詩人:どるとる | [投票][編集] |
沈む夕日
やがて夜に包まれる街
まるで深い海の底
夜の空に浮かぶ雲は
大きなクジラで
輝く星はヒトデ
そしてぼくらは仲良く泳ぐ二匹のイルカ
そんな夢の中
枕に沈む本を読む
何をしている
それは人それぞれ
窓を開ければ
満天の星空
やっぱり
ぼくには
深海に見えるよ
あの雲はクジラで
あの星はヒトデで
そしてぼくらは仲良く泳ぐ二匹のイルカ
さあ さまよいながら
ただよいながら
気持ちよさそうに泳ぐ
ぼくらは深い夢の中
このまま覚めないといいな
沈むゆく日
目覚めたらすべて幻
はかない夢のあとさき
花火が散るように
振り返ったら
もうそこにはない幻
ただ音だけが
聞こえるだけの幻影が揺れてるだけ
夜の向こう側
光る記憶
それは
過ぎ去れば
たちまち幻
沈みゆく日
立ち尽くす人とそれを眺める人
月と太陽のように
交差する朝と夜
マントをひるがえす空
光差すその時
沈んだ太陽は
また昇る
ここに
そこに
君の目に。