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どるとるの部屋


[2128] 希望の唄
詩人:どるとる [投票][編集]


絶望に塗りたくられた日を隠さないで
泣いた記憶を
その時間を
忘れないでいよう

今日までの僕と
今日からの僕と
ふたりで開く
明日の扉

希望に満ちた
明るい唄を
黄色い声で
名前のないリズムにのせてうたおう

僕がいることで
ここにいることで
たとえば誰かを守れたり 助けたりできたらそれは何よりの救いだから

希望の唄を僕はうたうよ
誰かのためとかじゃなくみんなのために

新しい夜明けを期待するのは僕だけじゃないから
飛び立つ鳥の影
目にしたら

明日へと続く
扉を開いて
暗い夢の森
くぐり抜けたら

僕はたどり着く
夢見ていた場所に

色とりどりの壁に寄りかかってうたうよ
言葉を手のひらでころがしながら
見えないギターを弾いてたまには見えないピアノも弾くよ

これは唄であって唄じゃない言葉の塊さ
でも伝えたい
届けたいから

きっときっと
誰かに届くだろう

流れ星のように
時間をかけて
誰かの瞳に伝う涙を
あたためたい

ほら希望は静かに眠りやがて雨が降り
大地を濡らし
畑をならす
そして人々の心の汚れを洗うだろう

希望に満ちた
明るい唄を
黄色い声で
名前のないリズムにのせてうたおう

希望の唄を僕はうたうよ
誰かのためとかじゃなくみんなのために

希望の唄をみんなとうたうよ
絶妙に重ならないみんなの声が意外と素敵な調和を生むんだ

ほら、意味は無いけど
僕たちがうたうことでつながる何かがある
ほら、理由は無いけど
僕たちがうたうことが明日のための光を呼ぶよ

さあ、夜明けとともに僕たちも散り散りに飛び立とう

それぞれの世界へ
さよならも言わずに
手さえ振らずに

うたい合ったこの夜を忘れないことがまた会えるという約束になるんだと精一杯微笑んで

死にゆく今日へ
弔いの唄を
生まれゆく明日へ
歓迎の唄を

目も覚めるような希望の唄を。

2010/11/28 (Sun)

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