詩人:どるとる | [投票][編集] |
心の中で悲しみを我慢し続けて膨らんだ涙の風船がいつしか破裂してしまった
何年も何十年もためこんだ悲しみが一気にあふれたんだ
ドバトバと勢いもよくあふれだしたんだ
悲しくてただ悲しくて
切なくてただ切なくて
寂しくてただ寂しくて
虚しくてただ虚しくて
風船からはそんな気持ちがあふれたんだ
僕はしばらくうつむいたまま黙ってた
黙ってたんだ
風船みたいに気持ちはプカプカ浮かんでいたんだ
浮かんでいたんだ。
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裸足で旅に出よう
なにはなくても
人には歩ける
足がある
つかめる
手がある
だから
裸足で旅に出よう
着の身着のまま
翼など要らない
僕らには
勇気がある
決断力がある
闇をかき消す
光がある
なにはなくとも
足がある
つかめる
手がある
無駄にするなよ
大丈夫
大地を踏みしめ
大地を抱き体で感じよう
何も持たず
つまらない哲学や論理は置き去りにして
持って行くのは
せいぜいプライドくらいさ
あとはただカバンひとつに適当に懐かしいCDでもつめこんで裸足の旅へ出かけるのさ
僕は旅人だよ
しかも気ままな
だから風の吹くまま 気の向くまま
僕は旅人になった
心を旅する旅人に
裸足のままで傷つくことすら楽しみに旅に出る今
僕は今不安以上に興奮をおぼえてる
雨にうたれて
雷に鳴られて
ちょっとおびえて
ちょっとにやけて
裸足の旅は続く
それでも
裸足の旅は続く
まんまる満月
ギラギラ太陽
繰り返す
規則的なつまらない日々は僕をのみこんで死ぬまで巻き込んでシャララ
何も言えない
みんな
ただ事がすむのを
黙って
見送るだけ
それしかできない
みんな
口惜しく
見守るだけ
それぞれが各々の明日を静かにそうただ静かに己の旅を最初から最後まで
自分という周りから固執した孤独を抱えながら今日もどこかで人はその人なりに生きている
迷い悩み苦しむ
明日もまた人はただ生きるため生きるのだ
それはすなわち神に与えられし長い長い年月をかけた旅なのだ。
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死んでもいいけど
そういう割には
死ぬことに僕は絶大なおそれを抱いてる
死にたい…
死にたくない…
ただそんな思いで虚空を眺めてるばかりでまるで生きる屍みたいに生きてる
虚空はただ広くて
僕のすべて聞き入れてくれて思わず身を投げたくなるけど
空へは落ちられない
だから大地しかない
それが僕はいやなのさ
だからただ生きるしかなくて仕方なくて生きてるよ
虚空をあおいで
命を揺らして
今にも消えそうな炎を流れる日々の中で暮らしてる
暮らしてる
僕はどこへ行けばいい?生きる気力もなにかを果たす元気もないのに
このまま静かに死がおとずれるまでなにもせずなにもやらず待つ気でいるのにな
生きているだけでいやでも生活を安定させなくちゃ苦しい終わりへ落ちてくから
僕の虚空はやさしい声でやさしい死を教えたのに
なんなんだろう
楽に死ねもせず今も残りの命を惜しみ死ねずにいる今って時間は。
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あると思えばある
ないと思えばない
存在はただそれだけで存在したりしなかったりする
つまりは本人の意志ひとつで存在するかしないかは決まる
人も物も景色も何もかもすべて存在はゆるされたものにこそ与えられゆるされないものは存在しても存在しない
それは人の目に映るか映らないかではなくその人の気持ちただひとつで変わる
存在の定理はそうして存在する
あるかないかではなく存在をゆるすかゆるさないかにある。
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未来や過去はさておいて今を見つめよう
過ぎ去った昔やこれから来る遠い未来など今は関係ないから
大事なのは今だけだ
今を見つめよう
明日を目の端にとらえながらも今を見つめよう
それが明日をひらく鍵になるのだ。
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あきらめの早さは天下一品さ
飽きの早さも天下一品さ
すぐに泣いてしまうしねすぐに心がしぼんでしまうんだ
どうせ明日も今日と同じで悲しいだけの日だろう
ならばここらで終わらせてしまってもいいくらいだとも思う
だけれどまだ何かやれる気もする
この不思議な感覚は明日もあるだろうか
そして僕を引き留めるかなあ
夕暮れの空の下で
へたくそな口笛を吹き鳴らして歩いてゆくのさ ひとりきり
茜色に染まった空の下を僕は生きていこう
いつまでも続いてくこの道がやがて自分にとって光り輝くものに思えるように
僕は明日また明日と生きていこう
たとえ今日がどんなに涙で濡れてしまっても僕は生きていこう
明日は大丈夫さ
きっとなにがあっても生きていればね笑えるから 笑えるから
いいことあるから
だから明日も生きて行こう
今日も明日も僕の存在が当たり前なものであるように
へたくそな口笛が
暮れかかった空に
切なく 響いたら
僕は家に帰るよ
明日の自分へと向かって僕は夜に傾いていく時のすべり台に乗り込むさ
さあ 少しずつすべっていこう
こわくないさ
明日までさあ行こう行こう
今日も明日も僕のへたくそな口笛吹くために
そんな馬鹿らしい理由でもいいじゃないか
生きる理由今は見つからないなら僕は口笛吹くために生きるんだ
明日も明日も。
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僕が生まれた事も
今、生きてる事も
それはたったひとつの偶然がつくりだしたささやかな奇跡なんだ
受け入れて
拒んだりして
人は少しずつ
その奇跡に気づく
偶然が生み出した
たったひとつの
奇跡に今日も生かされていることさえ奇跡よりの使者は忘れている
我が物顔で奇跡をあざ笑う
奇跡と奇跡が重なって今まで奇跡が起こっていた
奇跡が奇跡に共鳴して奇跡が鳴り響く
奇跡たちが踊り明かす奇跡の夜に奇跡よりの使者はさらなる奇跡を起こすだろう
生まれた意味
生きている理由
死んでしまう意味
死んでいく理由
どうにかできる事
どうにもできぬ事
これからの日々
歩いてきた日々
過ぎ去る時間
後先の時間
すべてが偶然により引き起こされた奇跡という名の運命
運命は変えられない
それを変えられるのは気持ちが変わるから
けれどそれを変えても変えられるのはひとつ
だからそれひとつ以外は決めたなら変えられない
奇跡はひとつしか起こらない
それが今ある奇跡と起こるべくして起こった奇跡と重なるのさ
そしてそれが運命となる
たったひとつの運命となる
僕らは奇跡の運び手
未来へつなげてくゆくのさ
奇跡を 奇跡を起こすため
なんでもないことさえよく考えたら奇跡だとわかるだろう
ほら誰もが誰も
奇跡のお起こし手
そして奇跡の体験者
奇跡よりの使者だ
その証を感じよ
生きている中で
生きている今で
生きている事で
奇跡の雨に濡れよ
ひとりきり奇跡の雨が降りしきる中で笑い狂え笑い狂え
嗚呼
嗚呼
嗚呼
生まれてきた運命を
生まれてしまった悲しみよりも生まれてこられた幸せを見て行こう
今、僕は確かに
生きている
それこそが紛れない奇跡だとしたら僕はきっと奇跡そのもの
だろう
だから生きるんだ
奇跡ごと旅立たないように。
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悲しみは流れ流れてどこへ消えて行くのか
さよならも言わずにまるで雨粒みたいに跡形もないまま
涙はゆくえをくらましたのさ
僕からたずねることもなく
涙からきいてくることもないから
当たり前な話だけれど
たずねたってきいたってなんの答もかえってはこないよね
涙のゆくえを知ったところできっと僕にはなんのとくにもなりゃしないさ
涙を見送るときは黙って見送ろう
さよなら涙
ふるえる声で
永遠へ消えていく
涙に心の中だけで
つぶやくよ
そしてまた涙がほほを伝うとき僕はまた会えたねとでもいうのかな
そこにはなんのあたたかさも交流もないけどどこか親しみがある
そんな涙と僕の日々が笑顔よりも親密になっていった
涙よどこへ行こうとも
またここへ戻っておいで
僕のほほならいつでもぬらしてかまわない
僕は君を愛してる
涙よ僕のそばにいて
光り輝くわけじゃないけど僕の中だけで輝いているんだ
涙は一瞬で消えても
永遠にその姿を記憶に刻み込むほどの存在感で僕を一生ぬらすのさ
だから僕は涙のゆくえなどわからなくていい
また会えるから
生きてれば何度でも
ほら悲しみや喜びがそれを引き起こしてくれる
君を 涙を 呼んでくれるから…
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モノクロの日々のそのなかで僕は一体いつになれば鮮やかな色に染まれるかな
なくした色に戻れるかな
モノクロームの無声映画の中で用意された台本の通りに生きるのはもうまっぴらだ
早く赤や青や黄色に染まりたい
自分の声で自分の言葉でうたいたいよ
モノクロームの映画は続く それでも僕をモノクロの世界に縛り付けたいようで
僕はまた今日も愛想笑い 世辞に建て前、四苦八苦
これじゃまるでモノクロームの中にいるようだね
日々はまだ発展前さ
いい加減前に進みたい
画質なんか気にしないから 今さら
贅沢は言わないから
モノクロームから抜け出したい
それだけ。
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春のあたたかい日差しに揺れるたんぽぽ
青い空によく似合うやさしい綿毛のダンス
土手沿いに咲いていた黄色いたんぽぽ
今ではもう寒すぎてたんぽぽにはいられないから姿を見せないけれど
たんぽぽはまた僕の瞳の中に咲くだろう
あのほがらかな姿でまた僕をやさしい気持ちで満たすだろう
ああ 春のあたたかい日差しの中でただやさしい夢を見ていたい
やがて白い雪にうもれた春が芽を出すまで僕はきっと両手すりあわせながら
たんぽぽのあの笑顔を
たんぽぽのあの手触りを
待っている
たんぽぽは僕を待ってくれているかな
今も僕の心の中にあるイメージの中で揺れてるよ 春風に踊って 揺れて 笑って
くすくすとかわいらしく笑って
黄色い君の笑顔を夢見て舞い降る雪に僕は包まれよう
冬の白い日々がやがて君の黄色い日々に塗り変わったら
僕はまたあの土手に出かけよう
君に会いに
君に会いに行こう
冬もはじまっていくというのにもうとうに過ぎた春を懐かしんでるなんておかしいかなぁ
だけれど会いたくなるものなのさ
春の日差しを忘れてしまったわけじゃないけどどこかそのぬくもりの愛らしさを恋しがってるから
会いたくなったのさ
たんぽぽという名の春の妖精に
たんぽぽという名で春を思い出して
僕はたんぽぽに会いたくなった
その時は凍りついた僕の心を溶かしてあたためてね
たんぽぽにお願いするのさ
寒い冬のはじまりに心にぽっと咲いた冬のたんぽぽ。