詩人:どるとる | [投票][編集] |
さよならのページをめくるときが来たんだね
『思うより早かった』
来てしまえば誰もがそう言うだろう
さよならの時
さよならの
悲しみ
さよならの
切なさ
さよならの
むなしさ
さよならの
はかなさ
ぼくらは 当然のように手を振り
まるで 観ているだけで悲しくなる
映画のようにぼくらは左右に背中を向けたまま画面の端に消える
あとにはただ木の葉舞い上げる幽かな木枯らしが吹いているだけ
時間は過ぎて夜が来る
さよなら交わしたその通りにはもう誰ひとりいない
そこにはただ来る者を遠ざけるさみしさが残っているだけなんだよ
用意されてない続編
つづきは無いらしい
ぼくらの恋はまるで
1話だけで終わるなんの変動もないつまらないラブストーリー
俳優など必要はない
ぼくらはただの通りすがりだから
気づけば、木枯らしがつれてきた木の葉 画面の隅に 踊る。