詩人:どるとる | [投票][編集] |
心にできたキズアト
痛くもなければ痒くもない
ただ、普通のキズアトと違うのは
いつまでも一生つきまとい癒えず消えないということだ
ずっとずっと永遠に
死んでも報われないよ
そのキズアトだけは
このキズアトだけは
小さくても見えなくても心にできたキズアトに比べれば普通のキズアトなんてなんでもないよ
いつか治るから
かならず治るから
そもそも見えないから大きさなんてわかるはずもないけれどなぜか僕らは見えるかのように話す
このキズアトは地球より重く何より大きい、と
重傷ですねと自分で自分に言いながら泣くしかない僕を置き去りに日々は無情に癒やすまもなく過ぎる
癒えないとしても少しくらい気持ちの整理をつける有余くらいくださいよ
なんて愚痴る僕がいた
小さな小さなキズアトを抱えて
見えない見えないキズアトを見つめて
僕はただ無心のまま立ちつくす。
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最低の一日だって
最高だと思える何かがあるはずだ
それを探すことをしなきゃいやなことばかり見ていると悲しくなるだけだ
だから探せ
眠れる光を
最低かつ最高なる1日の中に いつでも。
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心の中に今 雨が降っている
当分やみそうにないくらいの勢いで
だけれどいつかやむだろう
やまない雨などないのだから
どんなに激しく降ろうとひたすら晴れるのを待つレーニーデイ 今日も変わらず雨
だけれど信じる未来だけはひたすら晴れている
そんな心を抱いたまま今日も見えない雨の中を傘も差さずに歩くから濡れるわ濡れる
限りなく僕を濡らし続ける雨
切ない気持ちが泡のようにせり上がってくるよ
舌を刺すような熱いコーヒーゴクリと喉を焼く
そんな秋の終わり
そして冬の始まり
寒さが迫ってくる
そんな冬の始めの
秋雨に濡れている
心が 心が 心が。
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たとえば僕らをつなぐ絆が可愛いリボンならばいいよね
そして僕らがひとつになる日が来たらふたつだったリボンがひとつに結ばれて
ハートの形になっていつまでも幸せに暮らしましたとさなんて言葉で締めくくられてもかまわず僕らなら笑えるだろう
ふたりはふたりでいること以外何も特別な望みなんてないのだから
まるでメビウスの輪みたいにいつしか熱すぎるくらいだった愛もこんがらがる日が来ても僕らならなんとかねじれを直してまた平坦な道のうえで出会えるさ
僕らはふたりでひとつのリボンなんだから
何もおそれることはない
ただ愛のおもむくまま今を生きよう
ただ心のゆくままあなたひとりだけを愛そう
嫌われたって思い続けるような強気な心でいよう
そうすれば互いが互いを嫌いになることなんかない
いつでも自分のほうがあなたを好きなんだって思うような強い気持ちのせめぎ合いが終わらない
リボンは今も固い絆で結ばれてる
ハートにそっと
ハートにずっと
結ばれてる
ハートにリボン
結ばれてる。
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乱気流の中でデートしたい
スリルのある恋がしたい
たやすく手に入る恋などは見向きもしない
欲しいのは乱気流の中で稲妻にうたれたような気持ちで傷つきながらも笑うような
そんな乱気流デート
高気圧みたいな君と
低気圧みたいな僕で
乱気流の中をデートする
夢みているぜ
そんな未来
ただ僕は
たったひとり
君とそんな乱気流デートできる日を待ってるぜ。
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一瞬だけ見えた
その光は僕を救った
一瞬だけ見えた
その光が僕を変えた
君なんだね
それは君なんだね
一瞬だけだったけど
永遠にも焼き付きそうな感を与えておきながらすまし顔
君なんだろ
一瞬の光があの時
目の前を輝きながら
通り過ぎた
まるで流れ星をスローモーションで見てるようなね
いや それ以上にきれいな光景だった
今でもあれは忘れない記憶だよ
初恋というらしいね
そんな名前の光
一瞬を永遠にのばした
君がかけたさりげない魔法
たった一瞬が僕には永遠にもなった
今もそれは変わらず
永遠のままこのハートに埋もれて。
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今日も1日ごくろうさまでした
大変にお疲れのご様子ですね
僕は僕自身につぶやいてみたんだ
足どりはまるで足かせをつけているように重くてさ
ドアを開ける腕さえ思うようにあがらないよ
からだは疲れきってやたら眠くて
早くベッドに身をゆだねたい
温かいコーヒーを淹れてひと息ついたら
今日の日を振り返ることもなくおやすみ
僕の安らかな寝息だけが暗闇の中に聞こえている
明日はかならず来るとして
今日がこうして終わって
目覚めたときにはもう何もかもすべてがうまく消えちゃって傷跡とかもみんな無かったことに
なんてわけがないだろう 明日も記憶はあざやかにいつまでも僕を悩ます
傷跡は消えない
この夜がそっと僕の知らないうちに朝になり日がのぼり夜が明けたら僕もまた否が応でも起きているだろう
でもまだ夜は明けない
夢の中で夢の中でたっぷり癒されたい
この夜は明日もまた愛想笑い浮かべられるように傷跡を癒やす
なんてためにあるんじゃないのさ
疲れきったからだを癒すためにあるのさ
それでも振りまかれる愛想笑い
ほんとうに
ほんとうに
光が見えないよ
希望は僕を見捨てたのかとさえ思ってしまうそんな暗黒の日々
僕のすべてを塗りつぶす
闇にのみこまれてく
卑屈になるばかりで
ストレスはかさばり
すべてがイヤになる
それでも明日は来る
今日もまた今日もまた
生きてしまった
違う 生きててよかった
繰り返す心変わり
ほんとうに
ほんとうに
1日ごくろうさまでした
こんな暗雲の立ち込める 今にも雨が降ってきそうな危うい世界で生きるだけでも一苦労
一呼吸一呼吸がなんだか思いのほか苦しいのさ
生きていたい
だけれど
死んでもみたい
そんな
行き場のない
孤独なボールを
投げたり
受け取ったり
自分とのキャッチボールは続く
また明日も。
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果てのその果てがあるとして
限界を求めてもそのまた果てにはさらなる果てがある
限りなく続く
果てから果てへ
果てから果てへと
のびる世界
果ての果てには
なにがある
終わりなく
最初も最後もない
果ての果てには
果てがある
ゴールもスタートもない果ての果てには 果てが待つだけ
終わらないよ
いつまでも
果てなき無限は無限に続く
果ての果てまで果てしなく疲れ果てても老い果てても死に果てても果ての果てには果てだけが果てしなく果てまで続く果てに向かって。
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この雨はいつになればやむのだろうか
ずっとまえから待ってるけど一向にやむ気配すら無いんだよ
ずっと心の中に降り続いている哀しみという名の雨 したたり落ちて 今もポタリ
僕を内部から内部から責めるように濡らす
この雨はいつになればやむのだろうか
たまにはじき出すこたえは曖昧なうえに信憑性もない意味のない飯事だ
だから雨も一層激しさを増すだけでなんの打開策にもならずに光への扉は閉ざされていった
「雨」
そんなニ文字の単語で言葉にすればたやすいけれどこれがかなりのくせ者で
「雨」
僕はそんなたかがニ文字の単語に遊ばれてる
濡れながら
避けながら
こたえを探してる
降り続く
突き刺さる
雨がじゃまで見つめたい明日が見えない
予定も何もあったもんじゃない
とにかくこの雨をやませなくちゃ
事情を知らない誰かはそんなキモチなど迷うなにものもないと笑い飛ばすけど
僕にはあまりにも冷たすぎる雨
悩み続ける心に
容量も余裕も無い頭に
どこからか容赦なく降り注ぐ見えない核弾頭の雨嵐
僕の心は今もなお戦時中
長い長い闘いが繰り広げられて
なにも知らない奴には関係ないけど僕には大いに悩ましい問題
雨はなおも
いつまでも
降り止まぬ
哀しみはさらに
深まるばかりで
出口の見えない
迷路の中
思わず口走る
出口などもとより無いのじゃないかと
空は快晴
されど心はあきらめの色を見せ始めていた
まんまと人生の落とし穴にものの見事にフォールインワン
僕をうらむ誰かには都合のいい展開だろう
なあ 神様
あんたはどう思う
こんな僕の今
雨は降る
降るために降る
やむためでなく
降るために降る
だから
雨は降る
雨という名の意味を果たしに
そういうのか
哀しみさえ見過ごして。
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王様でもないのに態度は人一倍王冠かぶった王様のようにガハガハ笑う厄介者
偽りの王様
裸の王様よりはた迷惑だとの噂あり
王冠をかぶった僕
鏡で見たら醜いこと醜いこと
今更気づいて
ちょっと涙
ちょちょぎれて
見えない王冠
そっと脱いだ夜
代わりに
ペリカンの人形に
かぶせたふりで
久々に反省した夜
めずらしく
眠れなかった夜
犯した罪は金の王冠の値段でも払えないくらいで
どうかこんな
無様なわたくしを笑ってください
でももう失うモノナド何もございません
意味を無くしたこの王冠以外は
光沢を無くしたこの王冠以外は
跳ね上がるボールみたいに視界をふいに空に飛ばせば
あり得ないほど月がきれいでなぜか涙があふれた
ああ 僕は今まで何をやってたんだろう
王様なんてなんの得にもなりゃしないのにね
反省するばかりの夜
王様は王様をそっとやめた
姫も王子も兵もお妃も何もついてないさみしい王様をやめた
やめた
今じゃただのサラリーマン
あの王冠はやっぱり僕には必要でなかった
心変わりは
ちょっとした自信を生み出した
これにて王様とはおさらば
あの日の夜が蘇れば反省の色も濃くなる
リーマンは苦笑いでそんな気持ちをそっとかばった
元王様は今じゃただのリーマン
社会の最下層の住人
そして平の中の平
下の下の男
だけれど王様なんかよりはずっとマシだと笑った 月の夜
見上げた空には流れ星が駈けていく
そして願うのさ
流れ去るまえに
「どうかこのままの僕で」
王様の威厳や品格は面影もなく
それはそれはもとからだけれど
それはさておき僕の明日の予定はなんだっけ?平だから何もねーや
幸せなほどめぐまれた人間です
リーマンはリーマンである自分を褒め称えた あたりまえなほどそこにある月と変わらないことが規則のようないつもと同じ夜に。