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どるとるの部屋


[1281] ちょっと昔のずいぶん古い詩
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


今よりもっと
そう願ってた僕なのにいつの間にか
やたら背の高い大人になりたがってたね
必死こいて求めている場所には何もありゃしないのに無謀なくらいひた走る僕がいた

高みを目指しすぎるあまり周りが見えなくなってた
理想の影を追いかけて見失って
たどり着いた真夜中に目が覚めた
はかなく浅はかな夢だとも気づけずに

ちょっと昔の
ずいぶん古い
詩をつくりたい
つくりたいのは
変わらない詩

僕がつくってたのに
もう つくれなくなってしまった詩
まるで別人の成し遂げたことだね
ほら あれ以上でもなくあれ以下でもない
変わらない詩をあの頃の姿勢でうたいたい
もし叶うなら
もう 古いままでいい


求めてたのは時代おくれの詩
それは自分がうたいたい詩
拍手してもらえるような詩じゃない
気に入ってもらうための詩なんかじゃないのさ
大げさな話 他人からつばを吐きかけられるような 嫌われ者の詩うたいたい
昔はそうだったから

ちょっと昔の
ずいぶん古い
詩をうたいたい
もう一度だけ
時よ、もどれ

真夜中に 真夜中に
たどり着いた僕は
そこで好きな詩うたう

好かれなくたって
嫌われたって
貶されたって
うたいたい詩
うたえなければ
意味はないんだ
うたいはじめは
軽やかならば
うたい終わりも
軽やかにしたい
ひとりになっても
舞台には誰もいなくても 照明消されても
僕はうたい続ける
ちょっと昔の…
ずいぶん古い詩…

さあ 夜は針が回るだけで明るくもなりましょう
幕は上がり また 人でごった返す 矢車通り

全ての 答は きっと
少しずつ 見えてくる
そう思うから

もう少し 支えになって 昔の僕の詩よ
いつまでもすがっていたい 昔の僕の詩

いつまでも すがってもいられないけど
古くて新しい詩が生まれるまで 傍にいて 流れ続けてて 昔の僕の本気の詩よ…

2010/04/04 (Sun)

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