詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
愛想笑いが咲いていた悲しい花園
やがて僕ひとりだけになった時
見事に散ったその花
いつの間にか
笑顔をつくっていた
笑顔はつくるものじゃなく自然に生まれるものなのに
ピエロになっていた
悲しくても笑ってた
お客さんのいない
無人のサーカス小屋に僕はひとり佇んで笑顔の練習
悲しい光景だ
だけれどそこには
強い僕もいるよ
僕が僕自身を
外側から眺める時
あまりの自分の
愚かさにハッとした
笑う必要なんてない
悲しければ泣けばいい
そんな言葉かけてくれる誰かを待っても
ご機嫌とりの役目はなかなか他人に回らない
ピエロの化粧が涙で落ちたとき
薄汚れた笑顔は消え
美しい涙が光ってた
それがほんとの僕だ
もうピエロはやめだ
悲しいのに笑うなんておかしいよね
悲しい時はやっぱり泣くのが正解さ
ピエロが涙を流すとき
世界はにじんだ景色の向こうでやっと僕に微笑んでくれる
サーカスみたいな社会の中にだって
きっと自分を受け入れてくれる場所がある
信じる心
疑う気持ち
全部全部
胸の中にしまい込んで
ピエロだった僕は
素顔で微笑む
こんなに笑ったの
何年ぶりなのかな
太陽が眩しいよ
空がやけに青いよ。