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どるとるの部屋


[1945] まぼろしの夜明け
詩人:どるとる [投票][編集]


僕たちの時間は神様がかけた目覚ましが鳴ったら
唐突に終わってしまう
悲しみも喜びも全て
もとの暗闇の中へと消える

誰かが残した
思いだけが
そこに残るだけ
幽霊のように
目には見えない
影だけが
そこにあるだけ

駆け抜けた日々は
頑張りや努力もろとも
まぼろしに変わり
死んだそのあとは
誰もいない部屋があるだけ

悲しいような
嬉しいような
不思議な気持ちで
見つめた世界を
少しずつ
好きになれるまで
傷つけあう喜び

醜い誰かを愛するように 愛がそこにあればそれは素晴らしい
血と欲にまみれた日々もまた素晴らしい

まぼろしだとばかり思われていた夜明けがやってきた
僕はまた君と笑う

感応式の時限爆弾
抱えて歩く毎日よ
時が来るまで
僕は沈んでは昇る
太陽を見つめてる

さいしょから意味なんか無いのさ
この人生はよくできたまぼろし。

2010/10/23 (Sat)

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