詩人:どるとる | [投票][編集] |
名もなき花に名前をつけて
名もなき鳥に名前をつけて
名もなき今日に名前をつけて
名もなき場所に名前をつけて
名もなきものに風を吹き込む
膨らんだそれは名前をもったその時から
自信と誇りを持ちました
名もないのでは
悲しいから
せめて
名前をつけたい
すべての命に
名前をつけたい
名もなき
ものは
名前がないから
呼ばれない
呼べもしない
名もなき
ものは
名前がないから
名前を聞かれても
こたえられない
適当な名前を言ってもそれは自分の名前じゃない
だから名もなきものには名前をつけて
その名を呼べ
高らかに
それはもう名もなきものじゃない
名のあるもの
それはなんて花?
それはなんて色?
それはなんて形?
それはなんて場所?
それはなんて動物?
名前があるから
際立つ存在感
ほら名前のない
名もなきものには名前をつけて
その名を呼ぼう
名もなきものには名前をつけて
その名で呼ぼう
だぶったって世界にただひとつの誇るべきその名を己でも呼ぼう。