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どるとるの部屋  〜 新着順表示 〜


[7650] サテライト
詩人:どるとる [投票][編集]


狂おしいまでの 陽射しの熱光線
アスファルトを フライパン状態にする

目玉焼きが 焼けそうな30度を軽く越える
真夏日に 揺れるかげろうを追いかけた

僕たちは 追い越したり 追い抜かれたりしながら

いつまでも色褪せず変わらないものを 探してた

足元の影が長く伸びて 夕暮れに沈んだ街で
帰れない僕らは影踏みをやった

けんけんぱっで 踏み越えた ハードルは
小さくて 低かった

でもここからでは到底見えない景色が 少なからずあったんだろう

それを思い出と 呼んで 手放せないでいるから
いつまでもあの日の僕らの影は あのあぜ道で遊び続けてる

夕立 雨を降らしてなすすべもなく
僕らは傘もなく 濡れてしまう

例えるならば本の一番盛り上がる場面
なのにいつも鼓動は一定の波を保ってる

僕らは 笑ったり 泣いたりしながら

ページをめくる手をふと 止めて 明日の空を見上げた

雷と雨から 逃げながら 雨宿りできる屋根を探して 走った
やっと見つけたつぶれたパン屋

あの頃 世界は手足のように 動かせたのに
今は自分のものじゃないみたいだな

思い描いていたほど未来は 明るいものじゃなかった

だけど予想よりずっと 笑えたことに驚いた
今日もまた 暑くなる予報 午後からの雨に備えよう

まるで無差別的に放たれるサテライトが
射抜く 僕の弱さを ぼやかしたよ

ああ もう 目眩を起こしそうな 頭で
やっと思いついたことの くだらなさに笑いが 止まらない

足元の影が長く伸びて 夕暮れに沈んだ街で
帰れない僕らは影踏みをやった

けんけんぱっで 踏み越えた ハードルは
小さくて 低かった

でもここからでは到底見えない景色が 少なからずあったんだろう

それを思い出と 呼んで 手放せないでいるから
いつまでもあの日の僕らの影は あのあぜ道で遊び続けてる。

2016/04/14 (Thu)

[7649] 出張
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遠く離れた 君にメールを書いて送る
君は笑ってくれるかな僕の返事に

暫く会っていませんがそちらはおかわりございませんか?
さみしいよなんて弱音もはみ出してしまいそうさ
お得意の冗談で笑い飛ばしてよこんなときこそ

眠れない夜 月が雲にかかって 見えなくなった

会いたい気持ちが 膨らむほど
無理を承知で 会いたくなるんだ

あなたの顔 思い浮かべるといつも即席のイメージだからすぐに消えてしまう

部屋を掃除して洗濯物干して それだけで
日は暮れてしまう やることは単調なのに
意外と 疲れていたよ 風呂に浸かるのが 一番の楽しみで幸せだった
自分で作った 手料理は不味くて 君の料理に負けてなかった

人のことちっとも言えないね 大きさの違う下手くそな野菜炒め

喧嘩も出来ないことが こんなにも辛いなんてね皮肉なもんだね

いくら謝っても 足らないほど迷惑かけたね 今さらあなたが大きく見える

あの日の 君の涙
そのあとのまぶしい笑顔
ひとつひとつ 思い出していた
写真には 閉じ込められない
形に出来ない 喜び 悲しみ
言葉にも出来ない 愛しさ
言えないままの 愛してる
いつか 届けたいなあ

会いたい気持ちが 膨らむほど
無理を承知で 会いたくなるんだ

あなたの顔 思い浮かべるといつも即席のイメージだからすぐに消えてしまう。

2016/04/14 (Thu)

[7648] 新宿飲屋街
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振り出しに戻って また僕は 同じところをぐるぐる回って

迷わせるつもりもない道に迷わされている

ルールとか掟になるべく縛られたくなくて
流れるプールに 逆らうように 世の中に抗っていたら
一人ぼっちになってしまった

見上げた空に 星を探す夜は 長く朝を遠ざけた
煙草ばかりが 増えて 健康診断に引っ掛かる

愛のなさに気づいた彼女と 別れた日
案外傷ついたのを ごまかすように

好きでもない人に好きと言ったり
そうでもないのに その気にさせたり

君も大概だが僕も大概だなあ。

2016/04/14 (Thu)

[7646] 流星群の夜
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暫くはそのニュースで持ちきりだった
来週、流星群が何十年ぶりかに見られるらしい

みんなで 計画して見に行こうって約束まで交わした

望遠鏡から 覗いたいつもの夜空が
まるで夢の世界のように 見えたよ

僕らは大袈裟なまでに 下らないことで
笑いあって 挙げ句抱きあって

手を上げて はしゃいだ あの日のこと
大人になっても忘れないでね

いくつもの宝石が散らばった 流星群の夜
余計な言葉は僕らの間にいらなかった

なぜかわけもなく眠れないでいた夏の夜は寝苦しい 頼みの扇風機空回り

オープンカー 風を切って 走る 青い空があんなに 青い

理由なんて 多分いらないんだよ
笑えればそれで どうでも良くなるから

誰が言うでもなく 集まって いつものように 飲んで騒いで 夜を明かした

ただ飲み明かす為の口実が欲しかった
いくらでも幸せになれた単純な程にさ

弧を描き尾を引く シューティングスター
最早一番手がどの星かもわからない

振り子の軌道を 描いて
行ったり来たりするだけの時間が
変わらない 夏の日々に落ちた陽射しが
ゆるやかな 坂道を下っていって
気づけば みんなそれぞれの道を 選んで別れていった

一人あぶれたようにたたずむ僕は 探してた
抱えすぎた思い出を 仕舞う場所を
あるいは 捨て去る場所を

僕らは大袈裟なまでに 下らないことで
笑いあって 挙げ句抱きあって

手を上げて はしゃいだ あの日のこと
大人になっても忘れないでね

いくつもの宝石が散らばった 流星群の夜
余計な言葉は僕らの間にいらなかった。

2016/04/14 (Thu)

[7645] アナザーページ
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ページをめくって指先で操るように
物語のあらすじをたどってゆく

活字の 海を疲れ果てるまで泳いだら
岸に這い上がって本を仕舞う

時計は 言葉を知らないから
命の大切さを教えてくれない
だから痛みを持って 知るんだよ

突き刺さるように雨が 空から降って

僕に残された一分一秒を 水に流してゆく

気づけばもう半分近くを切っている

空白のページに 記されてゆく足跡

その先へ 物語をつなげてゆく

万年筆で 原稿にインクをにじませて
小説家が空想の 物語を 綴ってく

悲しみも作り物なら涙も偽物だ
だけど血潮さえ生々しい世界だ

引き出しにしまったままの陽射し
見て見ぬふりしてる誰かの死
真夏日のデイドリーム

刻々と流れてく百年にも渡る時間

最後は泡のように消えてしまうのに

人は形あるものを手にしたがるよ

ふとふれたときの 温もりに溺れたい

重ねたその手に未来を見ているんだ

少しずつ なくしてゆく 若さだったり

衰えてゆく 物覚え
挙げたらきりがない

それより 残されたものを 覚えていたい

明日世界が 終わるとしても あなたが

笑ってくれるなら僕はそれでいい

そう思うこの気持ちが僕の今のすべて

突き刺さるように雨が 空から降って

僕に残された一分一秒を 水に流してゆく

気づけばもう半分近くを切っている

空白のページに 記されてゆく足跡

その先へ 物語をつなげてゆく

いつか到達するであろう明日まで

捲る アナザーページ。

2016/04/14 (Thu)

[7644] 君の名を呼ぶ
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一人きりで見上げた空に 星がひとつ 流れていった

孤独だと思ってた世界は
いつの間にか あざやかな色に染まって

いくつもの光に 出会うたびに 僕の心は
少しずつ なくしたものを取り戻してく

僕にとって愛すべき人が一人 また一人増えていく その歓び

手をつなごう 輪の中においで 今日から僕らは友達だ

君の声を追いかける僕らの間に距離などない

いつだって ここにいる だから何度でも君の名を呼ぶ

黄昏が空をあめ色に染めて 歩道橋から見下ろす風景を

近くで見たり 遠目から見たり 試行錯誤の毎日だ

もういいかい まだだよなんてまだ 続けてる 隠れん坊 大切なものだけ見つからず

猫が日向で あくびをする 光と影が庭でダンスしてる その対比

踏み出そう新しい一歩を たとえば 水たまりを飛び越えて

もう一度始めよう 昨日より新しい世界で

大好きな声がすぐ側で 君の名を呼んでいる

五月雨が アスファルトに 足跡を刻んでる

紫陽花の季節は なぜか悲しくなるんだ

そんなことより今は 夜明けが待ち遠しい

ただそんなことが うれしくてたまらない

手をつなごう 輪の中においで 今日から僕らは友達だ

君の声を追いかける僕らの間に距離などない

いつだって ここにいる だから何度でも君の名を呼ぶ。

2016/04/14 (Thu)

[7643] LIFE
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繰り返す日々は 流れ作業のように
何処までも終わらない
結果の見えない日々だ
僕らはきっかけを 作るだけ

これが 幸せなのだとしたら
きっと僕らの抱く この迷いや悩みなんかも
贅沢の内に入るのだろうか

空は相変わらず 愛想もなく笑顔ひとつ見せない
鈴を鳴らして猫が 隙をついて 僕の膝を枕にする

仕方ないよなあ 毎度の口癖も変わらず
フェードアウトするように 手を振る

本音重視の 嘘の吐けない不器用な人
裏表のない 単純な人
よくいえば素直 悪くいえば融通の利かない人

雨上がり水たまりに映った逆さまの空

飛び越えて行く 君を 見ていた
君が僕より 遠くに見える

なんでもない ありふれた 悲しみのせいで
涙なんか流してしまう
どうしてくれるんだ 愛を知って 弱くなったよ

だけど幸せなんだ 不思議なんだけど
時計が 二人分の時を刻んでる

真っ白だった スニーカー
今ではすっかり泥だらけの傷だらけ
その傷の一つ一つにある思い出

空は相変わらず 愛想もなく笑顔ひとつ見せない
鈴を鳴らして猫が 隙をついて 僕の膝を枕にする

仕方ないよなあ 毎度の口癖も変わらず
フェードアウトするように 手を振る。

2016/04/13 (Wed)

[7642] 水族館
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いつか君と行ったあの水族館
水槽の中にいろんな魚が泳いでいる
子供みたいにはしゃいでは笑う君を
ちょっと離れたところから盗み撮り

海月が好きな君は 丸い覗き窓から
鼻がつくくらい近くでずっと見てた

閉館まで 二人で何度も見て回った
あの日、またひとつ思い出が増えた

ねえ君は覚えているだろうか
僕ばかりが 昨日のことのように

思い出すのはなぜだろう
吹いていた風まで同じなのに

春はどこかよそよそしく
悲しい色をして 今年もまた桜が散る

言葉では多分 伝えきれない
無理やりしてもいいけれどやめとくよ
桜祭りは 賑わって人がたくさん集まって
綿菓子をひとつ買いました

あの日の空は少しだけ雲ってた
だけど不思議に心は青空だったよ

つばめが低空飛行してる もうすぐ雨が
降ってくるかな 傘を持って行こう

ねえ君は幸せだっただろうか
僕は君を幸せにできただろうか

笑ってた 君のあの笑顔の意味とか
その向こうの悲しみを知るすべもない

言い過ぎたあの日のことを謝ることも
出来ない僕は君の笑顔を思い出せない

涙ににじんだ思い出を 下手くそな強がりで 埋め合わせた

すぐに 笑えなくなってまた 泣き顔になる

永遠だと思ってた でも あまりに
短い命は 桜と一緒に散った

ねえ君は覚えているだろうか
僕ばかりが 昨日のことのように

思い出すのはなぜだろう
吹いていた風まで同じなのに

春はどこかよそよそしく
悲しい色をして 今年もまた桜が散る

夏の訪れとともに夢か幻のように。

2016/04/13 (Wed)

[7641] 存在
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宛のない 毎日の中に灯る明かりがわずかでもあるなら
尤もらしい言葉で今にも消えそうな輪郭を象って

花のように咲いて 雲のように流れて
海のように凪いで 星のように輝いて

そんな想像を膨らましたところで
何の意味もないことはわかってるんだ

長い夢から目を覚ましたように生まれた僕らは

百年あまりの時間を見返りなく与えられ
時にその仕打ちを 嘆き憎み悲しむ

僕という存在は 一体なんだろう
それさえもわからないままで
遂に僕は死んでいくのだろうか。

2016/04/13 (Wed)

[7640] 花火
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子供の頃に読んだ 図鑑の中にあった
星の名前と形を覚えた
今ではそんなことは記憶の底に沈んで思い出すこともないや

手にしただけの知識で賢くなった
でも本当に知りたいことだけは
いつも空欄のままなんだ

夜空の遠くに打ち上がる夏の日の
色とりどりの花火がただの火薬でも

正体なんてきっとどうでもいい
僕らはその美しさに見惚れてるんだ

夜空に大輪の花がパッと咲く
今だけは素直になれそうな気がする

好きな気持ちを言葉にすること
単純なことなのに難しい
どうしても自分に自信が持てなくて畏まってしまうよ

他の人にはない自分だけの特別を
僕は持っているだろうか
目を閉じて考えているんだ

喧騒の中を 縫うように歩く
君の手を引いて 人混みをかいくぐる

やっと人混みを抜けると手を離した
言葉はなくても 言いたいことがわかる

幸せそうに君は笑っていた
ふいに最後の花火が上がる

首筋に伝う汗も 二人で分けあって
代わる代わる飲んだラムネも

容赦なく注がれる陽射しにぼやかされ
すべてが思い出になる

夜空の遠くに打ち上がる夏の日の
色とりどりの花火がただの火薬でも

正体なんてきっとどうでもいい
僕らはその美しさに見惚れてるんだ

夜空に大輪の花がパッと咲く
今だけは素直になれそうな気がする

好きと言えないかわりに
小さく 笑って見せたよ。

2016/04/12 (Tue)
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