詩人:どるとる | [投票][編集] |
バケツをひっくり返したようなどしゃ降りの雨の中
何も言えず立ち尽くしてるナイスガイ
間違いだらけの毎日
失敗は星の数だけ
転んですりむいた膝にできたかさぶた
直りかけてもまた転んでしまうほど
おっちょこちょいのぼくは不運な災厄を呼ぶ雨男
玄関を 開けたとき
靴を放り投げるように脱いで
部屋に向かう
脱ぎ捨てられた靴は乱れに乱れ
もはや 揃えるなんて概念はぼくの中には皆無なんだ
やまないやまない雨の降る ちっぽけな公園でふるえる子犬のように 行き場のない気持ちがぐっとぼくを焦がしたら
守りの傘を ささなくちゃ
大事な大事なハートもびしょぬれだよ
嘘をついて
愛想で本当の気持ち隠しても
悲しいだけなのに
雨降りのロマンス
期待して 雨の中素っ裸で飛び出して
濡れるのを楽しむバカな男
こんなぼくを心から愛してくれる人はきっと変な人に違いない
でもたまには
甘えて ひとつの傘で雨の中を ゆうゆう歩きたい
そんなロマンス
秘めた雨のロマンシズムに浸って
目を閉じる ぼくは黄昏のさなか
迎えのバスを待っている途中
雨はまだやまない
いつまで待てば
雨はやむのだろう
それさえ 音沙汰無し。