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どるとるの部屋


[1967] 神様の手料理
詩人:どるとる [投票][編集]


神様がつくった
料理は数えきれないドラマを生んだ

地球という名前の
お鍋の中で
ぐつぐつ世界が湯気を立てて
やがて僕らができた

それぞれ感情や
それぞれ得意分野や
それぞれ好きなもの
それぞれ嫌いなもの
多種多様にあるけど
同じなのは心がだれにもあるってこと

美味しくできた料理もきびしい評価をつければ
満点ではないだろう
だからどんな優秀な人にもかならず欠点があるんだね

だけれどわかってほしいのはまずい料理なんてないこと
きっと不器用でも
きっと勉強苦手でも
きっと性格暗くても
きっとほかのことでは誰にも負けない
何かがあるはず
それが世の中でつかえるかつかえないかは別として素晴らしいものだよ
その人にしかない味だよ

僕らが生まれたのは
始まりも終わりもこの地球の中
ストーリーはいつも描かれてる
日めくりカレンダーパッパッパめくるように
次々に過ぎていく
あわただしい日々もまた楽しからずや

悲しいこと
嬉しいこと
楽しいこと
苦手なこと
得意なこと

参っちまうとき
はっとするとき
立ち止まるとき
誰かに感謝するとき
誰かに感謝されるとき
誰かを好きになるとき
誰かに愛されるとき

生まれた喜び
生まれた悲しみ
感じるけれど
いつも思うのは生まれて良かったと思う
その瞬間感じる気持ち
どんなに悲しくてもね前に進める
励みになるね

雨のち晴れの毎日
あたりまえといえばあたりまえ
文句いうより進め

だから迷っても
悩んでも
あまり深く考えすぎなければきっと多分楽チンだよ
いい人生送れるよ
たぶんね

僕は所詮家庭料理
ひねりのある味なんか最初からないから
きっと万人の舌には受け入れられない
でもこんな僕を美味しいと言ってくれる人もいる

やがて僕という料理の賞味期限を僕自身が完食した時
この物語は終わる
その時僕は何を感じるのだろう。

2010/10/25 (Mon)

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