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どるとるの部屋


[1332] ふたりぼっち
詩人:どるとる [投票][編集]


意味なんかないけど
理由なんかないけど
今日も君が好きだよ
理由なき喜びのその袂で咲く花のように
僕は今日も悲しみに揺れ切なさに胸を痛め喜びに救われてる

君に歌いたい歌が腐るほどあるんだ
この空の下で歌いたい歌があるのさ

夜に沈んでゆく街
時間が傾いて
シーソーのように
今日という日は
傾いたほうへ
お引っ越し
嫌な記憶さえも
素晴らしい思い出も
全部、全部
明日へお持ち帰り

ハート型の月など
あるわけもないけど
君のイメージの瞳にはきっとそんな感じにうつっているのだろうね

幸せは手探りしなくても あっちにもこっちにもどこにでもあるじゃないか
僕には目の前にいる君も幸せのひとつさ
それもいちばんの幸せと呼んでもいいくらいなんだよ

不器用な言葉で編み出した僕の手作りのラブソング
ギターやピアノなんてまるで弾けたもんじゃないけど
この言葉とこの性格で君のためにアカペラで歌うよ
ドレミファソラシド
ドシラソファミレド
刻むメロディははずみながら君に届くだろう

今すぐ! 会いたい!
この長い夜を吹き飛ばして

いままでのさみしさを
いままでの切なさを
取り返すため
君を死ぬまで愛しきるまで
生きているあいだに
君に幸せを届けるため
僕は今日も歌うようにつぶやくのさ
やっぱり今日も君が好き

悪戯なケンカなどつかの間のすれ違い
すぐに二人は絶妙なタイミングで頭を下げ謝りあえるさ

出くわしたこの偶然に身をあずけて月がきれいな夜に
朝まで開くはずもなかったはずの扉を開き君と真夜中のデートに行くのさ
足音立てないように
手をつないで出かけてゆく二人

墨をばらまいたような夜に溶けてゆく今日という1日
光はやがてちらほらとともる程度になって
二人の瞳の中で小さく光るだけ

僕らは日々進む科学や流行とは裏腹に
いつまでも変わらないまま愛し合う
ふたりぼっち。

2010/04/24 (Sat)

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