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どるとるの部屋


[1946] つめたい夜風を蹴飛ばして
詩人:どるとる [投票][編集]


世知辛い世の中ですね
なかなか思うようにはいかないね
毎日それぞれ苦労しますね
大人も子供もお年寄りも

進化していく情報社会とは裏腹なまでに
退化していく頭の中
アナログで生きてきたお古い人間は
デジタル社会になじめずに置いてゆかれる現状

今日も誰かが
この街のどこかで
なくしたんだ
あのころの情熱を
夢を追いかけてた
あのころの自分は
もうどこにもいない
いるのはその抜け殻だけだ

まあ なんにしても
抜け出さなきゃ
仕方ないのもまた事実

悲しくても
切なくても
朝が絶えず来て
お日さまが昇る
そしてまた
夜が訪れて
僕はつまらないことで泣いてるでしょう
だけれど僕にはそれがとてつもなく悲しく見えるのさ

少しずつ秋めいてゆく街と並木道の木々をあざやかな色をした葉っぱがかざる

つめたい夜風を蹴飛ばすように走るバスが目的地をしらせたら 僕はボタンを押して そこから少し歩くよ

僕もつめたい夜風を蹴飛ばして 生きなきゃ倒れてしまうね
花だって雑草だって
つよく つよく
毎日 咲いてるのさ
だから僕も生きるよ

つめたい夜風を蹴飛ばして
ちっちゃなプライドでも抱きしめて

旅立ちののろしをあげる 夜明けを合図に。

2010/10/23 (Sat)

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