詩人:どるとる | [投票][編集] |
コイントスで当てる裏表
その確率は五分と五分
僕らもそんな運命のもとにある
生きるか死ぬか
または生まれるか生まれないか
選択はいつもふたつきり
五分と五分の誕生
難しいこと無しで
それでいいじゃないか。
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気持ちいい悪者でいたいな
全部は良い人でいたくないな
ちょうどいいくらいの そうだな堕天使がいい
天使でもなく
悪魔でもない
堕天使に憧れるよ
良い人でもなく
悪い人でもなく
ただ堕天使という
曖昧な自分でいたい
傷つけたことを
悪く思える人で
また投げやりなとこもある
堕天使の僕なら君を愛せるのかな
黒いジャケットに白いネクタイ
お葬式みたいな格好で心もリバーシブル
堕天使になって
君を愛したいな
気持ちのいい悪役で君を困らせたいな
今 折り畳んでた
翼をひらいて
君のところへ行く
堕天使の僕で
堕天使の僕で。
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ふたりはマフラーたなびかせてきらめく街へと駆け出して行くある日の寒い午後
街はもうクリスマスムード一色
なんとなく君を誘ったはいいけど何を話せばいいやらわからなくてさ さっきから無言のまま喫茶店の一番奥のテーブルに座って向かい合わせ
お互いうつむいている
こんな僕の気持ちをもしも歌にできたなら
どんな内容のどんなタイトルの歌になるのかな
予想もできないや
君が帰り際 そっと手渡してくれた手編みの手袋とセーター
僕はその場で着た
そしたら君がむちゃな人ねと笑った
そんな瞬間が一番好きなんだ
はじめてのデートで
はじめてのキス
甘い君の唇
はじめてのデートは
ぎこちなくもあっという間に
過ぎたよ 楽しく
サヨナラする前に君に言った言葉
今度いつ会えるかな
それだけがふたりをつなぎ止めている赤い糸にも似た小さな出入り口だよ
ほらまた 僕がやたら高い背をかがめて君に会いに入り口をくぐる
夢の中からこんにちは
目が覚めて 隣に君がいてくれたらこんな幸せはないのにねと恥ずかしくなった朝
長電話は真夜中まで続き気づけば一緒にいないことのほうが少なくなって振り向けば君がいる生活になじんだ
望むことはお互い同じだよ
いつまでもこのまま何も変わらずにふたりでいたいということだけ
はじめてのデートで来たこの公園の塗装のはがれた古いベンチに座って
またあの日を思い出してキスする日は
ふたりの思いが三度重なる日だ、指輪も渡せそうかな
そんな 気持ちで歩く並木道
今日もまたあの日と同じ気持ち確かめるように僕は君と君は僕と死ぬまでデート
ほら 永遠を描くようにふたりは歩く
目の前を横切る北風にさえ平気な顔
繋いだ手と手の温もりだけで難なく飛び越せる冬
君の薬指に光る小さな愛の証
裏切るまい逃げるまい
僕はこの薬指に光る指輪に誓う
愛の具合を確かめる。
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どうしても届かない
思いは記憶のごみ箱へ捨てようか
それともいつまでも覚えていようかな
こんな気持ち届かないならば意味はないのにね
初恋をしたのはあの春のある晴れた1日だった
とても君は綺麗だったんだ
僕の瞳にうつる君は輝いていた
あの日こうなることを知ってたらきっと…
それでもまだ君が好きで どうしても君が好きで
そんな気持ち捨てられないのは そういうわけがあるからで
だからいつか自然に忘れてくまでこのまま僕は届かない気持ちを抱えて歩くよ
きっとおもりにはならないよ
きっと荷物にはならないよ
いつまでも君が好きな僕と
僕のことなんてあの日会ったきりで名前さえ覚えてもらってないから
何も知らない君と
春に向かってゆく季節の中で二人は
それぞれ別々の恋を探すんだろう
君はもう見つけたのかな
幸せになってほしいな
話さえできなかった
ただ眺めるばかりで
それだけで精一杯で
なんか僕には遠くて
いつまでも眺めている 君はまだ鮮やかなまま 僕の記憶の中を行ったり来たりする
そうしてまた
初恋の季節は
ここにめぐり
僕をあの日にかえし
新しい服に着替えても何ひとつ変わらない僕がいる
めぐり来る春のあたたかさに混じって僕にだけに見える切なさがほらふわりと花びらのように舞い踊る
君は何してるかな
今、幸せなのかな
今にも雪が降ってきそうな冬の窓辺からそんなことをふと思う
春はまだ遠い
まだ寒い日々は続く
それでも幾らばかりはあたたかいよ
二言くらいで終わった君との会話
それなのにそれなのに僕は喜んでいた
ばかみたいに
そうしてまた
初恋の季節は
ここにめぐり
僕をあの日にかえし
新しい服に着替えても何ひとつ変わらない僕がいる
いつまでも君が好きな僕は
もう多分君の記憶からも消えてしまったから君には知らない人かな
どれだけ君が好きでも。
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おまえは生きているのかとたずねられたなら
僕は迷わず言おう
たしかに生きてることには生きてるけれど
気分はもう死んだ人と同じで心に空洞があいたみたいに虚無感に満たされてる
そんな今さ
ブラックアンド
ホワイトで
選べと誰かの声
白黒つけてくれ
選択肢が狭すぎる
ブラックアンド
ホワイトだけじゃ
とてもとても
決められない
生きているというその答をただ探すことだけに永遠を費やした人間は星の数ほどあっても明確な答をはじき出した奴はひとりもいない
ブラックアンド
ホワイトで
溶けてなくなる思い
いつか混ざり合って
単色になる
黒は白を
白は黒を
互いに飲み込みあって
互いに互いを打ち消す
ブラックアンド
ホワイト
スタンダードな色
いつまでも僕を包む
いつまででも包むよ
白い部分 黒い部分
裏は黒くて表は白い
まるでオセロ
僕らはそんな毎日に何もできずただ白か黒かで思い倦ねる日々なのさ。
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つかの間の幸せに満面の笑みを浮かべて 悲しみを忘れたふり
それでもまた雨が降り出そうものならば
負けじと涙を降らす
心の底から こんなに悲しいのに
君はなぜ私には違う世界の出来事とかんたんに笑えるのですか?
いつのまにか荒波にもまれすぎて忘れてしまったなくしたらもう戻らない人間の心
そんな笑顔じゃ誰も救えない
僕は僕を諭す
おまえは人間じゃない
夜は涙の雨で全身ずぶ濡れで 朝になったらまた笑顔で泣いていたことなんか昔話とほざいている
いくつもの日々と
その数だけあるいくつもの悲しみ そして喜び
いつまでも感じれると思うな
噛み締めろ
その一瞬を
瞬く間に消えていく
またとない感動を
今 溢れる涙はきっとこの僕に大切なこともう一度はじめから教えてくれる
涙のち笑顔 繰り返すその運命(さだめ)
今日もまた涙に濡れ
悲しみ 忘れたふりで笑う僕がどんな1日の中にも隠れている
記憶のアルバムめくってみればほらそんな僕がいるのさ
沈んでゆく夕陽と
迫りくる夕闇の
絶妙なコントラストが生み出す 光と影のミニシアター
揺れる花
その隣には僕の涙
それを慰めるようにそっと添えた笑顔
自分の悲しみは
自分で癒すしかないのさ
他人が関わるには
きっとあまりにもこの傷は深すぎる
さあ 1日が今日もやっと終わった
あとはただ眠るだけ
夢の中へ逃げ込め
そこでは全てが気楽
ほら意識はやがて宇宙へと飛ぶ
落ちていく沈んでいく 夢の中へ
笑う準備はいい?
泣く準備もいい?
さあ はじまるぞ
涙のち笑顔の大戦争
それまで目覚めずに僕は夢の中で蝶蝶に花と戯れる。
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繊細なわたくしの心を絶え間なく行き交う琴線をふるわす悲しみが琴線の一本一本を涙となり流れる
人は愚かに傷つくことも悲しむことにもいちいち理由をつけたがる
だから言葉にならない気持ちに出会ったときにたやすく言葉を無くすのだ
どこまでも広がる大きな海へは泳ぎ出せなくても小さな子ども用のビニールプールくらいの未来ならほら足をちょっとまえへ出せばいくらでも踏み出せる
用意された未来は無くても生活があれば誰でもたどり着く夢も何もない未来に今
立っている
我が物顔の大王がわたくしに言う
たとえどんなまやかしも美しければ迷いなく信じるのだろう?
今 僕の目に見えている全てはちゃんちゃらおかしいフィクション
なんだ作り物かとあざ笑うこの笑顔さえフィクション
ことのほか重大な謎が… そんな気持ちも全てフィクション
悲しいくらい
泣いちゃうくらい
全てはフィクション
やさしいフィクション
ただ それが 時に予想を裏切り不思議にもミステリアスにもなるってだけのフィクション
今 見ている全ては我々の節穴程度の力しかない目にもやさしいリアルなタッチでほら 見えている
目を閉じればいくらでも描ける夢や希望
それをしのぐ現実の鮮やかな色
それらは全て現実を際だたせる役割を果たしているに過ぎないのさ
そして人はすぐそこにある奇跡を見ようともせずに的はずれな場所ばかり探し
あげく なんだ なにもねえじゃねえかとほざくのさ
目を覆わんばかりの奇跡はすぐそこにあるのにね
人は底尽きない欲望に目が眩んでもはや輝くものしか見えなくなっている
さて、聞きましょう
あなたの目からは
何が見えていますか?
あなたが見逃しているそのありふれた毎日はあなたを確かに生かしてるのに
あなたは何をそれ以上欲すのか
わたくしには理解ができないのです
すぐそこにあるいくつもの奇跡を見捨てるその心も。
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僕はなぜ生まれたのか
そしてなぜ生きていくのか
その答はきっと
僕はなぜ死なないのか
そしてなぜ死なずにいられるのか
その疑問につながってる
だから生まれた答や生きている答を見つけたところで何もわからない
すべての答は天だけが知っているから
僕らはそれぞれの答を自ら作り出しそれをすべての答に置き換えるしかないのだ
統一された答もわからないまま生き、死んでいくしかない。
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吐き出したため息が僕を悲しくさせる
どうしても眠れない夜に僕はベランダで夜通し空を見ていた
実力重視の世の中じゃ僕みたいな役立たずは煙みたいにまかれておさらばさせられる
孤独なのは俺だけかと思ってたけれど
月よ おまえさんもひとりなのかい?
煙のようにまかれながらも負けじと前へ前へ進む僕を僕は殺しやしない
こうして積み重ねる今がいつか花開くこと願ってるから
向かい風に逆らって進もうとする僕に容赦なく吹きつける突風
明日もまた煙は煙なりに自由気ままに生きて
勝手に悲しんだり
せつなくて 黄昏たりするさ
煙は煙の信じる
道をただ行く
煙は煙の信じた
道をただ進む
いつか 砂漠に吹く風みたいにすぐ消えてしまうから
僕は今をいつでも
大事に生きる
自分に誓うのさ
悲しくとも
切なくても
生きること
涙なんか
死んでいくきっかけにしやしないさ
僕は生きる
吐き出したため息が僕を悲しくさせるけど僕は煙
自由気ままに吹いてゆく 涙さえもごまかそうとも悲しみはやがて幸せへの扉を開く鍵になるからと。
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愛とは何かを見失ってしまったとき
人はただ言葉をなくし
そのかわりに詩を綴る
愛する人のため
声にならない思いならば文字で伝えよう
雨が降る日ならば
悲しい詩を
晴れた日ならば
喜びの詩を
声にならない声で言葉の中に思いをつめこんで 今 開く扉
何も言わないままで
無言のままで伝えられたら伝えきれない思いも救われるかな
真っ白な画用紙のような気持ちに君の返事は何も書かれてない
それでもそのくらい僕が好きなんだってことなんだよ
何も言わないままで
生きてゆけたら
無言のままで過ごせてゆけたら届けきれない気持ちさえ永遠に終わりにはならない
だから僕は何も言わない
愛してるなんて当たり前なこと 君に伝えたって当然なことを繰り返してしまうだけ
だから
だから
人は愛という
その意味を見失う
簡単さ
無言のままで
愛を伝えたらいい
言葉なんて必要ないさ
愛はつねに永遠だと決まってるから
僕は無言のままで君を抱きしめる
君の悲しみや痛みごと声にならない思いで詩う
ただようメロディ
空を赤く染めて
僕らはその下で
他愛ない暮らしを。