詩人:どるとる | [投票][編集] |
押しては引く波のように
押し寄せる恋もあれば引き下がる恋もある
ほら 少しずつぼくの日常から美しい非日常が薄らいでゆく
そんな今日は
名づけるなら
なみだの日とでも
名づけましょうか
ただ ただ
悲しいだけの
なみだの日
それがいちばん
お似合いだろう
半ば やけくそに
ぼくはそう決めた
押しては引く波
引く波があるなら
押す波もあるから
また 再び
押し寄せるまで
ぼくは堪えて待つ
押し寄せる予感が
この胸に
ざわざわと
波立つまで
ぼくはどんな日でも
なみだの日って名づけてしまうから
押し寄せる
その日を
待つ
いつか
なみだの日を
えがおの日に
変えられるまで
笑いあえる
その日を
待つ
悲しみは満ちて
また 引いてゆく
そして 喜びがやがて満ちるから
すべてはそのときにわかるから
ぼくは涙を抱えて
今は拭わずに待つ
地平線を見つめて
沈む太陽に問いかけて
いつだって抜け出す準備は播但だから。