詩人:どるとる | [投票][編集] |
旅を終えた旅人はどこへ行くんだろう
たどり着いた最期の境地で何をするのか
目をつむったらもうそこですべてはおしまい
旅人は涙を見せるのか
それとも最期まで笑うのか
僕はどちらなんだろう
旅を終えたなら
旅人ではなくなるのかな
何者になるのかな
名前さえうばわれ
この世に生を受けた日から今までの記憶が走馬灯のようによみがえるかな
旅人は涙でその喜びを形にする
悲しくなんてないといえば嘘になるけれど
今はただ笑うだけ
精一杯笑うだけ
最期の最期で泣けばいい
旅人よ 今はこの喜びを涙で形にするだけ
そういうことにしておけ。
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僕はなんのために生きているのかな
なんのために明日も生きていくのかな
今はまだわからない
その答は
いつか言えたならいいとは思う
行方もつけずに
今はただ宛もなく
雲みたいな旅人を気取らさせてもらおう
孤独 黄昏 下手くそなやせ我慢 風に吹かれて たまに泣いて
旅は続く あしたのあしたのあしたも
そのあしたのあたりになってもまだ終わらない
だから そのうち
見つかるさ
この旅の理由
そしてどこかで
見つけるさ
この旅の意味
旅人から旅人へ
語り継がれる唄
僕も繋げてゆこう
あしたのあしたへ
あしたもあしたへ
旅人から旅人へ
理由と意味をたくして風に吹かれてくれ。
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遠い遠い大昔
僕がつくった
スノーマン
夕方には溶けてた
跡形もなく
スノーマンは
笑うこともなく
冬になると
僕のこの手で
いくらでも
つくれた
でも スノーマン
大人になったら
つくることもなくて
なんであんなに手をかじかませながらつくっていたのかなと不思議がるほどで
スノーマン
街でよく見かけるけれど僕が知ってるスノーマンじゃないな
恥ずかしいから隠れてつくったよ
スノーマン
だけれどあのころみたいにうまくはつくれなかった
心の声もきこえない
君はあの日から死んでしまったのかな
スノーマン
スノーマン
遠い大昔
君はたしかに僕を待っていたんだろう
ごめんね スノーマン
ごめんね スノーマン
そしてまた雪が降り出せば街中にスノーマンがたくさんあふれて僕もまたあのころの気持ち思い出して今年はつくるよ
スノーマン。
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僕だけの箱庭
広がってゆけ
夜の静けさを
切り裂いて
夢よ 目を覚ませ
安らぎは夜にこそ
おとずれる楽園への扉を今ひらいて
夜に唄えばやがて心地よい朝が来る
それまではみんな深い安らぎに満ちた夢を見る
夜に唄えばやがて心地よい朝が来る
果てしない闇を一瞬にして蹴散らす朝陽がこの目に見えるまで
僕は夢の中
みんな夢の中
すやすやと眠る
僕だけの
私だけの
俺だけの
箱庭の中で
夜空に光るあの星のひとつひとつが僕たちの夢さ。
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ねえ おしえてほしいんだ
僕はどこへ行けばいいのかな
宛もなく 夢もなく
目指す場所もなく
なんとなく踏み出した道となんとなく開けてみた扉
降り立った未来
希望あふれる未来を見ていた
でも希望ある未来を見すぎていた
絶望を見忘れてた
ほら 光と影のはざまに揺れる僕よ
雨に降られ 雪にうもれ 答を探している
月明かり さしこむ
殺風景な部屋で
年がいもなくため息ついて物憂げに空を見ればまるで気休めみたいな星が光る
ああ 励ます声はすべて雑音にきこえる
なあ 僕の行くべき場所はどこだろう
知らないか?
知らないか?
すれ違う人すれ違う人に 聞いて歩く
希望は沈み
やがて浮き上がってきたのは見るのもおぞましい絶望の影
立ち向かえよ
誰かの声
遮るように
逃げろと心の声
どうしたらいい
若いなりにも
立派な悩み
深すぎる迷い
迷路の中
僕はただ立ちつくす
希望と絶望の両方にしてやられてる。
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夢も理想もどこかに落としてきたらしい
どうせ見ていても見ていないのと同じようなものだから
べつに気にしやしないさ
だけれどなんかさびしいものだね
今日まで生き続けてきて
いくつもの季節のページをめくってきた
その数だけ歳を重ねて何かを知ってきたかといえばそうでもなくて
なんとなく生きる日々に
なんとなく過ぎる日々さ
なんとなく生まれたから
なんとなく死ねていけたら幸せ
ただなんとなくで今日も目を開けてるのかつむってるのかもわからない
田んぼの真ん中に立ちつくす不安定なかかしみたいに空っ風に吹かれてる
表情も変えずに
呑めない酒のくせにいきおいで買ってしまったお酒みたいになんでもいきおいまかせの日々
コンビニ袋をぶら下げてため息ひとつこぼせば涙で月がにじんでゆく
もう 疲れたよ
僕は疲れたんだよ
何もしたくないよ
このまま楽になりたいぜ
自販機の小さな明かりが遠く近く揺れているのをただ眺めている
あれが俺の未来か
ああ ずいぶん安っぽい未来だな
まあ いいか
あんなんでも未来は未来だ
なんてさ、言ってる
自分じゃ死ねないから
命を惜しんでしまうから
雨に濡れているこの僕にとどめをさしてよ
生まれたことを今さら後悔してさ
間違いだって思うくらいなのさ
誰でもいいから
俺を殺してくれよ
こんな気持ちは
誰にも言えないよ
でも本気なんだぜ
悲しいくらい
切ないくらい
そう思う今
本当に疲れた
俺にあまってる時間
誰かにわけてやりたいよ
なんて たばこ吹かす夜もあったよ。
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伝える気持ちは伝わる気持ちさ
今夜も君のぬくもりがつないだ手から伝わる そして僕からも伝える気持ち
伝えてくれたら
伝える気持ち
愛しあうとはそういうことをいうのでしょう
テーブルをはさんで
少しおそめの夕食を食べる
君は僕の帰りを待っててくれた
夢の中でも二人は二人で伝えながら感じながら二人は伝えあい伝わりあう
そんな日々さ
夜はやがてやさしい朝の光に照らされて
太陽が昇る
太陽が昇る
伝わった気持ちがほら僕を嬉しくさせるよ
また行ってきますと僕は君に手を振る
僕は君に手を振る
伝わった気持ちはひとつ
だけれど届いた気持ちは無限大
ほら カバンにも入りきらないから
心にしまったよ
心にしまったよ
いつでも思い出せるように
また 悲しいことがあったとき思い出せるように
伝わった気持ち
大事そうに抱え
僕は出かける
だからね伝える気持ちは伝わる気持ち
2つでワンセットなのさ ひとつでも欠けたらそれは愛ではないのさ
だからね僕らは伝いあい伝えあう
2りは愛する者どおしだから
背中あわせの日でさえ
会えない日でさえ
ぬくもりは時間と場所をこえて僕の君の心にちゃんと届く
それが愛というもの
それがぬくもりというもの
ほら また今日も気づくと胸のあたりが痛いよ
早く会いたい
君に 君に
伝わる 伝える
思い
言葉でなく
思いとして
いつも胸にしのばせる
ひそやかな愛の栞
いつでも君を見失わないように。
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くすんだ空から雨がぽつぽつ降り出して
街を濡らす
静かな街はやがて
傘の花でまるできれいなお花畑
この雨のひと粒ひと粒にはまるで涙のようにひとりひとりの悲しみや切なさが思いとなってぎゅっと凝縮してあるのさ
今 僕はただなんとなく生きているけれど
これが間違いなんて思ったためしはない
だから悲しくもない
ただね思うことは
この雨の冷たさは誰にも同じなのに感じ方が違うだけで心地よくもなるってこと
だから僕にはただ冷たい雨でも誰かにはやさしい雨なんだろう
雨宿り 誰かを待つ
そんな素振りで
いつまでも いられない
僕は意をけっしてずぶ濡れになること覚悟で飛び出した
傘もささずに雨の中
絶え間ない日々に
途方もない感情が降り注ぐ 僕を濡らす
まるで雨のように
涙がほら僕を濡らす
心に降るは雨
僕を濡らすは涙
ほら どうしたって冷たい雨はやさしくはならないでしょう
自分を守るための
傘を投げ出して
走り出したあの日の自分が今では勇気があるなと思うのだ
ただ、雨が降る景色を
空を 街を 人を
まるで映画でも観てるかのように傍観していた
主観的には見たくないんだよ
いつも隙あらば打開策よりも逃げ道を探す僕なのさ
今 僕はただなんとなく生きているけれど
これが間違いなんて思ったためしはない
だから悲しくもない
ただね思うことは
この雨の冷たさは誰にも同じなのに感じ方が違うだけで心地よくもなるってこと
だから僕にはただ冷たい雨でも誰かにはやさしい雨なんだろう
絶え間なく降り続く雨に永遠降られ
痛いほどの雨の冷たさに僕は今日ももてる言葉さえすべてなくしている
唯一 残っていたのはこの言葉だけ
死ニタイ…
ひとり 今日も自分を外側から眺めてみるよ
雨が降る中を ただ宛もなく 歩き続ける自分が悲しく見えた
今すぐ抱きしめたくなったの。
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目の前に見えない壁を作り出し
ありもしない透明な不安にびくつく日々
まるで僕は傍から見ればパントマイムしてるみたい
でも僕には見えるんだよ
おっかない不安も
おまえさんには見えないかもしれないが
僕には見えているよ
巨大な壁がほら何層にも重なって僕の行く手を遮ってる
その先には未来があるのにねそのせいでとんだパントマイム
ジョーダンじゃないぜ
ピエロになるつもりはないよ
だから 偽りの笑顔
顔から剥ぎ取って
涙でぐしゃぐしゃになった本性をみんなに是非とも見せたーい
パントマイムしてる場合じゃないのにね
なぜか 透明な壁からそちらへ行けない
パントマイムしてるような愉快なものじゃないよ 僕にはもうなすすべはない
誰かには軽い1日さえ僕には重い1日なのさ
歯を食いしばって
こんなんじゃパントマイムじゃないか
そのうち顔中に涙という雨が降り出して
嘘っぱちの作り笑いが化粧ごと落ちて
そこには 本当の自分がいたよ
イッツ
パントマイムショー
これにておしまいおしまい
悲しみよおととい来やがれ。
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僕は君のなんなんだろう
ただそばにいるだけならばマスコットと同じになってしまうね
だから言葉を発して
だから自由自在に動いて君を楽しませたりね励ましたり慰めたりするのさ
僕は君の味方なんだよ
いつまでも
いつまででも
それだけは変わらないから
僕は君の隣でいつでも君の味方として
笑っていよう
僕は君の世界でいちばんの味方で
君も僕の世界でいちばんの理解者さ
今 溢れ出す
やさしい気持ち
心をうれし涙で
満たした
ほら やっぱり
何度ケンカして
食い違っても
また振り出しに
戻って
二人
笑いあえる
二人ならば
僕は君の
君は僕の
世界でいちばんの
味方だから
ずっと二人でいよう
寒い冬も暑い夏も眠くなりそうな春もしっとりと切ない秋もそばにいて
そばにいるよ
僕は君のなんなんだろう
その答ならもう出てるのさ
僕は君のすべてなんだよ
そして
君は僕のすべてなんだよ
それだけは変わらないから 命の火が消えてしまったあとでも
永遠に成仏できずに現世をさまよう。