詩人:どるとる | [投票][編集] |
排気ガスに汚染された街の中
無理やり切り開かれた道の数だけ
自然は壊されて
動物は追いやられて
この街は 冷たいコンクリートでできた街
木のかわりに石の彫刻が 並んでる
そんなもの見ても
なんの感想も持てないよね
僕はここにいて
君がここにいて
誰かを思うように
誰かに思われるように
確かな心がここにあること
それを明らかにする
高鳴る鼓動
乱れひとつもなく
咲いている華の美しさよ
命あることの素晴らしさよ
この夢のない街に
神々の祝福を
栄えあらんことを
祈るのさ
終わりのない夜が
ゴールのない旅が
今まさにはじまりそうな予感がしているから
スタートの合図さえ待たないで 走り出したランナーに続いて
僕もルールを犯すよ
そしてなくしたもの
探しに行くよ
ここから
全てははじまる
汚いお前たちの靴の下にある つぶれたきれいな花よ
お前たちを弔う
コンクリートどかせばいくつものか弱き犠牲者たちの叫びがこだまする世界
ここは汚れた黒い森
獣は血に飢えた
化け物という名前の人間
お前たちが我が物顔で歩いているこの道の下にはいくつもの
罪の重さが 埋まってる
それを知らずに
唾を吐くなら
お前たちは
愚か者
コンクリートジャングル
そう名付けたら
この世界の美しさは嘘になるね
だから 小さな僕らのそれぞれの手で
守るんだよ
たくさんの命を踏み台にしてできたこの街だけど
罪のない人間だというならせめて
花に水をやれ
ゴミをポイ捨てするな
常識を守れよ
悪意のないお前の中にある白い善意に呼びかける 僕はお前に言っているんだよ
誰ひとり目をそらすことはできない
誰もが加害者で
誰もが傍観者だ
己の罪を悔い改めよ。