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どるとるの部屋


[1192] 素敵な地上の夜
詩人:どるとる [投票][編集]


風がやんだ夜
静けさに包まれる夜

ぴっちりと閉まった窓をおもむろに開け放して
メガネをはずして
肉眼で眺めてみる夜

遠くに揺れる
星の光
それとかすかな
都会のネオン

この世界の小さな国の
それより小さな町の一角に建つ小さな家の窓からも
じゅうぶん見える素敵な地上の夜

特別なものなんて何もなくていいんだ
ふつうだからこそ素晴らしい夜なんだ
何かと面倒な朝をくぐり抜けて やっとたどり着いたひとりになれる時間だから
好きなことしよう
あまり夜明けまでには時間はそうはないけど

それでも途中まで読んでた本の続きを読む
見たいテレビを見る
ギターを弾いてみる
ゲームをする
やることはあるだろう
やれることがあるだろう
たとえ短く儚い夜でも
涼しげな風は
夜の匂いがする
とても好きな匂い

風がやんだ夜
静けさに包まれる夜
けっして特別じゃないふつうの夜
ああ 素敵な地上の夜
地上からも宇宙を眺めることができる
ほら 星座をひとり探す
あれはシリウス
あっちはベガ
あそこに見えるは金星かな

睡魔なんてそのうちやってくる
今は眠くなくとも
眠くなるまで
眠くなるまで
楽しく 過ごそう
夜も1日のうち
ほら 無駄にしないで楽しく 過ごそう

素敵な 素敵な
地上の 夜を

内側から輝いて
夜の風に抱かれて
星のような
光を見つけましょう
かならずあるはず
目を凝らしてみれば

ほら そこにもあそこにも探し出せばきりもないほどに夜は眠れる宝石の山。

2010/03/16 (Tue)

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