詩人:どるとる | [投票][編集] |
雪は冬に降るものだろう
だから雪が降っているってことは
今が冬だっていう証なんだろう
もうそんな季節ですか
真っ白い街
少しずつ雪に埋もれてゆく道
ため息も真っ白
気づけば
君の髪も白髪混じり
雪降る冬の物語
今 始まったよ
ページを開けば
ほら 雪が降り
真っ白な街に
ほら 幸せが積もる
すべてを真っ白く染めるかのように
もうすぐサンタもやって来る
そんな気配すらする。
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君の流した涙は
世界の何億 何兆と言われる人全員が流した涙と何も変わらないよ
悲しいのは同じ
切ないのも同じ
だけれどね
僕がわかってあげたいのは
その涙の中にある君にしかわからない痛い部分でその中に光る君の悲しさの理由で
僕はそれに気づけるまで多分ね世界のどんな人の涙より君の涙を愚かなほどいちばん尊く重い涙と言うだろう
いちばん僕にとって考えるべき涙だから
ああ 世界中の誰の涙なんかどうでもいいと言うのだろう
自分さえも差し置いて君がいちばん悲しいんだよね
だって君の痛みは君にしかわからないから
多分ね考えるに君の中では君の中では君の悲しみがいちばん悲しいはずだから
何億万人の涙なんて君の中じゃ小さいのも裏付ける
ああ だから僕はその涙 世界中の誰よりもぬぐいたい ぬぐいたい。
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モナリザだって笑いたくて笑ってるわけじゃないだろう
ダビンチにああ描かれたから笑ってるだけだろう
だからあれは
モナリザの微笑みというよりも
モナリザの愛想笑いに変えた方が正しいと思う
あれこそが僕ら社会人を象徴する醜い笑いの原点だと絵を見た人をあっと言わせるから
ダビンチよ
悪いが今の時代には
モナリザの微笑みでは優しすぎる
だからこう呼ばせてもらうよ
モナリザの愛想笑いと
または
モナリザの苦笑いと。
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期待は時に裏切りを生む
希望は稀に絶望を生む
愛は時に嫉妬を生む
世の中無傷で生きるのは難しい
かならず生きていれば闇をかいま見る
光から生まれるのは光ばかりじゃない
優しさも愛も夢も希望も単なるつかの間の安らぎ
そういう場合もある
だから最後まで気を抜いてはいけない
影を生む光
牙を剥く女神
そんな未来を外さないで
いつかやってこないともかぎらないから。
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流れる涙
君の流す涙
もしも癒せたらいいな
同じ重さの悲しみを消せたらいいな
僕の悲しみも
君の悲しみも
地球が抱える悲しみもすべてはいつか消えてしまう涙
僕らをこんなにも悲しませておいて
なんて勝手なんだろう
悲しみってやつは
僕らはこのまま
悲しみの雨に降られ身をひそめるアメンボウ
そしてやがて雨の降り続く中 いつの間にか僕らは消えて
そのあとの涙はどこへゆくのやら
流した涙
まだ僕の中にある悲しみ
流しきったわけじゃないから
地球の悲しみ
僕らの悲しみ
同じ地上に降り注ぐ
ほら悲しいってことは生きてる証
でも悲しいものは悲しいね
だから流れる涙
君も流す涙
僕も流す涙
理由はいつも悲しいから
たまに嬉しいから
こぼれ落ちた涙
挨拶もないままに
溶けて消えてゆく
ほら誰も知らない涙のふるさとへ舞い戻る。
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どこまでもありふれた歌を歌おう
誰もが歌えるようなすこぶる簡単でとてつもなく単純な歌を歌おう
素直な気持ちだけがその歌を輝かせる
ありふれた歌だけれど特別な歌
そんな歌歌うように
生きていく僕らは
ありふれた日々の中ありふれた幸せの中
どこまでもありふれた日常を走る
笑いながら
泣きながら
しかるべき運命の上を行くのさ。
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いつもの帰り道
いつものコンビニを曲がって
変わるのが遅い信号にイライラ
昼間ならそうだけど夜はもう疲れてしまってイライラする元気も気力もなく
ただぼんやりと信号が変わるのを待ってる
変わったら変わったでゆっくりと横断歩道をわたる
歩きながらね今日一日の中で面白かったこと悲しかったこといろいろ思い出してみてはそのひとつひとつに感想をつぶやいて
人目も気にせずぶつぶつ独り言
やがて 家に着いて
僕は玄関のドアの鍵を回して開ける
昼間とはまるで違う重さに少しため息
だけれど僕がただいまと言えば大好きなあなたの声でおかえりという言葉がかえってくる
そんな幸せに一日の疲れはまるで魔法のように溶けて消えていくよ
君の笑顔を見れば何が悲しかったのかももうどうでもよくなってしまうから
いつもこのドアを開ければ僕はまた元気な気持ちで君を抱きしめられるよ
だから 言うんだ
ただいま…
そして 欲しいんだ
おかえり…
魔法のように僕の心は優しさで満ちていくよ
ありがとう…
愛してる…
私事でたいへん恐縮ですが、とても嬉しいことなんだ
いつも
いつも
気づいては
泣いてしまう夜
僕のただいまと
君のおかえり
このふたつの言葉が交わされたらもう僕は今日を幸せと思えるから
そのためにも欲しいんだよ
世界で僕だけに今は聞こえる君のかすかな吐息まじりのおかえりが
地球の中にとある一軒家
その中に住む君と僕のほんのささやかな日常の物語
だけれど僕にはどんなことよりも大事で
大切で尊くて愛しくて
君がもう
世界の中心のように思えるんだ
その言葉と笑顔だけでもう僕は
有り余ったこの愛を誰に伝えようか…
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いつもの要領で今日もなんとか乗り切った
プラスマイナスで失敗も後悔もなかったことにして
明日にはまた明日のゴタゴタがあるから
今日の疲れを明日に持って行くのはよそう
おつかれさまと声をかけられてもうんともすんとも言えない僕だけれど
疲れたからだに染み入る缶コーヒーの苦みと甘さ
のどを熱く通り抜けてゆく
気分がいいときはおつかれさまって言われたいけど
できることなら気分が悪いときは何も言わないでほしい
そんな僕にまたおつかれさまと声をかける後輩の声
それはそれで優しいからおつかれさまと返すべきはずなのに
僕ってやつはなんて薄情なのかな
おつかれさまの言葉にさえ無視をして立ち去る始末
今度会ったらきっとおつかれさまと返そう
おつかれさまと言われなくなるまえにおつかれさまと返そう
心に決めた6時過ぎ
電車に揺られて
吊革につかまって
うかつにも眠ってしまう僕
今僕は気づいたんだ、あなたのおつかれさまがなかったらきっともっとさびしいだろう
だから僕は言えなかったおつかれさまを明日こそは君に言おうと思う
ため息ばかり聞こえる終電間際の電車の中で僕はため息のかわりにおつかれさまと小さく君に言うよ
僕と同じで君も同じように疲れているはずだから
頑張った者どうし交わすべきなのさ
おつかれさま
おつかれさま
明日は言うよ…
どんなに疲れてたってきっとおつかれさまが欲しいから
僕も同じで君も欲しかったんだろう
だから僕もお返しさ
おつかれさまでした…
目上にも目下にも敬意を評そう。
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人生に近道なんかない
そんなこと言われなくてもわかってるさ
道から道へとつづく道
どこまで行けどもたどり着くのは前も後ろもつづく道
道から道へと走る日々
この道はされど未知へとつづいている
いつでも
いつでも
昇る太陽
沈む太陽
一日の中見渡せば
未知なことばかりだったな
そしてまた僕は道をたどりまだ見たことのない未知へと駆け出して行くのさ
何もかも新しい
この道とは違う未知なる道へとつづく道々を地道に歩きながら時々予想外の雨に濡れながらも
いつでも思うことはこの先にはきっと今日にはなかった未知が待っていて
僕はその未知なる場所できっとまたその先へつづく道を探り当てるだろう
予想はかぎりなく予想でしかないから
どんなに予想をしててもそうなるとはかぎらない
それが未知へとつづく道の筋道というか掟なのさ
この道は未知へとつづく道
呆れるほどに言うよ
この道はさらなる未知へとつづいてるよ
ほらまた新しい
昨日とはちがう
朝陽が昇れば
また新しい時間が動き出して僕はきっと未知という未知に遭遇するだろう
不思議なことは何ひとつないのさ
だってそれが未知というものなのだから
ただ新しい気持ちで日々 君を驚かせる未知に素直に驚けばいい
悲しければ涙を
嬉しければ笑顔を
そんな生き方で
そんな行き方で
未知なる道はいいのだと思う
それがその道の歩き方だから
道よ、僕をまた新しい未知へ導きいざなってください
ありふれた不思議で構わないから
僕が望むのは当たり前な今日だよ
当たり前に時間が流れ当たり前に一日が終わるような
そんな、当たり前すぎるほど当たり前な今日でいい
それ以上でもそれ以下でもない今日がいいんだ
多くを望めば総てを失う
ならば僕は当たり前な日々を望む
望まなくても其方からおとずれる
幸せと悲しみと喜びとあふれた未知の世界。