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どるとるの部屋


[1746] 新しい季節
詩人:どるとる [投票][編集]


言葉にもならない夜は
睡魔さえぼくを眠らせてくれない
羊を数えようにもイメージさえ浮かばない

眠れないから
窓開けて
夜風にでも吹かれようと少し涼しくなった
8月の終わりの風に抱かれていた

どうしようもないほど涙降り積もる夜
それはまるで季節はずれの雪のように溶けては消えてしまう

季節は観覧車のようにまたはじまりの場所に戻るよ
そして何度も
繰り返す日々
並木道に茂る緑の木々もやがて枯れ木と変わる

ポケットに手に入れ
汚れたスニーカーでゆっくり通り過ぎる夏
移り変わる
新しい季節が気づけばそこまで近づいてる

耳をすませば秋の足音がきこえる
ほらね鮮やかにぼくの胸の中 夕色に染まる

日は少し短くなる
夜の闇が深くなる
エアコンの冷房もそのうち暖房に変わるだろう

新しい季節が気づけば知らないあいだに隣にある

ぼくは素知らぬ顔して口笛 ひとり吹く
黄昏の中 夕日の朱色に頬を染めて

ふいに何気なく涼しくなった風の変化に気づいて 立ち止まる 夜の片隅
帰り道の途中

なるべく明るい場所を探して 家路を向かう

見上げた空にはいくつもの星がまたたくように輝いていた。

2010/08/21 (Sat)

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