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どるとるの部屋


[1627] 黄昏
詩人:どるとる [投票][編集]


影が揺れている
僕のすぐ横で
それは君の影だ
君の生きる証だよ
僕の影も揺れている
僕はまだ生きているからなんて大げさなこと言いながらたかが影だとあざ笑う人たち

黄昏時の切なさよ
このまま何も変わらずに舟は川を渡るもの
途中で沈んでしまえばただの沈没船だ
だから僕は岸をひたすらめざす

黄昏時の切なさは
なにものにも代え難い心地よい美しさを僕の中に刻むように残してゆくから
涙は流れる
流れるままに

黄昏ている 僕の影が少し小さくなったら
それは閉じられる
まぶたのせいさ

夢の中へ
途切れる意識
完全に
まぶたのシャッターがおりきったら
そこはただの暗闇さ
イメージだけが住まう世界

ああ おやすみ
夜が明けるまで
繰り返される寝返りとたまの寝言

どんな夢見てるのかい?
楽しい夢ならいいのに
目覚めたら何ひとつ覚えてないよ
覚えてないよ。

2010/07/18 (Sun)

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