詩人:どるとる | [投票][編集] |
茜色の空の下肩を並べて歩くふたりの影
君が踏み出した一歩は確かな一歩だけど
僕が踏み出した一歩は頼りなくてぎこちない
黄昏ている場合でもないけれど君があまりにまぶしくて
それをごまかすように僕はわざと夢心地さ
どうしてそんなに
うまい具合にいつも生きれるの?
べつに知りたくもないことだけど気になるから教えておくれ
芯まで冷えるような
冷たい風に吹かれて
僕は今にも泣きそうになったよ
ありのままの自分と
そうじゃない自分が
心の中で話し合ってるけど きっと話し合いは僕が死んでも終わらない
君は相変わらず
僕の一歩先を笑って歩いてる
今日も茜色の空に
名ばかりの口笛 吹き鳴らして
下手くそだと君が言う
僕もそうだと思うよ
なんて わかりきったことを自ら暴露する
心を押しつぶすような冷たい風に吹かれて
僕は今にも君を抱きしめそうになったよ
なってみたい自分と
ここにいる自分との間に果てしないギャップがあるから
僕は理想なんてゴミだと夢を見ることさえしなくなったんだ
君は相変わらず
僕の話をまじめに聞いてくれるけど優しすぎるよ
僕の心にも長い冬が今降りてきた
白い雪のような記憶の中を手探りしてみても思い出と呼べるようなものは無いようです
そしてまた僕は
さみしさをポケットに隠して 笑うんだ
それもとびきり強がった 下手くそな笑顔で
芯まで冷えるような
冷たい風に吹かれて
僕は今にも泣きそうになったよ
ありのままの自分と
そうじゃない自分が
心の中で話し合ってるけど きっと話し合いは僕が死んでも終わらない
君は相変わらず
僕の一歩先を笑って歩いてる
君と僕との間にある
見えない壁がまた厚くなったような気がした
心なしか 僕を見る君の瞳が悲しく見えた
冬のはじまりとともに僕の中の大事な何かが風に飛ばされ
どこかへ消えたよ
その大事な何かはもう戻らない。