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優秀すぎる彼の人生はまるで作り物のように確かに精巧な出来ではある だが、あまりに精巧であるために生き生きとしたものが何ひとつないのだ
まるで完璧すぎる歌劇のように台本通りすぎて全くつまらない
アドリブも何もない
引かれた路線の上を走る列車のようになんの面白味もなく平行に流れるだけの
迷いのない人生だ
それはそれで素晴らしい
だが あまりにも彼の人生は劇じみている
すると彼は平然とわたしに言う
天才は真っ直ぐにしか歩けないのだ、と
わたしは言葉を失った
あなたは人間であるいぜんに天才だったんだとその時はじめて思わせられた
現代に生きるシェイクスピアよ
歌え ありのまま
台本通りの現実を
描け ありのまま
あなたは間違えるということはない
あなたには過ちというものがそもそもない
だが、人間ではない
あなたはあくまでも『天才』であなたにとっては『ただの天才』だから
わたしの言葉などはじめからあなたには別次元の定理だったのだろう?
などと言い交わしただけで天才との夜は更けた
昨夜あなたが言った
あの言葉が脳裏を掠める
『天才は真っ直ぐにしか歩けない』
まさにその言葉が本当ならばまさにあなたのことだ 本物の天才とはいかなるものかと疑うのなら
あなたしか該当しないだろう
だってあなたは少なくともわたしの中では群を抜く天才だから。
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泣くのも笑うのも何かと気を遣うものですから
いつでもどこでもできるわけじゃないし精神すり減らしてしまうから ずっとはできない
気持ちよく笑えたり泣けたりすることがいちばんいいに決まってる
だけれど難しいことさ
泣いて 笑って
また 泣いて
繰り返すあたりまえな毎日がやがて一冊の本を読み終えるようにはかなく終わってしまうから
人はなるべく一生懸命に物事に立ち向かい賢く生きようとするのさ
懸命な努力も実らないまま失敗は次々に咲き乱れ
それでも舵をとる僕
大したもんだろう
たまには褒め称えてやれ
泣いて笑ってまた泣いて
手持ち無沙汰になったその時に。
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いくら書いてみても満たされることはない詩人の心
どうすればいいのかもわからないまま
ただ狂ったように毎日書き続けているよ
誰かとか世の中に認められるために書いているんじゃない
ただ人知れず自分の中で始まっていつか完結すればいいと思ってるんだ
詩人は今日も机に向かい 携帯とにらめっこしている
詩人は明日も机に向かい 纏まらない思いに悪戦苦闘してる
イメージした思いを具現化した時に
イメージと表現の違いに現実をまのあたりにしてしまう僕がいる
僕がいるんだ
イメージの中では楽に書けると思っていた詩でさえほら表現するとなったら表現の壁を越えられず
諦めてしまう僕さ
机に並んだいくつもの失敗作
書いては気に入らず
ゴミになって山積みになる
完全なものを求めても完全な形にたどり着けず座礁してしまう思いだ
イメージは壊れて
指先は小刻みに震え 自信は粉々になり暗礁に乗り上げる気持ちさ
そうなったらもう書く気すら無くなる
途方もない闇に閉ざされた
鍵を内側から掛けて他人との干渉を避けてしまう
だけれど イメージは生まれるから 書きたい気持ちは消えない
くだらなくてもイメージは尽きない
ああ その狭間で苦しんでいるよ
少しずつ少しずつ
纏まってきてはいる
だけれど日々が積み重なるとともに完成度にばかり気がいってしまう
詩人は今日も机に向かい 携帯とにらめっこしている
詩人は明日も机に向かい 纏まらない思いに悪戦苦闘してる
イメージの中では楽に書けると思っていた詩でさえほら表現するとなったら表現の壁を越えられず
諦めてしまう僕さ
僕とイメージと表現のあいだには大きな壁が今も目の前に
ありもしない壁なのに僕は打ちひしがれて
イメージはできても
表現するというだけで行き詰まる
言葉はパズルのようにバラバラになって無数に増えて次々に分散するよ。
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嘘をつくのは自分を守るためだとかなんとか言ったわりには拍手が欲しい
嘘をつくたび鼻が高くなるピノキオみたいにつきたくもない嘘をついては鼻が高くなるのを見る
天狗みたいだと笑っている僕だが本当は悲しいのさ
これでも悲しいのさ
ピノキオのような
精巧な人形にはなれそうもないや
嘘もくだらない嘘ばかりだから
僕の中でいつでもこんな馬鹿げた人生など終わりにしたいと思ってる心がありとあらゆる理由や言い訳を持ち出して生きようとしている僕をつくりだす
生きたいと思ってる心だけは嘘じゃないからね
嘘吐きな僕だけれど
それだけは嘘にできなかった
それだけは嘘に変えたくなかった
嘘吐きな僕だけど
完全には嘘吐きにはなれなかった
中途半端なピノキオもどきだ
天狗になったのもただ見栄張りなだけ
嘘吐きピノッキオ
今日も嘘と本音の境界線をまたいで本当でもなく嘘でもない曖昧な言葉を吐き続ける
見かけ倒しのピノキオ。
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心を揺さぶるメロディ
この町に腐るほどあふれている
全てに答を出そうと思ったらそれは無理なこと
だから僕が君を愛してるという方程式さえわかっていればそれでいい
君を愛し続けて
狂うほど愛し続けて
このまま 死ぬまで
僕はひとりぼっちだ
重ならない愛は重なれない愛だから
僕らは同様にひとりぼっちだ。
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不注意の結果でつまらない岩場に座礁してしまった舟
ずっとずっとあこがれてきた遠い日の夢ももう叶わないとわかったらただの幻だ
時々は思い出す
その夢を叶えるために燃えていた若き日の情熱をその熱苦しさを
背負ってきた夢なんてもうどうでもいいやなんて
くだらない言葉を吐き捨てて
真っ赤な夕陽に今日も僕は泣く
意味もなくただ泣くのさ
ひとりぼっちのこのぼくを照らす月の光
町は安らかな眠りに落ちて
やがて 目覚めるまで時を惜しみ命を惜しみ絶望的な現実に死ねずにいる僕は宙ぶらりんなこうもり状態
そして空は夕闇に包まれて
そしてぼくの心も日が暮れるように暗闇に包まれて
ありもしない答をただ
探している旅の途中で
ぼくが出した
答はぼくの手づくり
すっかり日が落ちて真っ暗になった町が窓の向こう側できらびやかに輝くネオンでとてもまぶしい
あんな世界はぼくには似合わない
だから今日も光のない夜に逃げて
今 暗闇の中
そして空は夕闇に包まれて
死んだような顔でただ死ぬのを待つ
そんなぼくがここにいるさ
ねえ もしも生きることが何より素晴らしいというならば
ぼくは素晴らしい人間だろう?
当たり前と笑わないで
懸命に日々涙するぼくを知らないくせに
座礁してしまった舟はやがて暗礁を乗り越えまた海原を突き進む
穴のあいたところは
また楽しい嘘で塞いで
ぼくはまた平気な顔で日々の流れに舞い戻るさ
夜が明けたら
目覚めたその世界に
おはようを言う
昨日と何ひとつ変わらないその世界に
あいさつをする
今日もほどほどに頑張りたい
これは願いであって誓いじゃないのさ
そんなににらまないでくれよ
痛む良心を押し込めてたまには自分を裏切ってやらなければいけない事も投げ出すくらいするさ
怒れる心をかき乱す
平静と情熱の間に
ある何かしらの思い
その境目に降る雨。
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明日また明日と繰り返すだろう 何度でも
今日 言ったのと同じ言葉をまた繰り返す
明日また明日へと流れてゆく思いが
明日また明日と繰り返すだろう 何度でも
僕の言葉は世界中でただひとり またとない 君だけに届くんだ
君だけに響くんだ
君だけにしか聞こえないから
君だけにしか聞かせてないから
一定のリズムで脈打つ鼓動がたまに早くなるのは君が僕を強く抱きしめているから
もっと愛されたい
僕も君を愛したい
愛し愛される
人生こそ素晴らしい人生だから、人も愛せて人からも愛される者こそ幸せな人間の証だろう
僕はただあなたの胸の中で抱かれながら目をつむる
閉じた暗闇に見つめたものは果てしなく広がる宇宙
その中で君と二人
愛し合いたい
答は今もただ
それだけを目指し
それだけにとどまる
なんて素晴らしいんだろうか
思わず あふれる涙が止まらない
また思うことはね
愛し愛されたいってことだ
一定のリズムで脈打つ鼓動がたまに早くなるのは君が僕を強く抱きしめているから
もっと愛されたい
僕も君を愛したい
愛し愛される
人生こそ素晴らしい人生だから、人も愛せて人からも愛される者こそ幸せな人間の証だろう
愛すばかりじゃ
だめなんだ
愛されるばかりじゃだめなんだ
愛し愛せてこそ
愛なんだ
目を閉じてさ考えてゆこうよ、暗闇にまたたく光を見つめよう
それが答なんだ
いつか それが見えたとき君の愛は真に輝く。
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身も心も切なくなるほどのやさしい風に吹かれて 自分の吐き出した生ぬるいため息にそっと包まれた夕暮れに
電柱の影が街路灯の明かりの下でさびしく揺れてる
すっかり暗くなった町はまるで昼間とは違う顔
町も疲れたみたいだ
お互いにお疲れさまって言い合いたくなる
楽しいことばかりいつも考えてなんかいられないから
涙はどうしても人生にはつきものです
笑ってばかりいるわけじゃないのさ僕だって
ぬぐえない悲しみや切なさはあふれんばかりにあるよ 誰にでも
今日1日だけで流した涙が 浮かべた笑顔が数えきれないほどこんなにたくさんあるのさ
幸せと呼べるものはまだ足りない気がするけど欲をなくせたらきっと僕は今が幸せだってきっと言うだろう ためらいもなく
僕を乗せた一双の小舟が涙の川を揺れながら渡るのさ
そんな夢の中では
僕はいつも笑顔で
目覚めたらまた泣き顔で
暮れなずむ空の色が溶けだして僕の心も同じ色に染めるから
僕は泣かずにはいられなくなって 思わず瞼を閉じたのさ
もし 悲しい涙を捨て去れるとしたらきっとうれし涙さえ捨て去ってしまうから
捨てずに涙を明日にまた運んでいこう
悲しいことがあるからねきっと涙を流したあとに出会う喜びが何倍にも見えるんだ
だから幸せになれる
だから涙ゆらゆら揺らして 寝ているふりを押し通す夜は 何も言わないでただ幸せだって嘘でも言おうぜ
いつか 神様にお目通しするまでには本当に幸せになってりゃいいから
今はまだ嘘でも
いつか幸せになれる
流れ続ける涙は気ままにただこっちの要望も無視してただ感じるままに涙は涙だ
ただその名前を裏切らず忠実に僕を ほかの誰かを心ごと濡らす
この世に生きる人たちの世界の上に降りそそぐ ただ今日も人を喜ばせたり悲しませたりしてすぐに消えてく
そしてまたこみ上げる
津波のように押し寄せる 涙…
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どこまでだって走るつもりだった
どこまでだって走れるつもりでいた
でも僕は今 立ち止まってふと思う
何をそんなに焦って追いかけてたんだろうと
考えてみれば何もない
何もないのに焦ってた
気づいたら興ざめ
もう一度思う
僕は何を追いかけてたんだろうと。