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どるとるの部屋


[1810] 一週間という物語
詩人:どるとる [投票][得票][編集]


月曜日の夜はテレビを見ながら笑い
火曜日の夜はまあそれとなく過ごすだけ
水曜日の夜は君の笑顔を見ていたい
木曜日の夜は漫画を読みふけるだろう
金曜日の夜は明日休みなのをいいことに夜通し君とお喋り

一週間は長くって
嫌になるけれど
回る 回る 目も回る
めまぐるしい時間のメリーゴーランド
ほっとするのもつかの間また一週間は始まる

同じようなことを繰り返しては
同じようなことで泣いて 笑って
涙に濡れた頬が
乾いても
また悲しいことがあればすぐに元通り
心に雨が降り出す
かばう傘もない

幸せなのか 不幸せなのか
ここにある平穏
そして怠慢
愚かしい僕が築き上げたちっぽけな根城
主は情けない面で
言い訳ばかり重ねて
大人になるのをひたすら嫌がってる
ネバーランドに憧れて 心はまだ子供のまま ゼンマイ仕掛けのおもちゃ
誰かに背中を押されなくちゃ動けないような人

だけれど君が いつもそばにいてくれるから
僕は今日も何ら変わりなく元気で健やかにいられるんだ

ここにある平穏
そこにある退屈
僕が生まれる前の
空白の記憶

とりあえず僕は
生きている

一週間ずっと
不思議な魔法にかかっているように
思い出してはまた忘れて
繰り返す 一週間というストーリー

あらすじは未定です
何が起こるかわからない
でもだいたいは同じだ

ここに僕がいて
そこに君がいて
ふたりで育ててる
鉢植えがあって
空を見上げたら
青空が広がってる
そんなような
当たり前な世界が
ただ あるだけ

偶然という
曖昧な言葉の下
いつしか
僕は運命という
ありもしないような
素敵なロマンを
心に羽織らせていた

物語は中盤にさえさしかかってやいない
まだ僕は若い

人生をあきらめるにはまだ早すぎるさ

だからチャンスが踊る一週間が僕にはある

本のページを開くようにまぶたを開ければ ほらね。

2010/09/09 (Thu)

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