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どるとるの部屋


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詩人:どるとる [投票][編集]


世界中でただひとりだけ 悲しい気になってる人は誰だ?ぼくだ
いつもと同じ噎せるような夕暮れに胸は焦がれて
わがままな気持ちが憎たらしいくらい常識に従順な良心を追い負かして
ぼくをわがままにする

少しでもきれいな
何かを求めるように
いつも求めてる
少しでも自分が
きれいに見える場所

抗えるもの今は何もなく
あがいてみてももがいてみても縛られたからだじゃ何もできない
大きな力もなく
何も変わらない
毎日を抱きしめてうつむいているだけで精一杯なんだ

人は誰もぬぐえぬ大きな影を光のような希望の隣にいつでも寄り添わせてる
光と影の中を歩く
それがどうやらさだめらしいから

どんなに待ったかけても止まらない時の流れが連れてきたこの夜が聞く耳を持たないように
何が起きても
涙をのむしかないことだって多いから
悲しいことは尽きそうもない
この先もずっとずっと

君もぼくと同じ影を希望の隣に寄り添わせてるの?
そしてそれでも生きてるの?
ひたすら運命という運命に石頭になって
どんなに悲しみにたたかれたって 雨に濡らされたって
君は頑固に生きてくの? ぼくと一緒だね

ぬぐえぬ影を抱いたまま その隣に何か希望を寄り添わせて
悲しいことばかりじゃないといつも自分をだますように励ましながらいくつもの壁をよじ登るように乗り越えてゆくの?

その姿は涙が出るくらい素晴らしい
生きることへの辛さや苦しさがほら新しい影をつくりだしても 影あるところ光は生まれる
ほら 悲しみにしてやられてたってあとに待つ喜びを見つめて君はつよく笑ってる
横殴りの雨の中で
空の向こう
見えてる 晴れ間に希望寄せてる

光あれば そこにかならず影がある
だけれど 逆をいえば
影あれば そこには光だってある
だから 悲しみだけを見つめる必要なんてない
半分が希望ならば人は強くなれる
影を振り切って。

2010/02/24 (Wed)

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