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どるとるの部屋


[1326] 雨降り
詩人:どるとる [投票][編集]


ティッシュが何枚あっても足りないほど
涙流してるよ心では
ただ強がって隠してるだけで本当はそれくらい悲しいのさ

誰かに言ったところで解決の糸口は見つかりそうもない
時間を浪費するものは仕事と仕事と仕事

今日もぼくはぼく自身に言うのだ
つまらない人生をつまらなさそうに生きてますね
それでよく生きていられますねと
そしていつも返す言葉は何もなくただ頷くだけなのです

それはまるで長い夢を何度も巻き戻して見ているような変わり映えしない毎日
つかの間の喜びのあとの目覚めた悪夢
一時の晴れ間に気をゆるした途端の雨降り
あの晴れ間はなんだったのか
ただぼう然と立ち尽くすぼくを濡らすこの雨はなんの悪びれもなく ただ 使命を果たさんとばかりに誰もかもを濡らすんだよ

人ごみを避けてさ
なるべく
物陰へ 物陰へと
逃げてゆきたい
思いをぬぐい去れずに
今日もまた心は雨降り

あの空に広がる青は
信じるに値せず
なぜなら心には雨が降ってるから

テレビの天気予報は
心の天気の移り変わりまでは予測できないから
ほらまた心の天気はめまぐるしく変わる
ぼくの心に雨が降り出す
秩序のないルール無用の世界に

励ましの言葉はぼくには届かない
希望は死にました

嘘と強がりを盾に
悲しみの雨粒乱れ飛ぶ 浮き世の戦場に紛れ込む今日もぼくは浮かない顔

目を伏せてたぬき寝入り
さりとて悲しみは降り止まない
ぼくはさだめをふりきれず生きるだろう

雨降りは避けては通れない。

2010/04/21 (Wed)

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