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どるとるの部屋


[2633] 僕らは筋書きのない映画の中で
詩人:どるとる [投票][編集]


殺風景な部屋に似つかわしい何もない夜
何気ない言葉に胸打たれて
僕らは 宛のない話を延々 つづけた

それとなく 進む 会話には辻褄なんかなくて 言いたいことを言いたいだけ 言うのが通例だったよね

会話は進む進む
話は様々
恋の話をしてるかと思ったらいきなりべつの話に変わるような 規則性のない自由なコミュニケーション

ああ 夜は いいもんだな
感慨深く 腕を組み
朧月夜に 一句詠む

僕らは筋書きのない映画の中で
お互いがその時その日の気分でなりたいヒロインと主人公になりきって
自由かつ気ままに暮らすのさ
のらりくらり
風に吹かれ
野良猫のように
想像力は住処を 持たず その時の気分で1日はシリアスにもなり ロマンチックにもなったりするんだ

ほらね、大事な気持ちは 言葉にせずともいつの間にか 心に生まれてるんだ

おふざけ半分
真面目半分
たまにその割合
狂うけど
一番好いのは
多分 絶対
二人が笑えていること

それだけで
それだけで
幸せなんて
この手の中さ

今日も筋書きのない映画はひとときのエンドロールに見送られ
映画が終わって画面が暗くなるように
夜になって
さびしくなって
自然に会話が生まれてまた映画が始まるよ

ご観覧の皆さん
今宵はお集まりいただきまことにありがとうございます

ただいまから上映されますのは
どこにでもいる
愛し合う男と女の
くだらない楽しい毎日です

ほら、目を見張れ
口を真一文字に結べ

今日も些細なセリフが 笑いを巻き起こすよ

日常という名の
悲喜劇が
世界を巻き込んで

今日も現実なのか
夢なのか
わからない
日常が始まる

筋書きなんて
無くたっていい

二人がいればそれだけで
愛があればそれだけで

平凡な毎日も映画のように めくるめくメリーゴーランド

まわる まわる 奇跡。

2011/03/24 (Thu)

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