ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 僕らの暮らし

どるとるの部屋


[1331] 僕らの暮らし
詩人:どるとる [投票][編集]


僕らの暮らしはなんとなく続いてゆく
ふつうの愛情とふつうの幸せの中で
僕らの暮らしはなにげなく続いている
誰かが拾うこともなく素通りするような
ふつうの暮らしの中で僕らはずっと生きてる

夕暮れの街は
とても淡い色
素敵なチャイムが
心に染み渡る
蛍の光が流れる
この街に今日も終わりが満ちていく

住まう人々は窓を閉めそして網戸を閉め
カーテンを閉める
そして僕らもまた…

朝から夜へと
転がるように
時間は過ぎて
僕らの暮らしがまたひとつ黄昏に近づき
砂時計の時間の砂粒がこぼれ落ちる

愛し合う僕らの手のひらには一口大の切なさとまだ見ない明日への楽しみがあるのさ

僕らの暮らしは続く
悲しみ喜びくり返す
ふつうのサイクルの中
僕らの毎日は流れてく
朝夜行き交いながら
僕らの暮らしは続く

太陽が月と交わり
また月と太陽が交わり
電気が点いたり消えたりするこの世界で悲劇みたいな喜劇みたいな不思議な劇は台本もなくアドリブで続く

それが僕らの暮らし
閉幕はまだ先の話
そしてまた新しい1日の朝がはじまる
コーヒー一杯で広がる渋い一幕。

2010/04/24 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -