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どるとるの部屋


[1205] 洗濯物が乾くまで
詩人:どるとる [投票][編集]


洗濯物だって
いつまでも
濡れてない
時間が経てば
ちゃんと乾く
だからきみも
いつまでも
泣いてないで
泣きやみなさい
泣かない強さを
持つことより
泣いたって
泣きやむ強さを
持つほうがね
大事だからさ

ふいに濡れてしまった洗濯物が乾くまで
ぼくもいっしょに泣くからさ 乾くの待とう
同じ悲しみ 同じ切なさ 溢れ出る涙 吹き荒れる戸惑いの砂嵐 儚い夢の終わり
激しさをますばかりでやまない雨
それらから抜け出す方法を探すよりもそれらから身を守る方法を探すほうが先決さ

だからぼくは泣きたいきみと居るんだ
いつか泣き止んでくれると思うから
泣き止んだ朝のまぶしさに 便乗するよに 気持ち晴れやかにまた新しいきみをはじめるあなたを 見つめるこの目には一点の曇りもなく
ただ鮮やかにひろがる
青空を映し出すよ
きみの目にも同じ青空が映っているかな
すこし心配になり
手をのばす
拭いきれない悲しみや
やりきれない気持ちは
ぼくのこれからにかかってる

だから洗濯物が乾くまでじゃなく何度も洗濯物は濡れるから
きみといっしょにいつまでも居ること誓うよ 骨の髄まで愛するため
きみの傷みやすいロンリーハート
抱きしめるこの手に力がこもる
過剰な愛情で間違っても傷つけないようにぼくはだれた気持ちに渇を入れ険しいまなざしで 深くうなずく

きみの洗濯物が乾いても
きっとぼくの洗濯物の濡れている
その時はきみに今度は乾かしてもらおう
どうか お願いね
ただその優しさがいちばんの薬
まるで お日様の光のよに 自然なその笑顔が涙乾かす 何よりの 早道

そう言うぼくの顔には小さな太陽
さっきまで泣いていたきみの顔にも輝く生まれたての太陽

洗濯物は何度も濡れる
でもね悲しみが降るこの世界には
それを乾かす喜びがある
だからこそ洗濯物を乾かしまた きりもなく笑う為束の間を求めてやまぬ。

2010/03/20 (Sat)

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