詩人:どるとる | [投票][編集] |
走り出した道の上 あんなに遠くに
雲は浮かび実に気持ち良さそうだなあ
大きな口を開けて開口一番まず何を叫ぼうかな
バケモノのふりして柄じゃないのに君の名を呼んでみる
折角ここに生まれてきたんだ
誰かを愛したっていいだろう
生まれもった傷跡ごと愛してくれよ
もっと高く 飛びたいっていうなら肩車してあげよう
世界でたったひとつの展望台の完成だ
「そこからの眺めはどうだい?」
独断と偏見で世界を見渡したら
随分、不必要なものを抱えすぎている
大袈裟な 夢を語って
思いを 声にしようか
正しくもない 間違ってもない どっちつかずの半端な存在
折角の血肉体をどう使おうかなあ
誰かを 愛するために使えたなら
流れる涙も温かい灯火になる
長い長い夜が明けてゆく また振り出しからのスタートだ
繋いだ手は嫌がったって離さない
「君は僕の命を分けた存在だから」
醜く毛羽だったような 二の腕を持った僕が
大粒の涙をこぼすとき
優しい光が 心の闇を消してゆく
やっと気づいたんだ あなたが僕を 今まで愛してくれたその意味に
折角ここに生まれてきたんだ
誰かを愛したっていいだろう
生まれもった傷跡ごと愛してくれよ
もっと高く 飛びたいっていうなら肩車してあげよう
世界でたったひとつの展望台の完成だ
「そこからの眺めはどうだい?」
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言葉の角が尖って大切な人たちを傷つける
僕の言葉は言葉というには甚だしい
そうやって 重ねてきた過ちを
今さら悔やんでる
負債に追われて
受け流す 傘もなく
よるべもなく
眠れない真夜中
月にさえ背を向けて
ちっとも笑えないや
よくある ドラマの最後を飾るラストシーン
ハッピーエンドにもつれ込む
わかりきった あらすじは滑稽だ
退屈であくびが出る
でも涙も流れる
くだけ散った星の
かけらが胸に刺さって
街を涙に沈める
月にさえそっぽ向かれて 寂しいや
たよりの明かり ひとつないから
ちょっとだけ ずるをしたいなあ
でも あんなに月に輝かれちゃ
悪さなんて 出来ないや
受け流す 傘もなく
よるべもなく
眠れない真夜中
月にさえ背を向けて
ちっとも笑えないや
この 行き場のない思いを 運ぶ船になって
さよならの街まで 涙と手をつないで旅に出る。
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大人になるつれてただでは人を信じれなくなった
思春期といえば聞こえはいいが 所詮わがままの亜種だろう
許され続けてきた 罪がやがて
子供を脱した僕らを待ってましたとばかりに
責めの体勢に入る
子供の頃は 当然のように 許されてきた
でも今は責任という言葉から逃げるだけ
様々なしがらみ 様々な運命
色までついた鮮やかな レッドカード。
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土星の輪に引っかけた数行のレクイエム
常に心は字余り 輪投げは得意なのになあ
なぜなぜ坊やになってしまうよ
それぞれの朝に光を届ける
夜と朝のギリギリの境目 その瞬間の
曖昧なラインに 僕は立っていたい
飛んだり跳ねたり繰り返してきたよ
今の今まで わかりきった答え合わせだ
それでも 時間通りに散歩に出る猫の
瞳に映るまっさらな空を眺めていたいよ
何度でも 振り出しに戻っては
またそこから せっせと歩き出す
すべての終わりがすべてのはじまり
今から生まれ変わるよ昨日より少しだけ新しい世界に。
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ベランダから見える空が虹を描いて
目覚めたばかりの僕に素敵な朝をくれる
雨上がりの街 人いきれの中を走る
白い息を まとわせて
たとえばシャツの裾に にじんだ青を
悲しみと呼ぶにはまだおおげさだ
でも、それだけで人は命を絶つ理由にしてしまうんだよ
よそ行きの服で つきなれない嘘などを
唇がふるえた調子で話すのを見てた
昨日の僕とにらめっこ
掌の上に空をのせる
たったひとつの矛盾に気付いたら最後
もうただでは信じることは出来ない
それでも愛されていたいと願う僕は孤独を嫌うんだ
言葉にならない気持ちに 蝕まれてゆく
あんなにきれいだったはずの心も黒ずむ
たとえばシャツの裾に にじんだ青を
悲しみと呼ぶにはまだおおげさだ
でも、それだけで人は命を絶つ理由にしてしまうんだよ。
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神様の指先が指し示す真実は
答えというには些か合理的です
よって却下
譜面にきれいに並んだ 音符を
たどって 鳴らすメロディ
遠い昔に 消えた星の光を
遅れて見てる
その解釈は何万通りからなるだろう?
ノートに書き付けた決意表明は
言いたいことだけを叫んで黙った
真っ白な大地に落ちた星のひとつを
適当につかんで それがすべてだと
言いたげな 僕らは
埋まらない隙間を 何かで塞いでいたいだけ
空き地の裏手に作った秘密基地
お菓子を持ち寄り 元よりお遊び
外装段ボール
知らず知らずに 刻んでいた足跡を
物語のように 華々しく飾ってた
ここに咲いていた 花は泣き虫で
でも笑った顔が とても愛らしいんだ
一週間という短い蝉の一生に
似ている君の命は きれいな花火になった
思い出ばかりが散らかるな
写真の中では 幸せそうに笑う君も
今では幻と同じだ
今も 変わらずあの場所に 咲いているのに
ひとつひとつ 丁寧にアスファルトに
染み渡ってゆく雨音を聴きながら
片付かないままの 楽しすぎる日々を
引き出しから 出し入れを繰り返す
ああ 僕も君と同じになれたなら
こんなに 明日を拒んだりしないかな
ノートに書き付けた決意表明は
言いたいことだけを叫んで黙った
真っ白な大地に落ちた星のひとつを
適当につかんで それがすべてだと
言いたげな 僕らは
埋まらない隙間を 何かで塞いでいたいだけ
面影だけでも 頼りない僕のそばにいてほしい
そう強がるだけの弱いままの僕だ。
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睡眠薬と一緒にのみこむ真実
探偵、押し黙り ただの石像に成り果てる
目の前に朝が転がった 被告人は
闇ばかりを見つめている
あらゆる概念を一同に集めた座談会は
ただいまを持ちまして閉幕と相成る
標的なんかない サアチライトは
ただ 撃ち抜くために放たれる
壊れそうな思い 引きずって
夜は明ける 上出来な嘘
引き連れて行こう 何処までも。
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時計は動いてゆく 世界の終わりまで
僕は 時限爆弾抱えて
タイムリミットまで長い長い蛇の生殺しみたいに待ちぼうけをくらわされている
何もなかった世界にとある命が
生まれて賢い誰かが掟を紙に記した
邪魔くさいんだよ線に囲まれて
満足に人も殺められない世界だ
叫びたいのは大義名分よりも
己の存在だと歌いたい ただそれだけ
沸点をとうに通り過ぎて蒸気を上げてる
ヤカンは 机の上で発情期を迎える
引き出しの奥の青写真 殺したはずのデイドリームビリーバー
死体に蛆がわく ブンブンと蝿が飛び
いつまでもその羽音が消えない
狂いそうな でも正常な憎しみはやがてこの身を完膚なきまでに滅ぼすから
今のうちに きれいな夢を見るんだよ
いつかその希望が崩れ去るまで
ひとつ ふたつ杭を打つ 雨が
地面をえぐるように
ゆがみのないこの世界に 亀裂を生む
邪魔くさいんだよ線に囲まれて
満足に人も殺められない世界だ
叫びたいのは大義名分よりも
己の存在だと歌いたい ただそれだけ。
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ピントを合わせて 覗き込んだリトグラフ
イメージだけの世界が輪郭を持って
妄想が現実に巣くう
蜘蛛の巣を張る
空はどんより 雲って今にも雨が降ってきそうだ
傘を持って 待ち構える さあいつでも来い
午後から次第に雨は小雨からどしゃ降りに変わる
天気予報通りだな あまりにつまらないから濡れてやる
あらゆる概念を無視して雷雨の中を走る 傘を放り投げる
ほら これ幸いとばかりに僕は笑う 僕は笑う
ファインダーの向こうにある被写体
一秒を永遠に閉じ込める魔法
悲しみも喜びも ネガに焼き付くよ
正方形の 世界の中で 時が止まったように笑ったままの君を見てるもう一人の僕
午後から次第に雨は小雨からどしゃ降りに変わる
天気予報通りだな あまりにつまらないから濡れてやる
あらゆる概念を無視して雷雨の中を走る 傘を放り投げる
ほら これ幸いとばかりに僕は笑う 僕は笑う。
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ありふれた 幸せがやけに馴れ馴れしい
世界で時計は神様の言いなり
運命なんて凡庸な道しるべに頼って
小説にのさばる知識に傾倒して
見上げるべき空を手のひらで覆って
こんな世界は嘘だと言った
アスファルトを雨が打つ そのリズムに歩調を合わせ
笑ってみよう 泣いてみよう 果ては狂ってみよう
この 気持ちが明日もこの心にあるのならば
ここにあるすべては嘘じゃないよ。