詩人:どるとる | [投票][編集] |
迷路のようなこの街の中 油断してると帰り道がわからなくなる
君がいま大切にしているものが何年経っても変わらず大切であるように
僕は願いながら
ドアを開ける
気まぐれな天気に
見舞われながら
毎日 ごくろうさま
だれにも言ってもらえないから自分で自分に言う日々
ハンカチで汗ぬぐい
水をいっきに飲み干す灼熱の炎天下
遠く見える夏を去る影 見事に見まがう幻
僕は抜けるような青空スケッチするのさ
押し寄せてくるさざ波に さらわれた夏
君はおもむろに描いた僕の絵を見て笑う
花火が舞い上がる
ヒュルリ 夜空に咲く大輪が君の姿を映し出す
君はやっぱり素敵だね
遠く見えた夏を去る影 見事なまでの消失
きっと今年も来たと思ったら気づけば終わっているんだ
暑苦しくて嫌いなのになぜか恋しさ残る夏の終わり
夏が足音立てて
かすかに近づく
雲は縦に横に広がり
自由に空を泳ぐ
戯れるような形
街は照り返す太陽光でまぶしくかがやく
シャツににじんだ汗がしだいに乾いてく
遠く見える夏を去る影 見事に見まがう幻
そこにあった暑さはまるで嘘のように気づいたら夢のようだから 暑いいまだけ
楽しめる快い毎日を泳ぐように暮らしていこう
青い海と空と白い雲
長い長い坂道
わき道にそれる日々
涼んでる耳に聞こえる風鈴の音
庭に咲くアジサイ
お囃子のざわめき
夏は目の前をゆっくり通り過ぎるパレード
去ったあとには暑さはみじんもなくただ切なさがじわりと残るだけ
夏を去る影はいずこへ消えたの?
君は不思議そうに
僕の絵を見て笑う
セミしぐれの中で。