ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 旅人

どるとるの部屋


[2407] 旅人
詩人:どるとる [投票][編集]


何もない道の上
ある日 ある時
奇跡のような
偶然にも似た
運命によって
僕はここに折しも咲きました

そして今日までたくさんの人と出会い別れて 少しは生きる喜びしりました
時には途方に暮れる時もあるけど
いつも、ギリギリのところで持ちこたえて
かろうじて生き延びてます

あいにく名刺はもってないので身分を明かすことはできないまでも 名乗らせてもらうなら

僕はただの旅人です

果てしない道を歩き続けて
何かを探し求める旅人です

迷いなくそうこたえるでしょう

あなたの目に映る僕の背中はきっと頼りなく映ってる

でもこれだけはわかってね

僕も君と同じように
無理やりに
種をまかれ
咲いた花だ

でも不思議に
生まれたことが
とてもうれしいんだよ

だからもう少し
この場所で
生きていたいな

朝は昇るお日さまに
おじぎして
夕暮れは沈むお日さまに手を振って
夜は輝くお月さまと語り合って

そんなふうな毎日の中 いつの間にか死ねたなら

きっときっと
楽しいだろうな

年寄りがいっしょうけんめい庭で育てた他愛もない 木のように
物言わぬ静かな物腰と何か胸に逸物ひそめたような人だけど
精一杯 生きて
精一杯 笑って
目一杯 泣いて
目一杯 歩いて

二度と来ない
今日にまた
影だけ残して
明日へ
明日へ
限りなく 歩いていく

そんな旅人になってみたいよ

当たり前に誰かを愛し誰かに愛されるような

そんな旅人になってみたいよ。

2011/01/29 (Sat)

前頁] [どるとるの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -