詩人:どるとる | [投票][編集] |
燃えるような空をひとりきり眺めていたんだ
あかね色とも違う
あれは何色っていうのだろう
今まで見たこともない比類なき色
街には今日も
変わらない時間が流れ
人々は時計の上で生きる
優しい笑顔が咲く
表向き素晴らしい世界
くだらないことでも本気で笑い合える場所
裏を返してしまえば
悲しみや切なさが
見え隠れするだろう
君を絶望させるだろう
だけれどそれでも
やまない雨の中
笑っている人がいるよ
だから ぼくもいっしょになって笑うのさ
雨はやまないなら
悲しみの中にも光る
喜びってささいな出来事をぼくは笑顔に変えるから
道端に咲く 見向きもされない花もきれいなのは本当だから
ぼくもそんな隠れた喜び見つけたい
そこにあるのに
気づいてもらえない
幸せなんて悲しすぎるから
ぼくはあのあたりまえにきれいな夕暮れを大げさなまでに愛す
たとえればいつも簡単なことだ
奇跡はいつだって気づかないだけですぐそばにあるから
どんな偶然もどんな当然なことも君の笑顔をつくるための大事な材料だよ
だからね だからね
さよならの一言で終わる一日がどんなに幸せなのか
その答を物語るものがほらここにある
あたりまえだと鼻で笑うようなものが 実は 信じられないくらい大事なものなんだと気づけた今日はきっといい一日
否定するものは何もないはず
さあ今日も帰ろう
繋いでくれる手なくても
長い長い帰り道
気を紛らす話し相手さえいなくても
あの夕暮れを見上げていれば 家との距離なんて 近いものさ
真っ赤な夕焼け空が
だんだん家に近づくたび夕闇にのまれ夜に沈んでゆくその景色はいつ見ても胸にぐぐっとくるものだね
常識にじゃまされないように
今だけは 今だけは
不思議な何かに身をゆだねてさ
目に見える全てを奇跡と思おう
さっき聞いたばかりの五時のチャイムがまだ耳に余韻を残す。