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どるとるの部屋


[1266] 事件は密室にて
詩人:どるとる [投票][編集]


切なさも悲しみもひとつの場所に押し込めた
すべての気持ちが混じり合ってるよ
今、夜がおとずれて
僕らを四角い部屋に閉じ込める

たまに猫が鳴いて
たまにくずかごに投げるゴミがくずかごに届かずにくずかごの手前で落ちるみたいに的はいつもはずれてばかり
予想は期待以上のものは生まず決まって最悪な結果を呼ぶ
僕には予想することさえこわかった

ここは巨大な密室 地球という
惑星のとある一軒家
凝縮された生活の匂いに包まれ 僕はいつだって常識に囲まれて
光と影が交差する
さだめの上に生きる

死ぬも生まれるも
生きてゆくも
すべてはこの巨大な密室の中で始まり終わるのだ

広すぎるくらいだけどたまに人ごみの中で息は詰まる
そんなときはすかさず逃げ場を確保する

いっさいの甘えを許さぬとばかりにだんだんうるさくなる世界

『すべての事件は密室にて』
これ以上はノーコメントで
なんてね
ひとり言ってみる

夜は過ぎてく
その気があるなら
きっと明日も
僕は生きてるだろう
でも明日のことだからねわからないけれど
なんてね お粗末ね…

2010/04/03 (Sat)

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