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どるとるの部屋


[1096] 太陽の涙
詩人:どるとる [投票][編集]


止まない
雨の悲しさは
止まらぬ
涙の悲しさと相違ない切なさと重さを抱えているものさ

涙と笑顔はなかりけり
光と影もなかりけり
向かい合い相対するものはひとつを残して存在できない
この世界にあるものすべてがそう

なみだという見えない雨に濡れながらも人は前を見て進む

命のふるえを感じながら
唇かみしめて言葉にしてゆく思い

ぼくを濡らす 雨に
語りかける 言葉はない
痛みがやがて安らぎに
変わってゆくのさ
雨降る街にも
日は 待てば 差し込む
闇は晴れる
止まない雨はない
ならば
止まらないなみだもないはずだ
信じないことには
扉は開かず
何も始まらないだろう

照り返す 陽射し
降り注ぐ 笑顔の雨
光り輝く 太陽の涙
今はもう 苦しみさえも昔話
過ぎ去った夢
まばゆく照らすあの晴天に浮かぶ空の王様にぼくは叫ぶ
ありったけの思いをぶつけるんだ
壁に阻まれた現実ならば ぶち壊せばいいだけだ

今 涙という雨に濡れている ぼくは光の中
太陽の涙に濡れながら
不思議とこの涙は悲しくはない 流せば流すほどうれしいばかりの涙だ
不思議にこの涙は悲しくはない 溢れれば溢れるだけ ときめくばかりの涙だ

止まない雨の悲しさも
止まらぬ涙の悲しさも
今はもう遠き夢 まほろばのかげろう
ぼくは今 光に照らされ
空には満開の太陽
ぼくの顔には満面の微笑み
太陽がこぼした大粒の涙がぼくをやさしく包むから
ぼくはたまらなくなって 陽射しの中
いつまでもいつまでも
笑っていた
ただひとり

ぼくにしかわからない
時間の片隅で
一瞬 時が止まったような静寂が流れた
地面に落ちてしまいそう涙も地面すれすれで 光に変わりまたたいた

角度を変えればほら悲しみだって喜びを際だたせるための大事な気持ちさ
うれしいときに浮かべる笑顔のように
理由もなく人は涙を流さないから。

2010/02/21 (Sun)

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