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どるとるの部屋


[2355] 笑えなくなった僕へ
詩人:どるとる [投票][編集]


僕はこれからだれにも行き先告げずに
行方不明になった僕を探しに行くよ

涼しい顔をして通り過ぎていく
薄情な人たちの呼び止める声なんかすべて無視して

独りきりの夜
雪が寂しささえも
覆い尽くすよ
真っ白く染めるよ

白いお髭をたたえた
サンタクロースからのひと月遅いプレゼント

いつからか
素直に笑えなくなった僕へ
そっと雪の夜に歌いかけるんだ

表情を凍らせる雪が溶けたら寂しさがあらわになるから
その時肩の力抜けたら涙が急にあふれ出すんだ

昨日とか数年前とかそんな話じゃなくて
もう何十年も前からつづいてることなんだ

笑えなくなった僕へ
どうしたら笑ってくれますか?
僕でも説き伏せられないよ

無力さを痛感して
ひれ伏す 涙に溺れて
僕は僕を見失った

だから今夜は眠らずに悩んで悩んで僕を探すよ

笑えなくなった
理由も
笑えなくなった
原因も

すべてすべてすべて
僕の中にあるのなら

それは雪が溶けてから解ること。

2011/01/16 (Sun)

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