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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[7751] うちのお父さん
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うちのお父さんは なんだかへんなんです
私が知らないようなことまで知ってるの
魚の生態 モールス信号 星座の名前

お父さんには知らないことなんてないのかな

ねえ ねえ 教えてお父さん
まだまだ私の知らないこと

数学みたいに 答えがあるなら
口うるさいのも ゆるしてあげる

洗濯物は一緒に 洗わないでって
言ってはいるけど

本当は大好きなんです うちのお父さん

満員電車とか 遅くまで残業
ご苦労様ってたまには言わせてね

素直になるのは お正月と誕生日

その日くらいは優しくしてあげるの

お父さん お母さんとのなれそめを聞かせてよ

おんぶの帰り道
知らない間におおきくなったって 言われたよ

笑ってばっかで しまらないお父さん
家族の幸せだけが生き甲斐って笑う

めったに言わないただいまを言った日に
お父さんは言ったよ 「よくできました」

両手ではなまる作って笑ってた

ふとしたときに見せる 弱さ
強がる私とは 全然違うけど

お父さんでも たまには泣くのかな
見てみたい だけど泣かせたくない

だから私は お父さんに親孝行するの
いつまでも 元気でいてほしいから

ねえ ねえ 教えてお父さん
まだまだ私の知らないこと

数学みたいに 答えがあるなら
口うるさいのも ゆるしてあげる

洗濯物は一緒に 洗わないでって
言ってはいるけど

本当は大好きなんです うちのお父さん

愛されることが恥ずかしいだけで

愛されたいと 思う
それが 今、私の出した答え。

2016/05/02 (Mon)

[7750] 環状線をゆく
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眠らない街 明かりが消えない街

最先端テクノロジー メトロが走る

星空が 東京にも見える
花だって 咲いてる

くだらないイメージに 惑わされないで

素敵な街さ 東京

生まれた街さ 東京

環状線をゆく

僕の心が レールに乗って

目指すのは 未来

まだ発展途上の 段階

驚くのはこれから。

2016/05/01 (Sun)

[7749] タイムカプセル
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「十年後に開けよう」って
約束して 校庭に埋めたタイムカプセル

十年の歳月は いろんなものを変えた
人の気持ちも 街の景観も 風の色さえも

変わらないもの 探しながら 街を歩く
だけど 変わらないものがあったのに

いくら探しても見つけられない。変わってしまったのは僕も同じだから

十年後、またここに集まって
懐かしく 今日を思い出せる

そう信じていた 僕らは嘘じゃないのに
あまりにきれいな未来を見すぎていた

風がめくった 机の上のアルバムには
懐かしい 顔たちが並んでいるのに

誰一人思い出せないのは 帰らない昔を知っているから

灯る街の明かり 商店街を歩けば
人もまばらで 猫があくびするだけ

同窓会の招待状すら来ない
毎日ポストを確かめる

僕らの明日は 眩しいくらいに輝いて
今日みたいに 笑っているだろう

変わらないと思ってた 僕が一番
変わってしまったのかもしれない

愛美ちゃんが 初恋の人だったことも
今は もう 遠い昔だけど
あの頃の気持ちは 今も少しなら
思い出せるよ 寝ずに書いた手紙が
雨に濡れて渡せなかったあの日の切なさも

十年後、またここに集まって
懐かしく 今日を思い出せる

そう信じていた 僕らは嘘じゃないのに
あまりにきれいな未来を見すぎていた。

2016/05/01 (Sun)

[7748] ライフ
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時計が半周して また夜が 明ける
踏み出した誰かの一歩がトンと鳴る

その一歩で どこまで行けるかな
頼りなくて すみませんね でもこれでも
本気と書いてマジなんです

エンジンを蒸かせたなら そのまま
ぶつかるまでは止まらない 止まれない

ふとしたときに 笑ったりするのは
懐かしい誰かを思い出しているからだ

今は所詮跳び箱 前に進むための踏み台
僕の目指す未来はもっと先にある

見くびらないで まだこんなもんじゃない。

2016/05/01 (Sun)

[7747] 初恋
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押し寄せる白波が 砂浜に描かれた
誰かの落書きを静かに消してく

黒板に描かれた 相合い傘と
遠い昔の教室に置いてきた思い

その二つが 混ざりあってくるくると
渦を巻く 初恋はマーブル模様

好きだと 言えたなら もしかしたら続いていた恋だったかな

そんなことを思いながら またひとつ過ぎてく季節を数えてる

駅前通りは たくさんの人で賑わい
泣いてる人なんて一人もいないよ

みんな上手に笑顔で隠しているのかな
本当は 今にも溢れ出しそうな涙を

ふいに入った ファミレスの珈琲に
ミルクを入れて 溶けていくのを見てた

恋は 叶わなければいけないのかな 言葉にしなきゃいけないかな
叶わなくても 素敵な恋なら 伝わらなくてもそれもまた恋です

今はもう 遠くに離れた 同級生たちは
みんな 都会に行って この街に残ってる人はほとんどいないよ
君はどうかな?なんて思ったりして

好きだと 言えたなら もしかしたら続いていた恋だったかな

そんなことを思いながら またひとつ過ぎてく季節を数えてる

「僕も 恋をしたよ」
いつかそう 誰かに聞かせたいなあ
そんな人に 出会えたらいいなと思う

そして春は 静かに
ゆっくり過ぎてく。

2016/05/01 (Sun)

[7746] 僕らは昔ドキドキするような恋をしていた
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長く果てしない坂道を 二人で上る毎日
時々休みながら 小言も言いながら

いくつも いくつも数えた星と月日を
太陽が こがしてくよ 昨日は戻らない

巻き戻しや 早送りなんてできない

ちょっと厄介で融通の利かない物語だ

僕らはアダムとイブのようにはなれない

喧嘩ばかりだし お互いをそこまで好きじゃない

でも 僕らは昔 ドキドキするような恋をしていた

シワを刻んだ手のひらに 君は白髪をひとつに結わえて

写真の中の僕に そっと語りかけるんだ

器用な君には似合わない不器用な僕

失敗ばかりの僕を 怒りがらも助けてくれた

ありがとうもまともに言ったこともない
でも誰に言われるでもなく君は僕を 助けてくれた

リセットもできない そのためのボタンもない

ゲームじゃないよ パスもできないんだ

僕らは 美女と野獣もいいところ

君と僕はアンバランスでバランスがとれてない

でも 僕らは 昔 誰もが憧れる恋人だったんだ

君より先に僕が 逝ってしまったのが悔やまれるな

空からあなたを見守ってるの知ってるかい?

爪も自分で切れないよ
耳掃除も 君にやってもらってたよ
唯一 君が誉めてくれたのは 僕が はじめて作った 下手くそな野菜炒め
まずいのに 君は全部食べてくれました
思えば僕は幸せでした あなただったから
いなくなってはじめてありがとうを言えるよ
でも君に聞こえない

僕らはアダムとイブのようにはなれない

喧嘩ばかりだし お互いをそこまで好きじゃない

でも 僕らは昔 ドキドキするような恋をしていた

シワを刻んだ手のひらに 君は白髪をひとつに結わえて

写真の中の僕に そっと語りかけるんだ

君の瞳に涙がひとつ ぽたりこぼれたのを見た

僕は 思うよりずっと君に 愛されていたんだ

僕らは 思うよりずっと 素敵な恋人だったんだ。

2016/04/30 (Sat)

[7745] 東京
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日が傾きかけた 駅前は夕日に照らされ

足元の影が 背伸びするように 伸びた

つないだ手の温もりと 交わした言葉

隙間を埋めるように距離を縮めてく

離れないように でも近づき過ぎないように

遠くもなく 近くもない程よい距離から

あなたを見ている たくましいあなたの背中

どこか憂いを帯びたあなたの 横顔

たまに見せる弱さ そのための強がり

意地っ張りでも やっぱり一人は寂しい

あなたは 悲しいときほど私に背を向ける

だから そんなときだけ距離をぐっと 縮めるの

手をつなぐ口実に するみたいに
私の寂しさも あなたに埋めてもらうわ

東京に生まれ 早、数十年 まだひとりで
立てるほど 立派じゃないけれど

愛する人がいる 愛されたい人もいる

それが同じ人なのが私には今は嬉しい

思い出が ひとつまたひとつ 増えてく

日記帳に スケジュールが刻まれていくように

あんなことがしたい こんな場所に行きたい

人を愛するようになって随分欲張りになったわ

こんな私は嫌われるかな でも腹八分目よ

適当なところで 箸を置くわ 太らないように

そして本当に輝くものだけを 思い出と呼ぶの

少し儚げな 4月の終わり 空はまだ

夏というには早く でも春というには 遅い

風には春の名残が 街のあちこちに

その足跡を 残している ほら萎れた花びらが
ベランダに 落ちている

遠くもなく 近くもない程よい距離から

あなたを見ている たくましいあなたの背中

どこか憂いを帯びたあなたの 横顔

たまに見せる弱さ そのための強がり

意地っ張りでも やっぱり一人は寂しい

あなたは 悲しいときほど私に背を向ける

だから そんなときだけ距離をぐっと 縮めるの

私が あなたに必要だってことわからせるように

誰でもなく私があなたの隣を歩くの。

2016/04/30 (Sat)

[7744] プラネタリウム
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昔、父と来た 科学館のプラネタリウム
きれいな 星空が壁に映し出す 大宇宙

アナウンスが 教えてくれることは
あまりわからなかったけど

星の光は 僕の胸に届いていたよ
思い出の宝箱に しまった大切な 名場面

シャッターを 切って 閉じ込める
かけがえのない瞬間 消えないように

本物の夜空には きっと勝てないけれど
僕にとっての宇宙はここにあるよ

胸の真ん中 指差して 笑う幼い少年が
僕の中にまだ 消えず残っているから

大人になって子供ができて 子供を
連れてきたよ あの日と同じ科学館

息子は 笑いながら楽しそうにしてた
見上げた宇宙は少しだけ 近くなってた

それでも まだ 天井までは届かない
僕の高い背丈でも まだまだ遠い大宇宙

あの日見たときより 大分くたびれてた
古いから子供だましだけど

僕の中に ある思い出が静かによみがえる
再び広がる イメージの中にある 星空

ほらあれがベガだよ あれが アルタイル
僕の中の僕が 一つ一つ教えている

父の 残した数少ない思い出が
今、波になって押し寄せて

僕の瞳から 涙が 溢れ出すよ
なぜだろう 悲しくもないのにね

子供が言うんだ 「お父さんなんで泣いてるの?」僕はただ笑ってた

シャッターを 切って 閉じ込める
かけがえのない瞬間 消えないように

本物の夜空には きっと勝てないけれど
僕にとっての宇宙はここにあるよ

胸の真ん中 指差して 笑う幼い少年が
僕の中にまだ 消えず残っているから

思い出はいつまでも 瞼閉じれば何よりも素敵なプラネタリウムを 広げるから。

2016/04/30 (Sat)

[7743] 星空ドライブ
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ワインを溢したような夜空が
フロントウィンドウに広がる

扇子を広げるように
きれいに左右に分かれてく景色

生意気に ダンスミュージックかけながら下手くそに右足と左足でリズムをとるのさ

流れ星が すぐ目の前を横切ってく

願い事はしたかい? 君に聞く僕は
いつになくロマンチストさ

星空と一緒に 今夜はドライブだ
踊るように 軽快にハンドルを切れば

プラネタリウムなんて目じゃないような
ホンモノの景色が ほら君の瞳に数えきれないくらい星を降らすよ

東京の街を 知り尽くしたつもりだった
でもそれは大きな間違いだったよ

ミシュランガイドにも載ってない
店を 予約したけど些か遠い

退屈させるわけにはいかないの
ちょっと待っててもうすぐ
次の次の信号曲がって それから…

呆れ顔の君もまた 可愛い 見惚れてるんだ

笑ったそばから
泣いている 怒っていたのに すぐまた上機嫌

君はまるで 天気のように 雨と晴れを
忙しなく繰り返して僕を 振り回すよ

でも振り回されるのもまんざら嫌いじゃないの
たまにスパイスが欲しいときカレーに欠かせない香辛料代わりさ

疲れちゃったんだね
助手席で眠る君に
そっと タオルかけてあげたよ
窓を開けて 煙草をふかす僕に
幸せは 微笑みかけてくれる こんな静かな時間が
僕に 教えてくれる大切なことを

そしてまた星は流れる 願い事はひとつだけ

願い事はしたかい? 君に聞く僕は
いつになくロマンチストさ

星空と一緒に 今夜はドライブだ
踊るように 軽快にハンドルを切れば

プラネタリウムなんて目じゃないような
ホンモノの景色が ほら君の瞳に数えきれないくらい星を降らすよ

恋をする人の 心の真ん中 めがけて
運び届けるよ 君が願った 明日を。

2016/04/30 (Sat)

[7742] 3月16日
詩人:どるとる [投票][編集]


桜の雨が敷き詰められた道を歩いて
いつもの電車に乗って 学校に向かう

いつもと変わらない制服姿の君は
卒業式を前にして少しだけ 心震わせてる

胸に咲かせた 花飾り
そこには 「卒業おめでとうと書かれていた」
僕らは今日で卒業するんだなあ

街は今日も いつもと変わらず
ただ空は青いまま 春の陽射しが
アスファルトに 優しく降り注ぐ

卒業証書を 手にしたみんなが
写真を 撮りっこしたりしているのに

君は一人 ぼんやりしながら 空見上げて
今日の日付と曜日を思い出す

ホームに 立つあなたに渡したボタン
少し 削れて 色褪せてしまったけど
あなたは笑って ありがとうをくれた

恋なんてできない 離れる寂しさから
逃れるように ボタンを渡したら
あなたと違う 車両に乗り込んだ

渡せなかった手紙には あなたへの思いがあふれているのに

涙ばかりが 流れてしまう どうして好きなだけでこんなに

苦しいんだろう だけど思い出は 捨てられないよ
もう宝物になってしまったから

街は今日も いつもと変わらず
ただ空は青いまま 春の陽射しが
アスファルトに 優しく降り注ぐ

せめてあなたの幸せを祈る
恋をさせてくれて ありがとう。

2016/04/30 (Sat)
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