとなくなんとなくでたどり着いた世界はとても僕には似合わない世界だった
僕は今 あの日を悔やんでいる
勢いだけで飛び出した未来は喩えればいつも夜
踏み外した着地点
予想外の事ばかり
うらみの矛先は
いつも世の中か他人
悪循環に回る僕の日常
頼りの時計も狂ったまま
間違った時を刻んで
掃除もされずに回っている
苦汁を舐めて
苦虫を噛んで
自分の努力の無さを
全てほかの対象に
差し替えて当の僕は
それを他人のことのように笑って話す始末
どうして こんなんになっちゃったんだろう
着地点に座り込んで
原因究明に忙しいのさ
今日も言葉の宇宙をさまよってる。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
悲しいことがあったって平気なのさ
どんなに雨が僕を濡らしにかかってこようと僕は泣かないよ
笑い飛ばすぜ 何があっても
お得意の優柔不断さで全てをうやむやにするさ
何があっても
何が起きても
僕は荒れ狂う
未来にも
笑ってやるさ
僕は男だ、弱くない
月のない夜だって
星のない夜だって
出口のない夜だって
そう 放つ言葉は矢のごとく悲しみを射抜くだろう
僕は男だ、恐くない
何も 何も、だ
涙が出そうでも
夕暮れになっても
友が去っていっても
僕が僕にはいる
ひとりきりになっても生きていこう
どこからかわき上がる気持ちに素直になって正直に言うのさ
僕は明日もひきつづき生きていたい
男は勇気だ、逃げないぜ
笑い飛ばすぜ 何があっても
お得意の優柔不断さで全てをうやむやにするさ
何があっても
何が起きても
僕は荒れ狂う
未来にも
笑ってやるさ
僕は男だ、弱くない
僕は男だ、恐くない
男は勇気だ、逃げないぜ
止められなかったこの涙を笑う者は弱い人間だ
さあ 涙でかすむ景色の中に浮かぶ扉を開けよう
開けばそこは楽園ぞ
臨めばそこは楽園ぞ
月のない夜だって
星のない夜だって
出口のない夜だって
そう 放つ言葉は矢のごとく悲しみを射抜くだろう
そして弱い自分自身を砕くだろう
ああ そこに残るのは悲しみに涙できる強い自分だろう
僕は男だ、だけど
悲しいときは泣くのさ
強いからこそ
気持ちを偽らず泣くのさ
変わってゆく気持ちは今あざやかに見違えて 僕を感動で包む
そして言うのさ
僕は弱くない
強く、強く泣けるから
男は素直に泣けて
はじめて男になれるのさ
はじめて知ったんだ
その日から僕はりっぱに男だ
名乗っても恥ずかしくなくなった。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
また明日 会いましょうって狭い路地裏に消えた 誰かの影
今日も約束もないのに 口先だけの口約束
友達なんていないんだって笑ってるうちが花なんだって
そんなの知ってるって走り去った 昨日とおなじ路地裏に消えた僕の影
数え切れない言い訳や屁理屈に悪戦苦闘している僕の弱点は芯が弱いこと
あっという間に日は落ちて
逃げ帰るように少しでも人のいない場所へ人のいない場所へ走る今にも飛び出しそうな心まる見えの僕の影
さよならはまるで夢のように僕の全てを射抜いて 僕は穴ぼこだらけ レンコンみたい
また明日って言って
手を振っただけで
しばらくは会えない
はじまりはまるで楽しい夢のようなのにさよならは悪夢みたいにほら 僕を悲しみに突き落とす
見上げた空にはいつも謀ったように月が輝いて 涙する僕を申し訳程度に慰める
ああ 夢なら覚めて
夢じゃないなら殺して
全て 終わりにさせて
さもないとまたあの暗い路地裏に消えてしまうから 僕の影は弱虫だから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
喜びと悲しみの日々はまだ夜明けには近く夜更けには遠い
月は沈まないでずっと僕を照らしている 日々はなんのために続くのだろう
嫌な記憶は余計なものだからと昨日に置き去りにしたつもりでもちゃんと心のどこかには置き去りにしきれなかったものが燃えカスのようにほらくすぶっている
今日は明日の自分を
明日はそのまた明日の自分を確かにするためにあると昔の僕なら言うだろう
明日は今日を生ききらないと行けない場所なわけで明日の自分には明日にたどり着かなければ出会えないわけだから
日々、生き続ける理由があり意義がそこにはあるんだ
時は何もしなくても流れるけれど生き続ける者だけがその先を見届けられる
つむじ風のその中を歩く宿命を背負っても歩き続ける覚悟がある者だけに見える光も確かにあるよ
ほら…目の前に
今、僕は生まれ変わる
蛹が蝶になるように
長い眠りから覚めて
夜明けへと向かってゆく 助走なんかいらないさ
昨日の僕が今日の僕の傷だらけの背中を押してくれるから
さあ、今ならば迷わないで明日の扉を目もつぶらずに開けられる
扉からもれる光の中
包まれて僕は今思う
今日の僕がいるからこそ明日の僕に出会うことができる
あたりまえな事じゃないさ
今日の僕がいなければ明日の僕には絶対に出会えないから
今を生きてるっていう事実はとても特別な事だと思うんだ
今日の日の今日だけの笑顔
今日の日の今日だけの涙
最後はもう地味なくらいあくびをして眠るだけ
それでも安らかな寝顔で布団の中で丸くなる
そんな毎日を繰り返すだけで終わるたった数十年のストーリー
まぶたを永久に閉じるまで僕は何度でも扉を開けるんだ
どんな事があったとしても今日の自分でしか明日の自分を生み出せないということだけは明日に嫌われるまで忘れないよ
ぼやぼやなんかしてられない
明日の自分に駆け足で会いに行こうよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
どこからか山びこのように呼んでいる
春を待ちわびる声が聞こえる
桜舞う並木道 つぼみのひとつひとつが花を咲かせている
そのひとつひとつがどれも輝いているからねどれがいちばんなんてないんだよ
みんな素敵さ
油断しているとすぐに夢の中さ
春のぽかぽか陽気に眠くなる
なんてことはない春だ
今年は違うってものもない春だ
それなのにそれなのに
なぜか胸がはずむ春
春に宛てて今 手紙を書いているんだ
まだ寒い日がしつこく続きますがもうすぐでそちらに行きます
心のポストに出すのさ
思いのハガキを
桜舞う季節 そんな景色をイメージしながら今 かじかむ手に息を吹きかけ
走り出す僕は風の子さ
今はただまだ来ない
春を待ちわびて
風の中 ひとしきり
立ちつくす 日々。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
春の扉を開けてみれば悲しい切ないことだってあたたかい風に飛ばされて すぐに笑い飛ばせるさ
たんぽぽ揺れる
春の午後
土手沿い
緑の中
風の中
僕はそっと見開いた
瞳に映った春の午後
あたたかな日差しが全てを照らす
悲しみも切なさも
春は扉を開けて
僕を何ヶ月も前から待っていた
待っていたんだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
まだ今年は姿をあらわしてない雪が降る去年の今ごろ
僕らは別れた
時が二人を分かつまでもなく僕らは終わった
つないでた手を離した
君にもらったいくつもの言葉
クリスマスプレゼントにって編んでもらった白い雪みたいなマフラー
そのひとつひとつがまるでほつれていくように僕の記憶からも消えてゆく
そう思うと悲しかった
あの日は今よりもっと
今とあの日が重なって 雪が降るあの景色がまるでよみがえったように心に写った君との最後の夜
最後くらいは一緒にいようと優しい君は言ったんだ
それでも君との時間は手のひらに舞い落ちる雪のようにはかない手触りを残しながら溶けてすぐ消える
君とのさよならの時間が近づくほど切なさはつのる
どうしてさよならしなきゃいけないのかも忘れてしまう
そして雪に埋もれた白い記憶は今まさによみがえってくる
でもまたすぐに忘れてしまう
本当に悲しい記憶は雪とおなじだから
そうさ、さよならは雪のように僕の中で溶けてはまた冬になれば不思議によみがえる
はじめての恋で
はじめての失恋をした
一度で二度マズい記憶
今年もはかない雪が降りそうだ
そしたらまた悲しくなって忘れていた記憶に涙が止まらなくなる
ああ、忘れたいんだ
忘れたいんだけれど
君との日々があまりにも幸せすぎてね
忘れたいという気持ちより忘れたくないという気持ちが先に立ってしまうんだ
いつもいつもいつも
冬が来るたびグッと胸がズキリ痛んで君がもう恋しくなって。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつものように
目いっぱい笑えたなら
いつものように
我慢せず泣けたなら…
今日はなんて素敵な1日なんだろう
心が躍ってる
ガタゴトいつもの帰りの電車に揺られ
あらゆる気持ち抱いて
大きな窓の外に描く夢
これからの設計図
幸せの定理などわからないけれどたぶん今日1日幸せだなって曖昧でもなんとなくでも思えたならそれは幸せな1日だったんだろう
終わりよければ全てよし
最良なるハッピーエンドだと思うのさ
窓の外には今まさに沈む夕陽
振り向けば ほら…
明日も頑張ろう…
帰りの道 ひとり思う
そんなぼくを照らす月はいつもながらとてもきれいでなぜかこんな毎日がいつにも増して幸せに思えた
そんな単純な思いひとつでハッピーエンドと相成る
ちょこっとスキップしながら坂を下るのさ 羽織ったコートを揺らしながら
月明かりの下でかますステップ&ステップ
終わりよければ全てよし
グッドエンドオーライト? 異議なし
これにて閉幕と相成る
今日はなんて なんていい1日なんだろう
いいスタート切れなくても終わりよければ全てはいいのさ
それだけありゃ
どんなに悪いスタートでもいい終わりならば最良なるハッピーエンドになるんだぜ
マズい夕飯も笑って食えるってもんさ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
描かれた笑顔だからこそモナリザはあんなに微笑めるのだろう
口が裂けるほどに笑えるのだろう
モナリザは笑わない
そう描かれなければ
モナリザも笑えない
絵の中だけの笑顔だ
モナリザだって
大げさだって
思ってるって
モナリザの仏頂面
隠すように
絵の中のモナリザは
これでもかってくらい笑う ありえない笑顔が不気味に白い歯を剥き出しにして世の中を笑う
そんな夢をいつか見たんだ
素直に笑えない僕の笑顔をモナリザは笑ってたんだろう
全てを笑ってたんだろう。