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どるとるの部屋


[1223] おばあちゃんの1日
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


朝から晩まで
晴れた日には
縁側で 日向ぼっこ
雨が降れば降ったで
テレビを見てる

通学路の横断歩道
散歩してるおばあちゃん
腰の曲がったどこにでもいそうなおばあちゃん
子供たちに 優しく微笑む

たまには 公園でゲートボール
無邪気な子どもみたいにはしゃぐ おばあちゃん

そして日が暮れたら
いつもの 縁側で
夕空 眺めながら
お茶をすする

繰り返し 繰り返し
おばあちゃんの1日は始まっては終わる
働いている人よりずっとずっと家にいる時間が長いから
先立ったおじいさんの いなくなった家はひとりで暮らすには広いけど
それでも変わらないおばあちゃんの日常
今日も てくてく
カレンダーの数字を飛び越え元気に生きる
春夏秋冬 いつでも
優しい 優しい
笑顔の素敵なおばあちゃん
夕暮れが好きなおばあちゃん

昔、駄菓子屋
今はただのおばあちゃん

残り少ない
時間の中で
さみしさ 悲しさ
切なささえ
笑い話にして
けっして 顔に出さないおばあちゃん

きっと 本当は泣きたいんだろうけど
おばあちゃんは泣かないかわりにたくさん笑う

それがおばあちゃんの1日
なんでもない日常の切れ端なのだ

明日も明後日も
おばあちゃんはきっとあの縁側に座って日向ぼっこ
雨の日にはテレビ鑑賞

長生きしてね
おばあちゃん

縁もゆかりもないけど
その優しい人柄がただとても好きだから。

2010/03/24 (Wed)

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