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どるとるの部屋


[1956] 終わらない映画のように
詩人:どるとる [投票][編集]


お別れの時がやってきたんですね
もうそんな時間ですか
早いものさ

さよならって言っただけで僕らは他人になるんだね
もう会うこともない
他人になるんだね

手を振って
さよならしよう
明日は瑠璃色には程遠い

電車に乗る君は
窓が閉まるまで
悲しそうな顔で
僕を見ていた

遠ざかる愛しい君を乗せた電車が小さくなっても
見つめていたよ
僕の知ることのない明日へ君が消えてゆく

目もさめるくらい
青い空に溶けた
悲しい時間は
今もこの胸の中で
あの日の涙を
思い出させるよ

さよなら…
さよなら…

何度でも 何度でも
映写機がうつす同じシーン

終わらない映画のように。

2010/10/24 (Sun)

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