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どるとるの部屋


[2455] アンブレラ
詩人:どるとる [投票][編集]


目の前にそびえ立ってる孤独の塊
積み重なる季節の波

落ち葉のように
花びらのように
散り際くらいは
美しく死んでゆきたいもんだ
だけれどこの世界は
地獄の沙汰も金次第
先行きは暗い

軽い財布を 大事そうに抱えながら
くだらないものばかりであふれる部屋に閉じこもっていても
友達はできない
彼女はできない
だけれど ひとりが一番なんだかんだ気楽です

こんな雨の降る日は
どこにも出かけず
ずっと家で
テレビでも観てるさ
音楽でも聴いてるさ

傘もなく 悲しみに
まともに 濡れている僕の心

誰かが傘を差し出してくれたら 幸せなのに

出逢いもありそうもない
夢見るだけ 憧れるだけ無謀な僕は自分で自分の身を守ることでなんとか生きています

そしてまた雨が降れば 身を守るため
傘を差すのです
だけれど心までは守れない
役立たずのアンブレラ

やがて 訪れた夜
屋内にいてもなお
濡れてしまう 連休初日。

2011/02/11 (Fri)

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