詩人:どるとる | [投票][編集] |
何を道連れに 帰り道歩こうか?
今日はいつもより遠回りしたい気分だから
ロマンチックな男装って黄昏ながら
家路を歩こう
夕暮れは淡いオレンジ色
冬になると日は短くなるから
夕暮れが終わるのが早い 少し切ない
河原の道を君を道連れに 歩く 土曜日
縛るものは何もない
口笛が下手だと言われたから
大きなお世話だと言い返したら
君はムスッとした顔で嘘なのにってそのあと笑った
女心はわからない
まるで宇宙の不思議
僕らは僕らのやり方でいつも回ってるのに
地球の速さに
時間の流れに
ついていけず
人波に押し流され
気づけば町外れ
僕は君にキスをした
熱いキスをしたんだ
このまま君を永遠に道連れにしていこう
異論はないよね?
頷く君の目尻に涙が光る
道連れにしていこう
あの夕暮れも
あのオレンジ色も
あの街並みも
あの川も
すべての思い出も
何もかも
パズルみたいにさ
つながっては
断ち切れてしまう
何かを絶え間なく
つなぎ止める愛を
やっと見つけた
土曜日の夕暮れ
何を道連れに
君は歩くの?
ひとりじゃ寂しいよ
だから誰かと
歩いていきなさい
たとえばいちばん大好きなあの人を道連れにどこまでもどこまでも歩いていく
そんなプラン抱きしめて
輝く未来を手にする
寒空に冷たい木枯らしが吹けば
僕は巻いていた襟巻きを君に巻いてあげる
僕ができることはそんな質素なことだけだけど
できるだけのことはしたいからね
今日も君を道連れに
大切なこと
くだらないこと
沢山沢山思い出にしていくよ
愛を道連れに
君を道連れに
僕は冬の海を渡る鳥になる
小さな僕のポケットには大きすぎるあの大きな月ははかないものだから
いつまでも
いつまでも
記憶の中に閉じ込めていよう
今日という日を何十年後
素敵な思い出と呼べるように。